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2015-04-10 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・焦熱

「狗のバロウズ」


目覚めてしまうと視界を占めていたのは青い、
虚空が惑う青い夜が広がり続けているようだった、
昼間の鮮やか過ぎる色が生き延び、どうやら夜に溶けたみたいだ、そして鉛と混ざり合う、
気分も悪げに反転する金時計の塔の上には山羊の頭を持った黒い男が眼下を見据えて鳩を骨ごと噛んでいた、そして歯の隙間に指を差し込みこびりついたカスを弾いた、
明日には羽根が降るだろうと嗤ってやがる、

一歩ごとに踵を擦り、その地を削り取るよう歩く、
爪先が地上数センチの青を裂く、それから俺はタバコなんぞに火を点ける、
どうやら犬歯が伸びたみたいでフィルタに傷が残ってた、夢か現か、夜が終わればまた狗に、
地を這う狗に戻るんだろう、飢えた野犬のように獰猛ならいい、
飼われて飽きて捨てられた、そんな記憶があるからなんだ、
だから次は人を食おうと思ってた、人の思いなんぞは喰わぬ、人そのものを喰らい尽くしてやろうと眠る前にはいつも思った、
そのとき俺は四足にて立ち、視界は地を舐めるが如く低い、そんなものになっていた、
成り下がったか成り得たか、そんなことはどうでも良かった、
ともかく俺は狗になったのだ、

欲しいものは安寧か?
遥かになった頭上の月に塔の尖る先が貫通してた、
影になった黒い男が欠伸まじりに問いていた、

いや、要らない、とりあえず暇潰しにお前の命が欲しいと言う、

お前は俺を喰らいたいのか、その涎に光る牙は血肉を欲するか、
悪魔を喰うとは痛快ながら、薄汚い身なりの者など体に取り込みたくはない、
これ以上に血を汚すは青い夜をゆく俺には無粋に過ぎることであろう、

お前がいると月が見えない、其れも理由のひとつだけれど、
恨みなんぞは露ほども、しかしは疼き続けている奥歯が砕く肉を探しているのだ、だからお前を噛み殺すのだ、

俺は誰かと話し続ける、お前は狗に応え続ける、
あまりに青い、夜の空の下のことだった、鉄の扉をこじ開ければ其処にあるのは世界の底たる虚無を馴らした青い鉛に乾いた石を並べた路上、
それを見る、お星様たち嗤ってる、
数百億でも数えもきれぬ、
無限に近い、死神共に魅入られちまった儚き者が青に明滅、
そして生ある者を嘲り、憎しみ、慈しみ、多々ある情にて嗤ってる、

さらばだ、別れだ、俺は言う、
さらばだ夜よ、さらばだ朝よ、
お星様たちおやすみなさい、
止まっていようが反転だろうが其処に見張る時計たち、
鎖解かれた野犬は列なし言葉は発すこともなく、
目にするすべてを視界に捉え、射抜く視線で心臓だけを盗みにかかる、




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