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2013-03-07 22:57 | カテゴリ:3minute rockin novel
〝JACKPOT DAYS〟-image

「トムとジェリー」



「おー、すごいね、金持ちのリゾートみたい……貴族が夏にくるみたいな……」
「ここは常夏の島なんだ。そして今日からここが俺たちのウチだ……悪くないだろ?」
「うん、悪くない……いや、どうやって手に入れたのよ、こんなの……」
「ちょいとカネを借りたんだよ、銀行から」

……返せはしないが。寄越せとは言わなかった、こいつの命が惜しいならあるだけ貸せ、そう告げた。

「あんたにそんな大金貸してくれるわけないじゃん……まさか……銀行強盗……?」
「や、命と引き換えなら貸してくれることもあるんだよ……」

……俺の命じゃムリだけどな……。

「え? 後半聞こえなかった?」
「新しい名前を考えないとなって言ったんだ。逃亡者だとバレたら面倒だ」
「名前……かぁ……」
「呼び合う名前がないと不便だ」
「んー……。そうなんだけどね。私、以前はなんて名前だったんだろう……?」

……思い出さなくていい。思い出したところでロクなことはない。

「じゃあ、あんたトム」
「トム?」
「そう、トム。私はジェリー。子供のころ見なかった? 賢いネズミを追い回すドジなネコのアニメ」
「懐かしいな……トムとジェリーか」

……追い回しゃしないし、ドジ踏んだらアウトだ、ここでじっとしていてくれ、ジェリー……。

「それでいい?」
「ああ。じゃあ、そろそろ休んだほうがいい。長旅だった、まだ頭痛は治ってないんだろう?」
「うん……でも、ここにいたら何もかも忘れてしまいそう……」
「それがいい」

 自分が人質だなんて知らないほうがいい、忘れているほうがいい。
 思い出してしまったそのとき、楽園を天国にしなくてはならなくなる。

……ハロー。聞こえる? コードネーム・ジェリー。経度と緯度は分かるわね? 24時間後に突入して。それまでに犯行グループのアジトを探っておくから。

 ジェリーは歯に埋め込んでいたメモリーを抜き出し、男のパソコンの電源を入れた。

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あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)



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あの人への想いに綴るうた

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