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2013-01-28 17:31 | カテゴリ:3minute rockin novel
〝JACKPOT DAYS〟-image


a boy

 13歳になった少年は生まれて初めて孤独を手にしてしまった。
 大海に浮かぶ小さな島に取り残されたような気分、ざらつく風が吹き荒れていた。
 誰かと繋がりたかったけれど、それはなされないままで、やがて孤独という言葉を知る。

 少年は欠けた何かがあると思い、穴を埋めるように誰かを求めたけれど束の間を紛らわせるだけで、やはり、人は一人なのだと諦めていた。

 地平を眺めて、海に沈む夕焼けに身を任せても、どこにも探しているものがない気がした。

 遠くにいる大切な人を想い手紙を書いた。拙いデッサンで自分がいる場所の風景も添えた。

 悲しみは終わることがなく、少年は心臓に氷柱を貫かれたまま息をして、それでもひかりを探して歩いた。

 寡黙な夜の草原で眠り、旅の果てにある世界を瞼に描いた。
新しい風景はどこも変わらず錆びついた鉄の花が咲き、色彩に乏しく、生きる人々は影に追われることに気づかないふりをしていた。

 ひとりぼっちの世界は続き、少年はやがて誰とも話さなくなり、痩衰えて立ち上がることもできなくなった。

 太陽が縮小して、その光ははるか遠い名もない星 のようだった。
 光があることに気づくこともなく少年は灰になり、風になった少年は散り散りに空を舞って、やがて花を咲かせた。

 春を告げるレンゲのいくつかは少年の生まれ変わった姿で、もう、彼は孤独を知らない、ただの花になることができた。

 荒野に咲くだけ花になったら、もう孤独を感じることもない、ただ、かすかに光を放つだけ。
 彼はいま、永遠の光となって、上空から雪にも見える羽根を降らせていた。

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