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JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--ジョニーくん.jpg



 男たちがいるのはカビ臭く埃っぽく、そして独房のように小さく薄暗い部屋だった、息苦しさを感じてドアは開けたままだが、風が抜けるわけでもない。
押し込まれたソファは色褪せて綻び、タバコで焦がされた痕と汗じみで元の色が何色であったのか分からないくらいに変色している。

 ライヴハウス「シアター・ジャックナイフ」。
ジョニー率いるTHE CIGARETTESはついにライヴの当日を迎え、楽屋で出番を待っていた。前座の前座の前座、ゲストアクトというよりはオマケのような扱いである彼らは早急に出演準備を済ませて、ステージ脇にある階段で待機するよう命じられたばかりだ。
 開場時間は過ぎ、オールスタンディングの客席から熱気が漂う、騒々しさに包まれながら、彼らは戦場に向かう戦士のような緊張感を漂わせて……はいなかった。緊張を緩和させるフロントマンがいるからである。

「うわ、満員じゃんか……俺ら、人気あるんだね……」
「……ジョニー……俺たちがそんな有名だと思うか?」
 経験ゆえか、最年長であるヒラサワくんは呆れながら応えた。
「緊張してきたよ、俺……おしっこしてこよう」
 モヒカンを扇のように振り乱しながら天野くんはトイレへ走った。
「ジョニー」
「ん?」
「思いきりやってやれ。キャリアはないし、お前のテクニックはたかがしれてる。俺も天野くんもジョニーに求めるのはポテンシャルだ、お前には俺や天野くんにはない何かがある。ステージでそれを見せてやれ、遠慮するな、思いきりやれ」
 自らを鼓舞するようにヒラサワくんは言う。彼はこのライヴをラストにバンドを抜けるつもりなのだ。
「ヒラサワくん……英語ばかりで意味は分からないけど……」
「……分からなくていい、ダーティー・スターズがなんだってんだ、俺たちが最強だって見せてやるんだ」
「パーティー・スター……誰だっけ……?」
 ジョニーはすでにメインアクトさえ忘却していた、だが、もはや共演者など敵ではない。

 ジョニー、ジャック(天野くん)、ヒラサワくん……彼らによるTHE CIGARETTESが何をやれるのか。それだけなのだ。
「お待たせ、行こうか」
 トイレから戻った天野くんが言う。
 ステージと客席から光が消える、照明は消されて非常口を示す赤だけが闇のなかで点滅する、開演の合図だ、いよいよジョニーたちがステージへと駆け出した。

 ジョニー、ジャック……いよいよだ、ついに俺たちがステージにゆくんだ、相手に不足はない。
……だけど。
ギター/ヴォーカルがジョニー、ドラムがジャック……ベーシストの俺は……俺だけ「ヒラサワくん」て……ちょっとカッコ悪いな……。
 ヒラサワくんはいまさらそんなことに気がついてしまった、だが、もう遅い、瞬間移動に近い速度でジョニーはステージへ走っていった。


<次回へ>


前回まではこちら♪

<check!!>
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ルフトハンザの孤独


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