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2015-07-29 18:30 | カテゴリ:instagram × 文芸パンク
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「コーンヘッドの犬」


太陽に背を焼かれて犬は逃げ場を失っていた、
毛羽立ち焦げる匂いに気づけど慌てようにも慌てられない、
気分次第で雨だろうが風だとか、欲しがるわけにもいかぬ鎖をぶら下げて、
いつかの木陰を忘れちまったふりして過ごす午後の犬、
眠いはずもないのに然し、どうにも気楽に見える風情は虚勢に過ぎぬ、

風が流れて星を見上げる夜を待つ、
黄昏れたる黄金景には溶ける橙、
白い化粧の大道芸者が列をなして打楽器鳴らす、
シャンデリアになりゆく街なら今宵が最期であるかのように、
発狂さながら赤い音色を打ち鳴らしてサーカス誘う、
幸福そうに笑顔を寄せて、交わし続ける唇からミントが届く、
きれいな下着を着けているから今夜誘って欲しいんだろう、

欲望なんざ色とりどりが当たり前、
眠りたい者、充したい者、それから朝を望まぬ者や、
皮を剥がれて絶えた鹿は吊り下げられて、
流れ着いた流木みたいに角は砂地を貫いていた、
彼が最期に欲していたのは清々しき地平線、
一切合切、すべてを忘れて虚無に帰すことだと言ったら誰がそれを聞いてるだろう?

数百くらいは生きた気分の犬はいま、
背を焼く陽を疎ましく、そう感じる余力を何故か可笑しく、
眠りたいのに眠れないのはくだらない夢を見る、
どうにもそれが不愉快だった、

海辺に踊る蛇は漁師小屋にて愛を語らう不良ふたりを飲み込んで、
犬はそいつを噛み砕いている明日を知ってた、
シャンデリアが逆さに落ちる最期の夜を気狂うふりにて費やしてゆく、
どうにも幼稚な我々なんぞに理解を求めぬ、
彼らこそが生きているから持つ虚無を、
頭上に騒ぐ陽を噛み殺しそうと、
絶える直前、犬は唯々夢想に耽る、





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2015-07-24 18:30 | カテゴリ:未分類


「うたかた」


うたかた、それはほんの一瞬だけの、
真夏に咲く炎の閃き、
恒久など要らぬとばかり、
弾け飛んでは宇宙に熱を放ってくれる、

うたかた、それが日々を慰む、
夜に戸惑う俗物たちの、
体に溜まりし毒を冷ませる、
うつらにそぞろ歩いては、夢に現に花を見る、

細い音色の鈴を手に、少女はずいぶん未来を描く、
まだ幼くも生きているから、笑顔ばかりは咲かせられない、
無邪気さだけじゃ乗り越えられない、
傷みに耐えうる底意地を持つ、
土にしがむ草木のような、空に眠る友を思った、

うたかた、閃く花は枯れ落つときを気にはしない、
永久に生きる術はない、
そしてまた、そうする理由も見当たらない、
いまがすべてと割れる熱源、

少女を見守る老婆は椅子で、過ぎた伸びやかりしを思い浮かべる、
若い葉ミドリのみずみずしさに、その手の甲を、
生きた証と静謐なる微笑みで、

うたかた、人はその手に握りこむ、
願いを委ね託すよう、瞬の大火に酔いしれる、
繰り返さぬがこの世のせめての救いであれと、

うたかた、誰もが生く濁流のなか、
醜さばかりを強いられて、か弱く咲きしに重ね合わせる、
足るを知るも知らぬも痴れたこと、

そして少女は老婆に話す、
〝この花の連なりを、
次に見上げるそのときは、少し近くなっているかな〟
そして老婆は少女に話す、
〝ほんの少しは近づくでしょう、
でも届かないから空は見上げることができるの〟

うたかたなる真夏の宴、うたかたなる天の饗宴、
うたかたなる花束の色、うたかたなる願いとともに、









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2015-07-23 18:30 | カテゴリ:instagram × 文芸パンク

「アロン」


夜を欲しがる武器商人は殺された、
桟橋下には火薬の匂いが朝になっても残ってた、ナイフに映っているのは三日月、
鏡は錆びずに白を望んだ聖人君子を映し出す、
そいつは夜明けのためなら方法なんて選ばない、
それがこの世の聖人なんだと額にかかる前髪はらった、
踵には生温い赤、シルクでそれを拭き取って、
匂いを確かめ丸めて捨てた、

心臓なんぞは冷たい熱で脈を打つ、
夢ばかりを見ている弱者が自身に酔っているのは不様に過ぎると聖人ならば誰もが認めることだろう、
溶けた鉛が広がる空から裂けた血の雨流させようと、生真面目なる君が言う、

