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2012-08-29 08:16 | カテゴリ:tsu after life
JACKPOT DAYS!! -reading poetrical beat punk--110122_155601.jpg


The sunshine underground -after life


 落ちたはずの橋は新たに架けられて、格子で完全に封鎖されていた。堅牢なロックで施錠され、周囲は鉄線が張られ、誰の立ち入りも拒んでいる。
 なら、なぜ、島に繋がる経路が必要なんだ?
 あたりにひと気はない、なのに、海上には漁船に見せかけた武装船がいくつか浮かんでる。
 僕がいま、ここにいること。
逐一、その行動は連絡されてもいるだろう。アンダーグラウンドは、僕らの故郷は、新たに蠢いている。遠目にもそれは分かる。

 おい、僕は背後に付きまとう黒ずくめの男に声をかける。もちろん返事はない。堂々と姿をさらしながら、それでも、存在のないものとして振る舞う、だけど、あのサングラスの下の目は獲物を狙う爬虫類さながら、僕を睨めつけている。
「あんたらのボスに伝えておいてくれないかな? 今夜のエサはいらないって」
 ジャケットから携帯電話を握り、影に向かって投げつけた、同時にそいつは懐に手をやる、僕は正面から突き進んだ、
単なる人形じゃなかったか、言葉にならない声、悲鳴と咆哮のふたつを喉から放ち、意思を持つ影に堅く握った右をぶつけにかかった、だが、捨身の攻撃は身を反らされかすりもせず、僕はつんのめりながら前方にあった植え込みに突き刺さる、その僕の後頭部に硬質な感触が当てられる。
指じゃない、ピストルだ。

「そうはいかない、今日もいつもの時間にエサを与える、そう決まっている」
 まるで抑揚のない声だった、落ち着きとは違う、あらかじめ決められた音声をパターンに応じて発声しているだけのようだった。
「なるべく無傷で帰らせたい。幼稚な抵抗はやめてもらいたい」
「大人しくしろ、と?」
「そうだ、飼われているのは、お前も、そして私も、同じだ」
 わかったよ、僕はそう言って両手を広げた、突きつけられていたピストルから力が抜ける。
いまだ、僕は身を返し、影の手首を握った、そして引鉄にかかったままの指を抑えこむよう、渾身の力で男の手を握りしめた。

乾いて冷たい音だった。
 男はすでに絶命していた。
指が震えていた、膝から下の感覚が麻痺したようにただ、その場に立ち尽くす。
僕は、人を死なせた。離れなければ、逃げなければ、脳は体にそう指令を発しているのに、全身が鎖に縛られたように身動きできない。

 なにやってんだ、逃げろ。

 誰かの叫びが、聞こえた。いや、聞こえたんじゃない、それは内側から、僕の胸の奥……心臓から突き上げるような力。血液が逆流する。
……ガゼル?
そんなはずはない、ヤツはここにはいない。

解放しろ、解放するんだ。

 解放、その言葉が血液をめぐり、全身を駆け抜けた。ふいに熱が蘇るのを感じた、膨大な熱、マグマになる。それが鎖を溶かし、そして胃のなかに残るものすべてを容赦なく吐き出した、排水口になったように、体じゅうの中身を外へ出し尽くす、呼吸さえ困難になるほど、溜まり続けた何かが溢れた。



……続劇
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