-------- --:-- | カテゴリ:スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2012-02-24 10:01 | カテゴリ:未分類
隣の席にリュックを置いて、誰にも座らせてあげない。
空席だらけのスクールバス、別に守ってなくても大丈夫そうだけど、だけど、ここに座る子は決まってるから。
今日のあたしはお気に入り、タータンチェックの赤いマフラー、必死にねだって買ってもらったベージュのオーバー、たぶん、お姉ちゃんよりきれいだって思ってる。
がたがたがたがた、舗装はがれた砂埃をバスがゆく。
ひざの上に抱くポット、アップルティが温かい。
頬を赤らめ、白い息しながら乗ってくるあの子に最初に飲ませてあげよう。

あの子はいつものダッフルコート、お兄ちゃんのお下がりで毛玉つけた野暮ったい茶色。今日も寝癖がついてる頭、恥ずかしそうに「おはよう」って言うでしょう。あたしはリュックをどかして、黙って守っていた席を空ける。

雪景色、レンガの港湾倉庫、古ぼけたコンテナの群れを抜けたら、あの子が住んでる街になる。
もうすぐフウサされてなくなるんだってママは言ってた。
じゃあ、あの子はどこへ行くの?
パパは新しい仕事を探してるから、きっとまた同じ学校、このバスで通えるよ。困ったような、淋しいような、初めて浮かべた顔で言ってた。

ウソばっかり。あたしはそんなの信じない。ホントのことを話してよ。叩いたりしないから。

バスがゆっくり街へと入って行く。曇った窓を袖で拭いて、あの子の姿を探してる。目が合わないように真っ直ぐ前を見たままで。

色のない街に赤、青、黄色、原色だらけ傘が花みたいに咲いている。
見つけた白い花、なんだか頼りないシルエット、いつもと同じようにあいつがバスを待っている。
関連記事
スポンサーサイト

管理者のみに表示する

トラックバックURL
→http://stardustjohnny.blog.fc2.com/tb.php/70-fcda613d
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。