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2013-02-13 18:50 | カテゴリ:3minute rockin novel
〝JACKPOT DAYS〟-image


スカーレット

 視線の先にはピンク色のフラミンゴ、片足立ちかと思ったら、右か左かどちらかちぎれてしまって、しかたなく片足立ちしてるだけだった。
 湖はダークブルーだ、彼女はフラミンゴを助けようとしたけれど、ピンクの羽根を散らかして、フラミンゴは飛んでった。
 残した片足、湖に突き立てたまま太陽に飛んでった。

「霧にむせるシケた街に帰りたくなんかない」
 彼女は泣いてカギのチャームのピンを外した、なくさないようポーチにしまって、裸足になって湖を歩いてみせた。

「ここはきれいでサカナが泳いでる」
 生まれて初めて生きたサカナを見たらしくって、バッグのクッキーばらまいて いた、そのうち笑顔に戻ってた。

 雲が途切れて、太陽は欠伸する、弱々しい光が水色の湖の、華奢な波に跳ね返る、千切れた光がバラバラに乱反射して、その一瞬はまぶたに焼きついている。

「ログハウスがあったから 勝手にそこに住んじゃおうか」
 キラキラ笑ってる、
僕は彼女に名前をたずねて 彼女はもうすぐ分かるからって悪戯そうに片目を閉じた、薬指のダイヤモンドを湖に投げこんだ。

 少しずつ夜になって、空と湖、同じインディゴ、褪せないブルーと底で輝くダイヤモンド、落ちてきた星みたいだ、灰色の山小屋にはベルが風に揺れていた、ざわめく木々と湖、波音。

 暖炉に燈る赤、空のボトルに湖を入れ、濃い味のレモンティ、それから僕らけらけら笑った。
 明日が来るまでここにいようって言い続けた。
 僕は彼女を新しい名で呼び、彼女は僕を日替わりの名で呼んだ。
 灰と吸い殻とダイヤモンド、髪の長い恋人と。
 それだけがすべてなんだって、あの日の僕らは思っていたはずなんだ。



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