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2013-07-03 08:00 | カテゴリ:イケメン・ジョニーはスーパースター?
∞イケメン・ジョニーはスーパースター
∞イケメン・ジョニーは働かない。
∞ジョニーもようやく何かに気づく。

「それゆけジョニー!」


 土曜日の昼下がり、とあるコンビニの入口付近で薄い冊子を食い入るように読む……むしろ睨んでいる男がいた。自動ドアのすぐ横を自らの陣地のように座り込み、飲み終えたコーヒーの空き缶を灰皿がわりに、彼はある情報誌を熟読していた。

☆あなたの「やりたい」、ここにあります!!
☆頑張るあなた、応援します!!

 求人情報誌である。
表紙にはそう謳われ、高々と拳を突き上げるスーツの女性が笑っている。
ジョニーはそのコピーに心を奪われた、この薄く、しかも無料の冊子には自分のやりたいことが掲載され、しかも、美しい女性が応援までしてくれているような錯覚に陥ったのである。

 ジョニーは紙面が焦げつきそうな形相で一コマ一コマに目を通していた、そこには夢と希望が溢れているような気すらしたのだ。
探し続ける、彼は就業形態や賃金、勤務時間などには目もくれない、探す職業は簡単だ。
「自分に相応しい職業、それはやはりスーパースターだろう」。
 それに尽きた。

 もはや空腹は限界を超え、ジョニーは真贋を見極めるような余力はない、何度も不審に思った店員が様子を伺いには来るが、それすら彼の常軌を逸した集中力を妨げることはできない。

 野球選手、サッカー選手、ロックミュージシャン、映画俳優、デザイナー……そのような類の職業が求人情報誌に掲載される可能性はゼロだが、ジョニーにそのような冷静な判断力はない。

「やりたいことがあるんじゃないのか……?」
 ジョニーは表紙にまで戻り、ため息をつく。
「……いったい、誰の応援をしているんだろう……?」
 やりたいことなんて、たったのひとつもなかった、ジョニーが想像するよりも遥かにこの世界は退屈に充ちている。

 少なくとも自分を応援するつもりはないようである。世のなかの人々はこのなかに「やりたいこと」を見つけ出すのだろうか、彼は自らの方向性に何か間違いがあるような、そんな敗北感に包まれていた。
 理想と現実のあまりの差はジョニーを苛立たせ……はしなかった。
そんなことより、やはりジョニーには続く空腹のほうが遥かに重要な問題であった。

 まあ、仕事は後回しだな、まずは腹ごしらえをしないとダメだ。

 ジョニーは口笛さえ吹きながら、少し迷ってその求人誌を「もえるゴミ」のなかに投入した。
「燃えないゴミ」と迷ったのである。




JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--110909_190600.jpg




(不定期に続く)


story and illustration by Billy.
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