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2013-05-24 00:08 | カテゴリ:ショートショート・フィクション
〝JACKPOT DAYS〟-image

「走らない馬」


「がんばれ」なんて言われると僕はいつも悲しい気分になる。蹴られても鞭打たれても、励ましの言葉をもらっても、僕は一位を取れたことなんてないんだ。
 そして帰り際には「ヤメロ」とまで言われてしまう。ヤメたいんだ、本当は……でも、それは僕の意思じゃムリなんだ。

 走るために産まれてきた、らしい。
 皆がそんなふうに僕を責める。
 父と母は何度も一番を取って偉かったって……でも、僕はいくら頑張っても……そう、歯を食いしばって体がバラバラになりそうになるまで走っても……隣が僕をするする追い抜いてゆく。
「ダメかな」っていつも思う。でもあきらめると蹴飛ばされてしまうから、なんとか最後まで走り抜けようって……だけど僕は一位になんてなれないまま、左脚が折れて動かなくなってしまったんだ。

 たった一人優しかった、僕をお世話してくれたおじさんにも会えない。僕はいま、走れなくなった馬が集められる場所に連れてゆかれている。
 荷台から見る景色は広くて見たことがない、おとなになって初めて見る外の世界……。
 たくさんの人がいる。
 歩いているおじいさん、おばあさん。走ってく小さな子供とお母さん。時計とにらめっこしながらバスを待つスーツのおじさん。
 外の世界は騒がしいけれど、だけど、ヒトは叫び声もあげないし、僕を見て罵声を浴びせたりもしない。
 ゲートもないしコースもない。なのにヒトはヒトで僕たちと同じように生きてるって分かる。

 僕はもう「がんばれ」って言われない。
「もうこれからは走らなくてもいいんだ」って教えてくれたおじさんの最期の言葉、それがずっと心のなかに繰り返し響いてる。
 行き先は分からない。静かに眠れるところだったらいいなって、そんなことを思いながら、僕は荷台で揺られてた。


━━━━━━━━━━━━━━━

<love or peace?>

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花を蹴り飛ばした
骨組みの花は青
地上の星と深海の夢
蝶か蛾か
STARS☆☆☆




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あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)



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あの人への想いに綴るうた

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