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2014-12-16 18:30 | カテゴリ:砂時計のクロニクル
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「砂時計のクロニクル #2」


 私たちが生まれて育った小さな国の小さな街。
細くて長い、三角形の屋根のビルが並んでいて、坂道はいつも風が強い。雪の降る季節が長くて、中央通りは冬の花が眩しいくらいに咲いてる。
 街外れには大きな大きな砂時計がある。街のどこからでも見られるくらい大きなそれは、「神様の時計」だって言われている。
 一日に一回転する大きな砂時計。私たちはその砂時計の角度や砂の量で時間を知る。
 それぞれの屋根に太陽と月のかたちの飾りがついていて、太陽が真上にくれば午後0時、月が真上にくれば午前0時。

 垂直に立った砂時計は、金色の砂が湖みたいにしんと静かに、真っ平らになっている。
 私たちは眠りにつく。翌朝、目覚めると砂時計は傾き始めている、私はそれを見ると、今日も生きているって思う。

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 太陽が昇り始める時間。窓を開け放して、新しい風を浴びる。冷たいそれが頬から首に伝わって、部屋のなかが生まれ変わる。

 私もまた生まれ変わる。
 君に逢って「おはよう」って言おうと思う。

 傾いた砂時計が朝陽を浴びて、こぼれてゆく砂がきらきら光ってる。
 ずっとずっと。ずっとそんなふうに過ぎてゆくんだと思ってた。
 君も私も、ゆっくりと時間を伝える砂時計を見て、少しずつ大きくなって、なんでもないことで笑ったり、つまらないことでケンカしたり。退屈だって言う君には「信じないかもしれないけど、退屈って幸せなことなんだよ」って大人ぶって言ってみたり、そんなふうに過ぎてゆくって思ってたんだ。


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 クリスマスにプレゼントしたオルゴール。君がくれたのは月の上で微笑む天使が彫られてた。私が贈ったのは太陽のなかを天使が歩いてる。
 ねじを巻くと古い歌が流れる。私をそれに合わせて歌う、君は口笛を吹く。
 気づけば、あたりはもう夕方になっていて、一日を終えた人たちが通りを急いでる。
「早く帰ろう」って、君の手を握ろうとして、いつだってできないままだった。


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【つづく】







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