軍靴で水溜まりを蹴ると、乱れ落つのは月灯り、
ふたつに割れて散り散り濡れた、
思いつきを口笛載せては雑兵倒れる夜探す、
機関銃を盗みたいのは今宵に限るわけでなく、雪待つ刻ならいつであれどそうだった、

命に大儀を背負わせるから孤独に怯え、
意味やら意義を見出そうと無駄に足掻く、
喰わずに踏まれて潰れたオレンジ、
山羊の歯型が残る教典、
パンと間違え泥を飲みこみ絶えてしまった名もなく美しくもない市民、
君が僕が気づいてながら口にすることない真理、

軍靴で水溜まりを蹴ると、乱れ落つのは夏の陽光、
無数に割れて散り散り溶けた、
思いあがって星の命に自身委ねる歪なる、
雑兵倒れた夜探す、
機関銃を盗みたいなら武器商人より燕尾服の聖人気取りを探せばいい、
君が僕が気づいてながら口にできずにいる真理、





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2015-07-12 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・焦熱


「屑星のブルーズ」


眠りの浅い、夜と朝の境界線を行き来している、
見上げる真上に雨の鳥がふわり舞い去る、
虚空に螺旋、滑空してゆく渡り鳥、

地に這いつくばる魂たちは、今日も呼吸を揺らして惑う、
地を這う以外に進む術を知らぬ私は、
溢れ落ちゆくため息を、知らぬ間に踵に擦り潰してた、

永遠なんぞを知ってしまった私たちの魂は、
手にはできぬと知っていながらどうにかそれを掴み取ろうと手を伸ばす、

陽炎、火花、運ばれゆく雲、
無言の水にさざめく波紋、静かな雨にて雫の垂れる青い葉よ、

どうやら今日も不器用ながらに足掻く候、
たった一粒、光を手繰る手には雨粒、
風に乗る鐘、南からは海の匂い、
泳ぎ疲れた飛沫を跳ねる、トビウオの背に映る虹、





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2015-07-10 18:30 | カテゴリ:ショートショート・フィクション

「風鈴」


 タイミングを逃して眠れないままの今朝はまぶたが重くてカーテンを開けても光が射していることを感じられなかった。
 別にそれはそれで良かった。

 昨日の夜、室内灯が灯った瞬間、窓に映った私たちの小さくささやかなシルエットとなにも載っていない空のテーブルのことを思い出す。
 去年の夏のことを話しながら、それはやがて今年の夏に繋がって、ボウルいっぱいのサラダを食べ終えたあと、ボウルの底に溜まった水に浮かぶオイルに白い電球が反射していた。
 ひとつ夜を通過するたびに私たちは美しいものと美しくなくなってしまった物事をひとつずつ数え、やがて消えてしまうであろうすべてを葬り、慈しみ、忘れていこうと、とりあえずの結論をアルコールで飲み込んで、それから伝えるべきことをなかったことにする。
 そんな日々に慣れつつもある。

 いつか私たちが見たすべては失われるという当然ながら実感のない事実。
 誰もが知っている、けれど、知っている誰かからそのことを聞くことは出来ない。
 いまはそれが「遠いいつかの事柄」として見当されることもなく、あえて話題にもしないが、それは必ず訪れるのだ。
 どんな経緯にて訪れるのか、それはわからないけれど、「やがて」は必ず訪れるのだ。

 テーブルの上のボウルをシンクに。空き缶を潰すと残っていたアルコールが溢れた。
 テーブルを静かな平原に戻すと、まだ点火されたことのないキャンドルが埋もれていた。
「暗くして点けてみよう」と彼が買ってきたのだけれど、それは火を知らぬまま季節を越えた。
 次の冬の夜にまで眠っててもらおうと思った。また忘れるかもしれないけれど。

 私は風鈴があったのを思い出した、安物のガラスできまぐれにしか鳴ってくれなかった、鈴には聞こえなくて使い古しのスプーンとフォークがぶつかるような音色だった。
 クローゼットをひっくり返すとそれは埃で薄い膜を張っていた、指の腹でそれを撫でる。

 どこにぶら下げていたのか、しばらく考えたあと、それは記憶から溢れてしまっていた、しかたなくカーテンレールに紐を通す。
 風のない弱い雨の朝、揺れる鈴は雨に紛れて、どうにかそれを聞き取ろうと私は目を閉じる。
 去年も確かに私は生きていた。涼やかではない不器用な音色でそれを知る。

 原色の花を揺らして、通りを少年少女が走る。
 太陽と海と緑の、美しい季節がすぐそこにまで近づいているのだ。




 【 了 】 





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