-------- --:-- | カテゴリ:スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2014-10-23 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・旅


「サーカスガール・アンジェリカ」


支柱から放射状に舞う原色、綻び目立つ万国旗、
破れていたり、いまはもうない国だったり、
褪せたベージュの三角テント、
開幕を待つサーカスが、昨日設営したばかり、

陽を浴び風になびいているのに、
まるで楽しげなんかじゃなくて、
まるで野戦病院みたいに見えた、
それは野戦病院みたいに何故か、

ピエロが出たり入ったり、だけど、
メイクのない彼は使いまわしの小さなサルと変わらない、
焼けた輪だとか、木馬とか、
年を重ねた着ぐるみだとか、
世界を茶化したあらゆるが、テントのまわりで静かに寝てる、

少女の名前はアンジェリカ、ナイフ投げ師の夫婦の子供、
毛皮のソファで欠伸をしてる、
サイズの合わないデニムのパンツ、サスペンダーで吊り下げて、
青い石つきペンダント、手の平、光にかざしてる、

彼女の夢は絵本に見た天蓋のある大きなベッドで眠ること、
キャンピン・バンの狭い荷台、
両親に挟まれて寝て、いつも朝を迎えてる、
だけど、そんなの話したことはない、

落ち目のサーカス、次の時代のスターに皆が期待してると知ってる、
ターコイズを握りしめて目を閉じる、
明日になればまた見慣れぬ、景色のなかで風に揺られる、

街から街へ、村から村へ、
旅立つばかりのアンジェリカ、
小さな村で言葉もなく手渡されたペンダント、
〝ありがとう〟を言う前に、走り去った男の子、
彼がいまも元気なら、ベッドのことは忘れてもいい、

リハーサルが始まって、父が母の輪郭描くようにナイフを投げる、
突き立つ音が聞こえるたびに、アンジェリカはターコイズを手の中握る、

落ち目のサーカス、ナイフ投げ師の夫婦の子供、
アンジェリカは次の世代を期待され、
彼女の意思はいつも抱えるリアルに飲まれ、

スクールバスに乗ってみたい、みんなと学校へ行ってみたい、
ふざけて笑ってケンカして、一度そんなのしてみたい、
ネオンカラーのジェリービーンズ、皆と騒いで食べてみたい、
ラスタカラーの帽子を被って、〝これ似合う?〟って訊いてみたい、

狭い世界を飛び出して、違う生き方するって決めたアンジェリカ、
握りしめたターコイズ、あの子がいる街へゆく、
逢えるかどうかは分からない、
だけど、他に行きたい場所もない、

とりあえずの行き先決めたら、ひたすら進むとサーカステントを飛び出して、
オレンジ色のバスを待つ、出てゆく彼女に気づいたピエロ、
〝元気でね〟って手を振った、
溶けたメイクが垂れていること気にすらせずに、

はるか遠く知らない街へ、荷物はひとつのアンジェリカ、
目を閉じ握るターコイズ、ベージュのテントは小さくなって、
彼女は未来へ旅立った、







Copyright (C) 2014 copyrights.billy tanaka All Rights Reserved.


〝Please give me an aid click〟
にほんブログ村 小説ブログ 現代小説へにほんブログ村 ポエムブログ 自作詩・自作ポエムへ
関連記事
スポンサーサイト

管理者のみに表示する

トラックバックURL
→http://stardustjohnny.blog.fc2.com/tb.php/3105-0af31971
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。