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2015-09-22 18:30 | カテゴリ:instagram × 文芸パンク

「神様の利き手」


男は金のフリンジ揺れる、地図の刺繍のスカーフで、
地球を模した青くて白いガラスの玉を磨いてた、
いまだ熱持つ夏を続ける太陽が、
西から射し込み薄暗がりの独り部屋に血を燈す、

戸惑いながらも少女は400歳のピアノに向かう、
人差し指が次の音を探してた、
ピアノは静かに微笑みながら、季節変わりの夜の小雨を奏でる彼女の指を待ってた、
「いつかの未来に君が未来を響かせるまで僕は眠らないって決めた」

パイプラインは炎上続けて眩しい赤の夕陽を焦がしてた、
金貨を握る子供はその陽の下の坂道駆けて、
転がり膝を擦り剥きながらも天に向かって笑顔を向けた、

「鉄屑置き場に眠ったままのワゴンがまた走れるよ」
錆びた鉄を撫でながら、彼は後部座席で星を数えた冬の夜を思い出す、
クラクションを鳴らしてみては答えのない問いかけを、
歪な屋根した無言の鉄に語りかけ、僕は孤独なんかじゃないって知った、

銀の顎と痩せた頰、沈んだように深い眼差し、
男は地球を模したガラスの玉が再び光り輝くのを確かめて、
扉を閉じた、鍵はかけずに誰かがそれを開くことのできるよう、






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2015-09-19 18:30 | カテゴリ:instagram × 文芸パンク

「きれいな血」


良い人のふりなら得意、何故なら私は組み込まれた歯車ひとつ、
単に只々、それだけなのだと呟きかける背後の影に、

演技者としての私は欲も少なく人に優しく、
そして胸が痛むふりが得意、実のところは君が死んだとしてもおそらく何も思わないのだ、
仕方がないから眉間に力を振り絞り、
どうにか涙を浮かべるつもりでいるけれど、
演技者ではありながら、大根でもある私如きに悲しみなんぞがわかるだろうか、
そういっそ、私は不要に過ぎぬであると知っているのだ、
ならばなぜ、無痛になれない日々を只々重ねゆくのか、

私に在るのは錆びた歯車、それが胸を波立たせている、
ぽつんぽつんと鉄屑置き場の隅に点在、啼きも嗤いも演技も其処に在るはずもない、
使い棄ての臓物、関節、よく見りゃこの血は赤茶け腐った水の臭いをさせる、

孤独に至れ軽薄さえも振る舞いながら、どうにも其れに慣れぬのは、
歯車なんぞや鉄屑が、個体で生を保てぬからだと気づいた昨日、

そうか、昨日の日に君は僕はまた死んだのか、
不調に過ぎずも歯車として、軋むふりなら出来るだろうか、
きれいな血は流せそうもないけれど、
使い棄ての魂に自身を重ねるくらいなら、
それくらいなら色濃く這いつく細い影が赤茶ける、
黄昏刻まで灰を吸い、泡沫なれどきれいな血を流す生を振る舞えるのか、







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2015-09-12 18:30 | カテゴリ:instagram × 文芸パンク

「ブラッド・アンド・ラヴ・サーカス」


名もなき者は唯々歩く、そもそもその歩みの果てなど思い描きもしなかった、
風に揺られて砂を飲み、白銀舞えば安酒探して潜る地下街、
着丈の長い、フランネルの外套羽織れば毛羽立つ埃、
人差し指は伸びてしまった口ひげ逆立て撫でている、

虻の浮かぶ水の溜まりに鉛の弾が数発沈んで赤茶を零し続けてる、
昨日の夜に擦り潰された銀行強盗たちは今、
泡混じりの涎を垂らして理想を虚空に展開させる、

「死なんて恐るゝことはない、そこに至る過程が私に安堵をくれぬのだ、それゆえに、私たちは生き抜く日々に怯え続ける他にない」

神とされる誰かの肖像画ならたぶん、その額あたりに犬が小便ひっかけていた、
回転やめた時計塔の真下の噴水広場に落書きだらけの赤い煉瓦があったろう?
薄汚いチンピラ風情が夏の蛾みたいにガス燈見つけてトランペットとアコーディオンでジャズの紛いで踊ってやがった、
あのあたりは地下鉄へと降る階段があった、
低賃金労働者が鼾をかく間も惜しんでいたよ、
朝が来るより早く列車に乗って、ほとんど誰も帰ってこない、
ここは生憎、そんな世界だ、

トランペットもアコーディオンも帰ってはこないんだ、
彼らは鉄の格子に囲まれて、これから更に痩せさらばえてゆく、
名を失って、夜に閉じられ眠りから覚めることもない、
金を数枚、垢のついたコインを一握りだけはした、
朝に向けて駆けてゆく、東は何色だったのだろう、
逃げきれなければ敗北するが、逃げ続けても勝利はない、
ここは生憎、そんな世界だ、

「死なんて恐るゝことはない、そこに至る過程が私に安堵をくれぬのだ、それゆえに、私たちは生き抜く日々に怯え続ける他にない」

奴らはそんな落書きを、何度も何度も壁に殴り書いては歌ってたんだ、





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2015-09-09 18:30 | カテゴリ:instagram × 文芸パンク


「オリーブ」


 海辺にはピアノが眠っていた。開いたままの天板にはツバメの巣が残されている、既に巣立たれた跡だ、乾きを持った潮が吹くたびに揺れて微かに音を立てる。

 錆びて声を忘れた鈴のように其れは鳴る。
 誰が聞くわけでもないが鳴らされる音はある。

 落ちるのを待っているかにも見えるが本当は何を待っているわけでもない。時間があるだけだ。そしてそれが止まらず経過してゆくだけだ。

 私は眠っているピアノを導こうと指を添える。鍵盤は粗雑な廃屋の階段のように欠け、満足に鳴ることはできない。
 それでも響いてはいる。喧騒と狂熱と灼熱を浴びた直後の晩夏の楽器は瞬間をまだ記憶していた。
 そう、それはほんの僅か前のことだ、私たちが季節を持ち運ぶことができないかわりに、私たちが風を模倣した生き物は季節を其処に再形成することができる。

 瓶詰めのオリーブをひとつくわえ、種を吐き出す。其れが不器用に鍵盤の上を跳ねて転げる。
 そしてそれは和音となった。
シャボン玉のように浮かび、瞬く間に弾ける。

 背を広げた。空を持ち上げるように。
 肩甲骨から指の先までを、開花の瞬間を早送りしたフィルムのように時間を超越させる、そんな空想で全身を広げる。

 やがてピアノは波に飲まれてゆくだろう、私がそれを見届けることはない。
 地上に於いて詭弁者たちが美しい世界を謳い、心優しき人々を描くころ、私はこの青みを流れ流れて四季を跨いで再び此処へ戻るだろう。
 誰もいない、誰が鳴らすでもないかつてのピアノが待つ渚へと。

 ここではないどこかで、その島のオリーブの種をくわえ、見たものすべてに別れを告げて。




【 了 】






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