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2014-04-13 12:00 | カテゴリ:文芸パンク

「アンドロイドとコヨーテの夜」


刻印は51、頭と両肩、手の甲に、
そのナンバーは刻まれている、
シリアルナンバー51、ヒトを模して造られた、
彼の名は〝51〟、以上はなくて以下は抹消、
唯一なるヒトでないヒト、それが“アンドロイド51、

記憶は持たない、100秒ごとに更新される、
熱源だけを感知する眼、音楽は認識しない耳、
警報だけを発する口、
雨ざらしで錆びた関節きしませて、

誰もいない地平線、サンドペーパー擦るみたいに歩いた、
痩せた光は直線で、51はただ歩く、
無駄に警報、鳴らしながらただ歩く

針の欠けたレコードを、
無理矢理、回しているように、
針の欠けたレコードを、
無理矢理、回しているように、

51はやがて倒れた、
理由は彼にも分からない、
51は倒れたまんま、その足をもがいてる、
51は地中に熱源、感じてる、
荒ぶる声を感知する、
51は土のなか、うめく声に気づいてる、

朝から陽が暮れるまで、彼は熱を探してた、
荒々しい土を削ってた、かすかに感じる呼吸と熱を、
見つけたいって割れた口、警報だけを鳴らしてた、

51は自分以外に熱源あること初めて知った、
51は生きてるものを初めて知った、

手首が折れて、肘からちぎれて、
剥き出す鉄の骨で51は土をえぐって、
熱源は小さくなって、51も地中の熱も、

夜が冷たい風を鳴らすころ、51は熱に触わった、
生き埋められたコヨーテだった、
荒ぶる牙は51のアタマ噛み、それでも51は痩せたコヨーテ引き上げた、
冷たくなりゆく獣を抱いて、51は熱を渡した、51は熱を捧げた、

その夜、51は沈黙し始め、コヨーテは鉄のアタマをなめていた、
51は尽きたはずの力を絞り、警報ではない音を鳴らした、

それはコヨーテ、泣く声真似た、
月に向けて吠える音声
それはコヨーテ、泣く声真似た、
月に向けてこだまする声
ふたつの音が共鳴する月の夜、
ふたつの音が共鳴する夜は月、




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