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2012-11-02 19:53 | カテゴリ:時計じかけのジュヴナイル
〝JACKPOT DAYS〟-111214_001911.jpg

遥か高い空の上の時計の針が午前6時を示した瞬間、鐘の音が響き渡って朝がはじまる。それは新しい一日のはじまりを祝福する音色だと聞いたことがあるけれど、僕にはあまり実感がない。
誰が誰を祝っているのか、それがまず分からないし、第一、年がら年中、朝が早いのがあまり好きになれない。

朝が始まるとネジが巻かれて花だって咲く。夜がくると巻き終わって花はまた翌朝を待つ。
この国はみんなそうなんだ。生きているものは花だって犬だって猫だって……そう、もちろん、僕らだって朝に巻かれたネジが回転を終わるまで起きていられるんだ。

夜がくればこの街は静かに眠り、また翌朝の祝福を待つ。それをずっと繰り返してる。
この街の名前はバースディ・タウン。
誰がそう名付けたのか、僕はまだそれを知らない。
この街に生まれた僕らはここから外には出られないって、口を揃えて皆が言うんだ、街は高い壁に囲まれているし、その壁の向こうは空だから、地上には降りられないんだってさ。パラシュートがあれば降りられるのかもしれないけれど、まだ僕は壁の向こうにある景色を見たことがない、たぶん、この街のほとんどの人は見ようとも思っていないんだと思う。

僕は朝がくるといつも真っ先に街を通り抜けて、壁の次に高い、巨大な街灯に登ってるんだ、ほんとはそれも禁止されてるんだけど、黙っているから誰も知らない。

ここはバースディ・タウン。
僕らの生きる、小さな小さな空中の街。
朝昼夜に祝福の鐘が響き渡る街。
誰もかれもがネジで動いてる、なんだか操り人形みたいな街。
いつかこの街を出て、よその国を見てみたいって、僕はいつも思ってるんだ。


〝JACKPOT DAYS〟-111214_002116.jpg



illustration and story by Billy.



<つづく>
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