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2012-06-04 23:31 | カテゴリ:3minute rockin novel
JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--駅.jpg



 いつもの時間、私は学校へゆく用意だけをして平然と「行ってきます」と言えてしまう自分に躊躇った、嘘も重ねると事実のように勘違いするみたいで、背中から玄関へ伸びてゆくお母さんの「いってらっしゃい、気をつけなさいよ」の声が酷く淋しく聞こえた。
 直接、駅にはいかない。通学する同じ制服たちに見られてしまうから。
公園でしばらくを過ごしてから、そこに小さな子供を連れたお母さんたちが集まり始めたら、こっそりとホームへ向かう。
きっと不審な高校生だと思われてるだろう、私がいまの私を見たら、間違いなくそう思うから。

 行き場所って見つけるまでが大変だ、見つけてからはそこに馴染むのがしんどい、そして周囲と付かず離れず、違和感を持ち込まないように気をつけないと輪から外される。
 結局、ヒトってエラそうにしていてもアリと大差ないよなあ、と思う。

 ホームにつくといつもどおりスロープの下の陰に彼がいて、とくに挨拶もなく私はその近くに座る、伸ばした手が届かないくらいの距離、視線が一瞬だけ合って、そのとき彼も私も「……おっす」という目をしている。
 閑散としたホームって悪くない。沈黙を破る貨物列車がなにかに追われているかのように右から左へ通過してゆく。

「たまには乗ってみる?」
「電車?」
「うん。君、世界が終わるところが見たいんでしょ?」
「見たい……まあ、うん。てゆーか、電車に乗って行くとこなの?」
「たまにそんなことがある」
「はぁ……?」

 ちぐはぐな会話と風と舞う埃、転がるジュースの空き缶と踵がアスファルトを擦る音。
耳障りな放送と隣のイヤホンから漏れるしゃらしゃら、音のない場所はどこにもない。

「行く? 乗ってみる?」
「うん……よく分かんないけど、うん」
 じゃあ、と言って彼は立つ、それからタクシーを呼び止めるみたいに手をあげた。



<つづくらしい>


<前回まで>
楽園はイレギュラー
楽園はイレギュラー #2
楽園はイレギュラー #3

∞それゆけロックンロール・ジョニー!!

JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--海賊ビリー ロゴマーク.png


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