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2014-03-06 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・焦熱

「大嘘つきのロイ」


ペテン師の家系に生まれた、
祖父は国をまるごと売り飛ばし、
父の代では不毛の辺境、
一家は終わり近づく孤島に逃げた、

貧民たちが息を潜めて暮らす地は、
正しいことに価値はなかった、
神を語れば小銭が散った、
甘いだけの愛を歌えば、それがパンとミルクの糧に、
街には自称の詩人があふれ、
その場限りを繕って、
一瞬だけの癒しを金に、

嘘つきロイは青年期を迎えると、
二度と戻らないと誓った、
誰に誓うわけでもない、
言い聞かせたのは自分自身、
信じる者などこの世にいない、
島を離れて遥々と、
過密極まる都市へゆく、
あらゆる嘘が息づく場所で、

嘘つきロイは干からびオレンジ吸いつく子供、
西の森ならいくらだって実がなってると、
救い求めてひざまずく者、
彼女らには見下ろす下に神がいる、
頭垂れることはない、
頭上にあるは虚空に過ぎぬと、

嘘つきロイは街灯下、群集たちを集めては、
この世界の美しさと生きることの素晴らしさ、
溢れんばかりに満たされる愛、
そのありかを欠伸殺して語り続けた、

世界に加虐も被虐もありはしない、
老いも若きも無関係、美醜も人を隔てない、
すべての命にありとあらゆる救済が、
同等たる魂が、ただ其れが真理だとさえ言い放つ、
誰を傷つけるわけもなく、
ただ小さな光を燈す嘘、

やがてロイは扇動者の札さえ貼られ、
加虐者だとされ手配書が、

〝真偽のどちらも吸い殻程度さ〟

そう嘘ぶきながら、赤い舌出し、
タバコをくわえ、
今日もまた陽に背を向ける、




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