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2013-10-24 12:08 | カテゴリ:少年ゾンビ高橋。
【まだやってたんかい……】
少年 ゾンビ トップ 画像

「少年ゾンビ高橋。#13」


モデル 西島秀俊 イラスト 画像

 交番の裏口に彼はいた、青年巡査、西島さんである。真っ直ぐに伸びる夕暮れのあぜ道、両脇には秋桜が乱れ咲いていた。
 金に染まった花びらたちが一枚ずつ風に乗せられ揺られている。

 駆け抜ける風は冷たく、晩秋から冬へ移り変わるころだ、どうしてだろう、この季節は否が応でも淋しい気持ちになる。

「いいことないな……」
 巡査は誰ともなく呟く。ひと気はない。独り身での僻地勤務、話す相手さえいない。
「ここに……交番なんかいらないんじゃないか……」
 事実、彼がこの杯地(はいち)の村にやって来てからというもの、事件や事故と呼べる出来事はひとつもない。
 平和にて穏やかだ。
 それだけに自己の存在が不要に、希薄に思えてしまう。

少年 ゾンビ イラスト 画像


「まーたサボッてんじゃん」
 嗚呼、やはりコイツか。
「一日中、ぼんやりしててお給料はきちんと出るんだもんね。いいよね、お巡りさんって」
 子供で、しかも屍(ゾンビ)になぜいつも嫌味を言われているんだろう。しかもこのゾンビ少年は西島巡査の自宅アパートに住み着き、食事をし、腐敗防止なのか大量の防腐剤や消臭剤、ファブ◯ーズを浪費しているのだ。

「誰かと思えば高橋くんか……」
 彼は声を落とす。
「誰って、僕くらいしかいないじゃん。他の誰かと話してるの見たことないよ」
 少年のくせに、ゾンビのくせに眉根を寄せて皮肉たっぷりの言葉が戻ってくる。

 だが。
 だが、西島巡査は思う。
……憎たらしいけど……確かにそうなんだよなぁ……。ひょっとしたら、いまの僕にはこの高橋くんしかいないんだよな……。
「そうだね……。高橋くん……せめて君がいてくれて良かったのかもしれないね……」
 孤独の反動か、感極まった西島巡査は思いもしない行動に出た、おもむろに高橋くんを抱き締めたのである。
「高橋くん……!」
「ちょ、お巡りさん……!」
 なぜそんなことをしようと思ったのか自分でも分からなかった、きっと人恋しかったのだ。
……相手はすでに「人」ではなかったが。

 熟しきって枝から落ち、土の上に放置されたまま時間を経た果実のような感触が彼の腕のなかに伝わってくる。温かくはない。
 湿っていた、そして納豆に似た粘糸が指にまとわりつく。
 なにより、臭い。あきらかに腐敗が進行している。

「き、汚いなー。なんで俺はこんなの触っちゃったんだろ……」
 思わず本音がこぼれる。
「いきなり抱き締めておいて汚いだの臭いだの……市民に対して、その態度はいかがなものかと思うよ……」
 高橋くんは不貞腐れる。体も腐る。
「少なくとも君は市民ではないだろ……。それより高橋くん、君、そろそろ体がヤバイんじゃ……?」

「乗り換えどきかもね、そろそろね」

「の、乗り換えどき……?」
 身を案じる彼に返ってきたのは、どうにも不可解にて不吉な答えだった。
「ふふん」
 口角を吊り上げ、高橋くんは不敵な笑顔を浮かべた。


【どないすんねんこの続き……】

━━━━━━━━━━━━━━━

【前回まで】
おまとめゾンビ高橋。

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