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2012-06-06 22:24 | カテゴリ:3minute rockin novel
JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--車内.jpg



 景色が、目の前の景色と私を包み込む周囲が徐々に変容してゆく、直線だった座席や窓枠は捩れて緩いカーブを描き、眩暈を起こしているような気にさえなる。目を擦る、何度もまばたきを繰り返す、夢か現か、境界線が曖昧になる。
 だけど恐怖はもうなくなった、隣にいる彼の様子は変わらなかった、それに不自然だけど奇妙な浮遊感は私と彼を引き離すこともなかった。預けるように眺めるだけだった、何が起きているのか、単に夢を見ているだけか。

「何秒経つか分かる?」
「えっ?」
「二秒ごとにヒトは記憶を刷新するんだ、二秒前から過去は始まってる」
「二秒前の記憶……」

 それを考えているうちに二秒は過ぎる、列車は止まらず進んでゆく、一瞬でさえ時間は止まらない、ふと腕時計に目をやる、故障だろうか、3本の針が高速で回転していた、まるでハムスターが文字盤の中央にいるみたいだった。
「ネズミとヒトは心拍数が違うって聞いたことがあるよね? いま、僕らが乗っている列車はネズミみたいなもんなんだ」
 まるで私の頭のなかを見透かしているみたいだった、そして、彼はこの現象が何かを知っている。
「時間が……急速に進んでいるってこと?」
「簡単に言えばそうかな……時間だけじゃない、僕らはいま、『もうひとつの未来』に向かってる」
「もう……ひとつの……」
「僕らが列車に乗ってスタートした、2012年において予期された未来の姿。それは世界の終焉で、同時に楽園だと考えた人もいる」

 世界の終焉と楽園。まるで違う意味なのに、どうしてだろう、私は彼が望む世界の在り方と私が望む世界の在り方が同じことのように思えた。


<終わるまで続く>


<前回まで>
楽園はイレギュラー
楽園はイレギュラー #2
楽園はイレギュラー #3
楽園はイレギュラー #4


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砂の星々
野犬のジータ

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JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--海賊ビリー ロゴマーク.png



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