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2012-04-05 17:33 | カテゴリ:3minute rockin novel
JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--線路沿い.jpg



「この線路はどこまで続くんだろう……?」
「どこまでも続くって歌うくらいだから、ずっと続いてるかもしれない」
「この先って海があるけど……」
「じゃあそこまでは続いて、そこで途切れる」
途切れる場所があって、永遠に続くものはない。
 振り返ると慣れた街は小さく見えた、中学に入ると僕は映画に強い関心を持つようになった、母の影響だった。

 視力が極端に悪かった、メガネがないと伸ばした手の平でさえ、その輪郭はぼやけて見えた。
野球はやめてしまった、メガネを着けてプレイするのが怖かったこともある、でも、それだけではなかった。
 集団のなかに入ることが極端に苦手になった、孤立してはいなかったけれど、人と関わり合うことに消極的になっていった。

 ラジオを聴いた、ロックンロールが流れてた、そのときすでに活動していなかったグループに夢中になった、そのとき大好きだったことはいまでも変わらない。

 線路沿いを歩くのは相変わらずだった、友達と歩いたことがあって、ガールフレンドと歩いたこともある。
「大人になったら何になる?」
誰もが必ず話題にした、誰もにとって、未来は最優先事項のひとつみたいだった。

 君がそうだったように、僕もまたそうだった。
考えないわけではなかった、ただ考えないようにしていただけだった。
 未来はすぐそこに横たわる暗闇のような、そんな気がした。伸ばした手を差し延べる勇気がなかった。
 誰よりも臆病だった、それが僕だ。それを悟られないように誤魔化すのも僕だった。

……きっと、本当の自分なんて都合の良いものはない。
 誰といるか、誰と話すか。固まらないゼリーのように形を変える。

「未来とか将来とか、そんな分からないことを考えてもしかたないし」
そう言ってくれた人がいた、好きな女の子だった。
 線路沿いを何歩か先に歩きながら、ふと立ち止まってそう言った。
伸びた雑草が膝のあたりまで届いていた。
 彼女はまた歩き始めて、「ここってスタンド・バイ・ミーみたい」だと言った。
 それは僕にとっていまでも一番好きな映画だ。

 癇癪持ちの友人がいた、成績は良かったけれど問題児だと言われていた。彼は気に入らないことがあると机を倒し、持ち物を投げ、そして教室から姿を消した。
 彼はその数年後に交通事故に遭って死んだ。

 彼女も彼も、そして僕も君もそう、埋めきれないパズルを抱えてる。
 錆びたレールに耳をあてると、どこか遠くの風が震えて聞こえた。

 時間は進んで、パズルはまたその枠だけを大きくしてゆく。手持ちのピースより、足りないピースがずっと増え続けるような、そんな気がした。

 吹き抜けてゆく風がもっと速度を増して、何もかもをなぎはらってしまえばいい、そんなふうにさえ僕は思った。



スタンド・バイ・ミー




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