-------- --:-- | カテゴリ:スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2013-09-09 14:53 | カテゴリ:ショートショート・フィクション
モデル 篠田麻里子 iPhone 画像

「高鳴る胸は君のせい」


 世界中の真夏をすべて集めたくらいに赤くて熱い土、君はそこで彼らと肩を抱き寄せ合って円になっている。
 胸の前で手を組んで、バラバラに砕けてしまいそうな胸の内を繋ぎ止めていた。
 空を眺める。
 そして目を閉じる。首筋から背中へと熱を持った滴が伝わる、食いしばっているはずなのに奥のほうから震えが止まってくれない。

 すぐそばに見る彼らはくだらないお喋りで笑い合っている「いつもの」少年じゃないみたいに見えた。
 やがて少年たちは散り散りになる、広大なグラウンドでそれぞれがそれぞれに立つ。

 中央の小高い丘には彼がいる。キャップを深くかぶり直し、痩せっぽちの気弱な王様のように、仲間たちに背中を見せる。
 始まりを待つ彼らはどこか頼りなげな背中の1番を見つめていた。
 広すぎるグラウンドの真ん中にいる君はまるで独りぼっちみたいに見える。

 大きく深い呼吸を三度。
 震えている、それが伝わる。南の真上には落ちてきそうなほどの太陽が私たちを睨んでいる、誰一人として分け隔てないように。

 サイレンが鳴り試合の開始が告げられた。
 君の相棒はグラブを叩き、一球目をサインする、君の遥か後ろの仲間たちはきっとその一瞬を待っている。
「……がんばれ」
 ありきたりでしかない、あまりにも月並み過ぎることを思う。直視していられないのに目を離すこともできない。

 何度かうなずいた君は息を吐き出し動作を始める。
 夏はまだ始まったばかりなのに、ただそれだけで私は泣いてしまいそうだった。


野球場 なんJ グラウンド 画像


⇒「高鳴る胸は君のせい」FC2先行公開 ver.

━━━━━━━━━━━━━━━
金曜日のロックンロールは明日ラスト! 
ジョニー・ボタンをクリック‼

ロックンロール・スイッチ

〝JACKPOT DAYS〟-image

〝JACKPOT DAYS〟-image

あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)

〝JACKPOT DAYS〟-image

あの人への想いに綴るうた

ビリーバナー

Copyright (C) 2013 copyrights.billy tanaka All Rights Reserved.
関連記事
スポンサーサイト

管理者のみに表示する

トラックバックURL
→http://stardustjohnny.blog.fc2.com/tb.php/2825-9cf289a2
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。