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2012-05-22 22:46 | カテゴリ:星屑のロビンソン
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「星屑のロビンソン」 1~23話まで!!

ロビンソンはココの手によって、いま、大きく変身しています。
太陽のエネルギーを集めて航行するため、かつてポセイドンの塔に取り付けられていたソーラーパネルを体に取り付け、また、船体の多くは機能を停止した宇宙船ノアの部品を二次利用しています。
ロビンソンはノアに替わる新たな船に生まれ変わるのです。

「僕が僕でいられるのは、いつくらいまでかな?」
「……どれくらいかな……たぶん、軌道に乗れば自動航行になるから、そのとき、君はもうロビンソンとしての人格をなくしてしまうわ……」
「そう……」
「でも……いつか。いつかまた新しい星についたら、私は君をまたロビンソンに戻すつもり。だって……」
「……だって?」
「だって……私たちは……ジタンとニーナがいつかまたヒトの世界を創るとき、また君の力、テラ・フォーミングが必要になるかもしれないし」
「ココ。テラ・フォーミングはもう使えないんだ」
「どうして?」
「僕は“GT400”をこの地球に置いてゆくことにしたよ、この星を記憶しててもらうために」


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ロビンソンは惑星を改造する力を、すでに手放していました。いま、その力は海が生まれつつある地球のどこかを漂いながら、その変化を見続けています。
「ねえ、ココ。ヒトは……ニンゲンはそんなに弱くなんてないって思う。だって、僕らを造ったのはヒトなんだ、きっとまたこの地球で生きてゆく。僕らはその用意ができるまで、遥か未来の地球に彼らを連れてゆくんだ」

「そのとき、ジタンとニーナは最初のヒトになるのかな? それとも、新しい人類が生まれていて、かつての人類が考えたみたいに宇宙人や未来人だと思うのかな」

「僕たちも宇宙人みたいに思われちゃうかもしれないしね」
「ほんとね」
ココは考えていました。
また、あのときのように、まるでヒトのように手を重ねたときのことを。
それがどれくらい先のことになるのか、計算はできませんでした。

彼らはアンドロイドですが、造られたときのプログラムを超え、自分たちの意思を持って生きているのです。
ヒトと同じくらいの優しさを持ち、あたたかさも感じながら。


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数日がたち、ロビンソンは発進を待つだけになっていました。
コックピットに乗るのはココで、ザジもそこに乗る予定です。
船のなかでは一組の少年少女が長い眠りについたばかりで、旅の準備は整っています。

「行こうか、ココ」
「うん、しばらくのお別れかな……」
「きっとすぐだよ。すぐそこに未来が待ってる」
未来。
それは無条件に用意された楽園ではありません。再び彼らが地球に戻るそのとき、美しく青い星が待っているとは限らないのです。
そうだとしても、また生命は生きようとしてゆくでしょう。
生まれたのは生きてゆくためだからです。
理由や意味があるからではありません。
生きるのは、命として誕生したからなのです。


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発進した新たな宇宙船ロビンソンは溶けた氷が作った海のある、再生する地球を眺めていました。
これから数百年になるのか、それとももっと長い時間がかかるのかはわかりません。
確かなのは、その未来に導かれるように飛び続けてゆくことだけです。

船のなかで眠るふたり……ジタンとニーナにはロビンソンのエンジン音が聴こえていました。
優しく温かい音ではありませんが、それはまるで心臓が脈打つ音のようでもあり、子守歌のようでもありました。


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地球に残るポセイドンは海に沈みゆく塔の頂上から、飛び立ったロビンソンを見つめていました。
それはまるで、流星のように鮮やかな光を放ち、一瞬で小さくなって見えなくなり、それでもポセイドンはいつまでも見続けていました。
願いを託すように。

ロビンソンはいま、高速で地球のまわりを移動しながら、いつか見たような気がする光景を浮かべていました。
それはずっと未来のことのようでもあり、懐かしい想い出のようでもあります。

いつかまた……それを見るときがくるまで僕は飛ぶんだ。
かすかに触れそうな手と手が、重ね合わされるその日まで。

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<おわり>



「星屑のロビンソン」
all illustration and story by Billy.

thank you.
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