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2012-09-12 21:19 | カテゴリ:小説〝DIRTY COLORS〟 序
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THE DIRTY COLORS

 スラムと化した人工島の一画、街娼たちが明滅するネオン街に立ち並ぶ、その容姿は様々だ、金髪がいる、派手な下着をちらつかせる者もいる、過去は男だった者、現在も男だが女装している者、そんな混沌をライフルを構えた兵を乗せたモスグリーンのトラックが砂煙をあげてゆく。
 街角には闇タバコが売買されていた、密造酒を置く店もある、店とは名ばかりだ、実際はテントを張っただけか、良くてもコンテナを搭載したトラックである。検閲が行われるという情報があれば即座に立ち去るためだ。
 臨時政府は戒厳令を敷き、ヒトが集団になることを禁じた、各地で起きた暴動を抑止するためだった。

 乾いた銃声が数発、スラムを駆け抜けてゆく、悲鳴がそれに続く。
 街娼たち、それを眺めていた男たち、そして多種多様な店舗を掲げていた者たちは驚くでもなく、ため息さえ混じらせながら撤収作業を始める、彼ら彼女らにはとくに珍しくもない、ギャング同志の小競り合いか、もしくは憲兵たちによる違反者の『殺処分』か、そのあたりだろう。
 日常化するとヒトはヒトの殺害にさえ慣れてしまう。

 倒れているのは男だった、元の色が分からなくなるくらい汚れたシャツと穴だらけのデニム。数発の銃弾を受けたらしい、呼吸は荒く、痛みが唸り声をあげさせている。
 最期は近い。彼自身、それを承知しているようだが、だからと言って楽になるまではしばらくの時間が必要になる。
「……終わりがきたのよ」
 彼の傍らには女がいた、少女に見えるが、しかし、その姿はスラムに生きているようには見えない、少なくとも、彼は彼女を見たことがない。
 男は霞む視界で声の主を凝視する、ぼんやりとそのシルエットが深まりゆく闇に浮かんだ、“彼女”は白から黄色へと流れる柔らかい光のグラデーションを纏っているように見えた。
「すぐにラクになるわ……眼を閉じて眠って……」
 彼女はその細い手を男にかざす、乱れていた呼吸が止まる。
 少女はもうそこにはいなかった。

 死の直前に現れると言われる少女。単なる幻と嗤う者もいる、しかし、それは実在すると言う者もいる。
 彼女は「スラムの祈り子」と呼ばれている。

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〝DIRTY COLORS〟

the sunshine underground(総集編)
the sunshine underground/〝after life〟 総集編
this week named......〝DIRTY COLORS part-1〟


performed by Billy.
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