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2012-11-02 20:00 | カテゴリ:時計じかけのジュヴナイル
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走り出す、僕は見たこともない高く遠くそびえる塔に向かって走り出していた、止まった時間を取り戻すために。
僕らが住むバースデイ・タウンは鐘が鳴らない限り、そして時計が動き続けない限りは動かないってルッカが言った、僕は彼女に渡されたペンダントを握りしめ、ひたすら塔を目指して走る。
本当のところ、僕にはよく分からない、それでもいいって僕は思う、たかがしれた僕の力ではルッカのネジを巻き続けることなんて出来やしない、だからといって、僕はこの世界が、この街が、大切なガールフレンドが沈黙してしまったバースデイ・タウンなんて要らない。

「ロッソ、あなたは盗賊になるんでしょう? じゃあ、失われてしまった、塞がれてしまった時間を取り戻してきてよ」

ルッカはそう言ったんだ、それだけなんだ、僕がこの世界にいる理由ってやつがあるんなら、それは大切な人がいる世界をあきらめたりはしない、それだけなんだ。

誰もがたどろうともしなかった巨大な時計へと続く階段がある、あまりに冷たい風が四方から吹きつけて飛ばされてしまいそうになる、僕はルッカに手渡されたペンダントを握りしめ、這うように階段を登ってゆく。
凍りついて止まった時計のネジをもう一度、巻き直すんだ。

円状の時計塔に巻きつくように螺旋を描く階段を駆け上がる。
塔を形作るレンガは積み重ねられたそのひとつひとつが異常に大きい、僕の背丈くらいはあるかもしれない。まるで小人になってしまったような気がした。
それに対して階段は僕の歩幅に合わせているかのように……いや、バースデイ・タウンの住民に、と言うほうが正しいのかもしれない、とにかく、そのサイズの比率は不自然だった。
塔をつくったものと階段をつくったものはそれぞれ違うような気がした。」
どちらでもいい。誰がなんのために造ったのか、誰のために造られたのか。なんだっていい。僕は無心を心がけ、僕自身がネジを巻いているかのように階段を登ってゆく。
やがてその先にはきりきりと耳障りな音を立てて、表面が青く光る時計の文字盤が見えてきた。


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時計じかけのジュヴナイル <1>
時計じかけのジュヴナイル <2>
時計じかけのジュヴナイル <3>
時計じかけのジュヴナイル <4>
時計じかけのジュヴナイル <5>
時計じかけのジュヴナイル <6>
時計じかけのジュヴナイル <7>

illustration and story by Billy.


<つづく>
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