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2014-07-31 12:00 |
カテゴリ:文芸パンク・旅

「流星今夜」
水の打ち際、最南端、
ジャコウアゲハが舞う砂浜、
少年少女がやがての夜を待っている、
透き通る水の色、跳ねて流れる金の砂、
麦わら帽子にビーチサンダル、華奢な手首に羽のついたブレスレットが音なく揺れた、
浅瀬で小さく丸まった、
彼女は裸足で砂金を探す、
瓶に詰めた金色たちが想い想いに白く発光、
か細く白い、指の隙間をすり抜けてゆく水と砂、
夜待つ間のアミュレット、
眠り始める陽は橙、月は闇を引き連れて、
目を覚ました星たちと、
彼女は言う、「夜は宇宙に繋がってるの」、
まるで宇宙を漂う石の孤独を思う時間、
砂に描いた優しい言葉は波に消されて、
かわりに青い星を置いてゆく、
闇のその濃さ、星は永遠みたいに輝いて、
ふたりはじっと宙を眺める、
今夜、はるかかなたを流星がゆく、
そんな気がして、少年少女は眠れないまま、
導き合わせる星と砂の連なりを、
星がまたたく、そのいくつかは落ちてゆく
重なり合う奇跡を思う、手のひらのボトルから、
溢れる水と砂の金、
幾億にもなる流星たちの軌跡を追った話を聞いた、
再びそれを紡ぐ日を想う、やはりは手のひら眺めるだろう、
flash back entrys
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