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 よーし、やってやる。
 つややかな唇、その口角を吊り上げて娘は思った、表情は不敵そのものである。
 彼女ははその名を「まどか」と言う。
 設立されて間もないインディー・レーベル「ジョーカー・レコード」のスタッフであり、ダーティ・スター・オーケストラ主催のイベント運営にかかわったばかりだ、しかし、実にその内情は過酷を極めるものだった。

 看板バンドのダーティー・スターはメジャー移籍を決めてしまい、他に所属するバンドはサークル気分が抜けないままの、本気とは言えず、また能力にも疑問が残る、数集めのような連中ばかりだった、そこに現れたのがジョニー率いる「THE CIGARETTES」だったわけだ。
 あたしはツイてる。まどかはそう思う。よりによって、あのバカにあんな才能があるなんて……。
 ジョニーの演奏は酷いものだった、リズムもメロディもあったものじゃない、でも、彼が見せた野性を剥き出しにした本能のようなライヴ・パフォーマンスは人真似で出来ることじゃない。
 あの瞬間、彼らはすべてを飲み込むようなエネルギーと衝動に満ちていた。
 化けるはずだ、連中はホンモノのパンクをやれる、最強のロックンロール・バンドになれる。

「おい、ジョニー、ヒラサワくん、それからモヒカンの君!!」
 打ち上げに盛り上がる三人を呼びつけた。
「あ、ジョニーの……」
「彼女……」
「おっかないなぁ、まどかさん……」
 酔いが醒める思いで渋々と三人は手招きする彼女のほうへゆく、まどかさんは片付けられたステージ、ひとつだけ残されたアンプに腰をおろした。
「THE CIGARETTESとか言ってたよね、あんたたち。うちのレーベルが、あたしが面倒見てあげる」
 その口調は勧誘でも依頼でもなかった、すでに命令である。
「え?」
「イエスとかノーとか、そんな意見は聞く気がないの、あたしがそう決めたことだもん」
「い、いや、ジョニーの彼女さん、僕はこのライヴを最期にバンドを抜けるつもりなんだけど……」
 怖ず怖ずとヒラサワくんが決意を告げた。
「だめ。ヒラサワくん、あんたがいないとバンドにならない。才能はあっても、ジョニーとモヒカンくんはボンクラ同然なんだから。あんたがバンドリーダーをやるの」
「ボンクラ……水溜まりとかにいる……」
「それはボウフラ。ジョニー、ヒラサワくん、モヒカンくん、やるのよパンク。もう決めたの、あんたたちを最強のバンドに調教してあげるわ」
「調教……」
「覚悟しなさい、CIGARETTES!!」
 かくして美貌のマネージャー、まどかさんによる恐怖政治とバンド支配、そして育成が始まった。





<不敵に不適切に続く>


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前回まではこちら♪

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