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2013-03-16 11:30 | カテゴリ:イケメン・ジョニーはスーパースター?

「それゆけジョニー!(第一話へ)」


THE CIGARETTES are......
ジョニー (guitar/vocal)
〝JACKPOT DAYS〟-image



平澤喜左エ門 (bass)
〝JACKPOT DAYS〟-image



天野ジャック (drums)

〝JACKPOT DAYS〟-image




 男たちはまだ蕾のままの桜の樹の下にいた。
 一年前のいまごろ、彼らはそのバンドをスタートさせたばかりだった、あてもなくひたすら練習に明け暮れるだけの日々だった。
 そう、ジョニーはバンドの経験がないだけではなく、パンクロックそのものを知らない素人でしかなかった。
 だが、尋常ではない身体能力と集中力が彼をバンドのフロントマンとして成長させてきた。
 経験豊富なベーシストであるヒラサワくん、ジョニーをバンドに引き入れた天野くん。彼らにしてもやはり一瞬にも思えるほど濃密な一年であり、また、先の見えないトンネルをがむしゃらに突き進んできた長い一年でもある。

「まだサクラは咲いてないね……」
 やがて咲き誇るだろうサクラの樹に手のひらをあててみる。
「あと少しだよ。またサクラの季節がやってくる」
「あれから一年、かぁ……」
 タバコをくわえたままヒラサワくんが感傷的になる。辞めるはずだったバンドだ、しかし、いまは全てを投げ打っても音を鳴らしていたい。
「ここまで来た、と、まだまだこれからの両方だね」
 天野くんもどこか懐かしげに応えた。
「ジョニー。覚えてるか? たった一年だ、でも、『たった』じゃ言い表せないくらい……」
 くらい……のあとは続かなかった。言葉がなかった、言葉を飲み込んだ。両方だった。

 男たちもときに振り返ることがある。心優しきパンク・ロッカーたちはときにセンチメンタリストにもなる。振り返りもせず生きてゆくほどに強くはない。だからこそ強力な音塊を鳴らす必要がある。
 
「一年前……一年前ってバンドやってたんだっけ? あんまし覚えてないんだよね……」
 ジョニーは変わらない。破壊的なサウンドを鳴らすギタリストとして、圧倒的な存在感を持つヴォーカリストとして、バンドの顔として……「ロックンロール・スター」を体現するまでに成長した彼だが、それでもジョニーは変わらない。
 ジョニーは楽器を持つ前からパンク・ロッカーだったのだ。
その日暮らし、後先など考えもせず。むしろ考えるアタマもなく。本能で生きる動物は、生き方に悩むことも考えることも、ましてや変化しようとも思わない。
 そうゆうことだ。

「これからまた一年先……俺ら、デッカくなってるかな……」
「いまのままじゃどうしようもないだろう……」
「今のままでいいよ」
 珍しくジョニーが意見した。
「大きくなると食べなきゃならない量が増えるもん。これ以上、お腹減ると動けなくなる」
「……まぁ。ハングリーだとしておこう」

 成長期のパンク・ロッカーらしく、ジョニーは今日もハングリーだった。




<たまにはこんな回を挟みつつ、ロックンロールは続いてゆく……>


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前回までのおバカさんたちの軌跡


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〝JACKPOT DAYS〟-image

〝JACKPOT DAYS〟-image

あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)



〝JACKPOT DAYS〟-image

あの人への想いに綴るうた

〝JACKPOT DAYS〟-image
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