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2014-02-17 18:30 | カテゴリ:文芸パンク

「豊潤なる実りの季節」


駆けゆく山羊の群れと群れ、
四方八方、踵鳴らして遠く小さく、
離れずにいる仔の一頭、雪の音色の鈴を残した、

空白へと果てた原野へ、踵を返す山羊使い、
伸びた影の長い手足に、重ねた日々が育てた体、

藁で編んだ靴を素足に、剥がれて赤いままの指、
花飾りのティアラを君に、忘れまいと憶い出せずに、
恋人といた夏の日の、静かな風に揺れた穂のことを、

いまや沈痛、枯れ果てたる真冬の景色、
呼吸すらもままならない、息の絶えた山羊の骸が傍ら眠るヒトに沿う、

豊潤なる実りの季節、夢にまで見た金の草原、
僕たち確かに生きていたって、
駆ける風だけ憶えてる、
君はいない、僕もいない、
耳鳴りだと錯覚するほど孤独なる、
雪の原野でヒトは思った、

光は一瞬、そしてまた目を伏せる、
豊潤なる実りの季節、其れが何であったのか、
記憶のなかの君は知らない、いまの僕は其れを想うこともない、
だけど確かに存在してたと、眠る前の僕は虚ろながらに夢を見る、

此処にいるのはかつての君と、
傍ら笑う幼い僕と、
繋いだ手のひら、その温もり、
消えないようにと祈っていただけなんだ、

Copyright (C) 2014 copyrights.billy tanaka All Rights Reserved.
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