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2014-12-22 18:30 | カテゴリ:砂時計のクロニクル
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「砂時計のクロニクル #8」


 どれくらい眠っていたのか分からなかった、目覚めた私は窓の外の景色に目を凝らしていた。
 窓際にはオルゴールが開いたまま止まっていて、フラウと交換した日のことを思い出す。

 薄く暗く、かすかに白い光が見える。変わらない夜明け前の風景。眠りから覚めない世界は静かで、誰かと話していないとひどく不安になる。

 時間のことを思う。
 フラウが旅に出てからどれくらい経ったんだろう。この街だけじゃなく、世界中が夜明け前なのだとしたら、ゆける場所は限られてるのかもしれない。

 水族館の小さなサカナたちみたいだ、そう思った。自由にどこへだって泳ぎ回ることができるものだと思ってる、けれどほんとうは同じところをぐるぐると廻り続けているだけ。

「海のなかにいるみたいだ」
「……海?」
「この空の色って、深いところから水面に顔を出す少し前くらいみたいだって思ったんだ」
 そう言われたらそうなのかな。朝が途絶えたばかりのころ……そう、まだフラウがこの街にいたころ、そんなふうに言っていた。
「いまの私たちみたいだよ」
 オルゴールにそう話してみる。ネジを巻いて抱き寄せて耳のそばで歌ってもらう。

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「元気?」
「私は元気だよ。君は?」
「街のみんなは?」
「街のみんなは……あきらめて離れる人も多いよ。神様ってね、太陽のことだったのかもしれない」
「太陽が神様?」
「冬の朝の……ほら、柔らかいカーテンみたいな光のことを神様が微笑んでるって聞いたじゃない。神様が微笑んでくれなくなると幸せが逃げてくんだと思う」
「ねえリヒーナ。砂時計のない街にも朝はないんだ。太陽が昇る東に向かって歩いてるのは僕だけじゃなかった……」

 風が吹いた、オルゴールは止まっていた。夢のなかで話していたのか、そうじゃないのか分からなかった。
 だけど。
 だけど、息づかいや静かな話し方、懐かしい匂いは気のせいだとは思えなかった。

「奇跡は起きるんだ、いままで毎日起きてきたように」

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【つづく (あと2回やで) 】







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