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2014-12-30 18:30 | カテゴリ:instagram × 文芸パンク

「鵺の残響」


風の向きは変わってきてる、ニオイも不思議に澄んできた、
空ははるか遠いのか、思うよりも近いのか、
どちらでもいい、この世界にある絶望を海だとしたら、
誰もが孤独に泳ぎ疲れた、

「俺は狂ってなんかない」、天に叫んだ厚化粧の老紳士、
欠伸まじりに眺める少年、背中に羽根が生えていた、
氷よりも冷えた鉄螺旋、休むに飽きて飛んでった、
たぶん、月に帰るんだろう、影を微か乗り移らせるアスファルト、

空は今日も水色で、そこに滲んだ血が混ざる、
棄てた者と棄てられた者、重ね合わせる呼吸と体温、
路上に熱は溜まり続ける、生き場失くした獣の残響、

風の向きは変わってきてる、ニオイも不思議に澄んできた、
空ははるか遠いのか、思うよりも近いのか、
どちらでもいい、この世界にある絶望を海だとしたら、
誰もが孤独に泳ぎ疲れた、

夜にもがいて、朝に不快で、
世界の終わりを待っている、終わる世界が彼らを包む、

背中に羽根のある少年、遠く地球を眺め回して、
眠い目こすり、見飽きたふりして飛んでった、
月の向こうに帰るんだろう、下弦のそいつに跨がりながら、
光る八重歯を磨いてるだろう、夜を迎える鉄の鈴を鳴らすだろう、
愚者は愚者とて今日も変わらず、まだ見ぬ海に焦がれ彷徨う、
愚者は愚者とて明日も同じで、まだ見ぬ明日に焦がれて吠える、









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