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2012-11-02 19:58 | カテゴリ:時計じかけのジュヴナイル
〝JACKPOT DAYS〟-111220_091120.jpg

もし世界が停止してしまったら、君は誰をいちばん最初に想うだろう。きっと、それは君にとっていちばん大切な人だって僕は想うんだ。
転がるように街を走って、僕はルッカのところへやってきた。
幼なじみで、ずっとそばにいてくれたガールフレンド。
不確かで不思議なこのバースデイ・タウンに生まれて、僕には彼女の存在だけが確かなものだったんだ。

「ルッカ!!」
彼女の姿を見つけた途端、僕は叫んでた。
停止してしまったバースデイ・タウンに何が起こったのかは分からないけれど、彼女さえ目覚めてくれたら、それだけでいいような気がしたんだ。
「ルッカ……なあ、起きろよ、ルッカ」
肩を揺さぶって何度も名前を呼び続けた、だけど、返事はなかった、彼女の頭からは巻かれていないネジが飛び出していて、その姿はまるでからくり人形みたいだったんだ。

バースデイ・タウンに生きるすべての命はネジを巻かれて朝に目覚める。
例え話なんかじゃなかった、ルッカの頭にもネジがある。
僕は恐る恐るそのネジに触れてみた。
温もりはまだ残ってた、彼女の肩や細い指と同じように温もりがあったんだ。
「ルッカは……生きてる、死んでなんかない」
なにをどうすればいいのかなんて、まるで分からなかったんだけど、気づけば僕は夢中でそのネジを巻いていた、この街の命がすべてネジを巻かれることで命を吹き込まれるんだとしたら、他に方法はきっとない。

どれくらいそれを続けたんだろう、ようやくネジは回転しながら少しだけ奥に沈んでいった。
「ロッソ……?」
か細い声が聞こえる、ルッカが目を覚ましたんだ、ルッカは生きてる、死んでなんていなかった。
「ルッカ……良かった……」
「ロッソ……街は……バースデイ・タウンは……?」
彼女は真っすぐに僕を見て、そう問いかけた。
なぜかは分からない、だけどそのとき、僕はルッカの目を見て、彼女がこの街の秘密を知っているような、そんな気がした。


〝JACKPOT DAYS〟-111220_084855.jpg

〝JACKPOT DAYS〟-111220_102814.jpg


時計じかけのジュヴナイル <1>
時計じかけのジュヴナイル <2>
時計じかけのジュヴナイル <3>
時計じかけのジュヴナイル <4>
時計じかけのジュヴナイル <5>
時計じかけのジュヴナイル <6>

illustration and story by Billy.


<つづく>
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