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2015-02-27 18:30 | カテゴリ:文芸パンク

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「オペラの犬の朝」


オペラの夜を歩いてたんだ、生まれてからそう、
きっとずっと迷い続けた、朝の市場は焼けるパンの甘い匂い、
ミルクをもらう小猫たち、そんな喧騒まぎれては、
僕はひとりじゃないような、少し優しい夢を見られた、

港の倉庫、赤茶けたレンガが列ぶ、
連なるその下、小さく丸く体を寄せて、
雨も風も避けきれない、だけどその身を預けられるから、
目を閉じれば夢を見られた、

喧嘩騒ぎと囃し声が賑やかな、船乗りたちが集う街、
汽笛が鳴るたび僕は踊った、食べ残しのパンももらえた、
ある日、僕は嵐がくる海に気づいた、
汚れを混ぜた黒い風、噛みつくように四方から鳴る、

朝になるまで、僕はずっと吠えているから、
荒ぶる波や嘘つきの風、そこからずっと遠くまで、
届かぬくらい遠くまで、

誰も彼もがオペラ離れるその時までは、
僕がずっと吠えているから、
嵐がくる前、オペラの犬の朝、




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2015-02-25 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・旅

「シューレス・ジョー」


背後にはきらびやか、映画の街を離れてく、
着飾る、数えきれない種類の宝石、
キツネとヘビとウサギを着けた、二足歩行のイキモノが、
吐きながら笑ってた、よだれ垂らして笑ってた、
空の色を変えてまで、造る景色はどんなふう?

“背骨のない鳥が飛んでた”

階段は天まで続く、踊り場に疲れた名無しが倒れてた、
息絶えていた、呼吸はすでに終わってたんだ、
それを踏むのは泣き真似だけで、巨額を手にした小さな子供、
一瞬だけ涙を見せた、そしてすぐに舌出した、

“そこになんの光があった?”

虚飾を捨てた、先に見えるは疲弊ばかりが横たわる、
それでもほんとに笑って泣いて、
偽らずに命を愛す、ヒトの生きる場所、
そこに行くんだ、裸足になって歩いてく、

“痛みを感じないのなら、生きてるって思えない”

裸足の男は紛いに生きた、時代を過ぎて背さえ向け、
裸足になってただ歩く、足跡は赤く血で、
口角吊り上げ淋しそうにも笑ってた、




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2015-02-23 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・旅

「漂泊の海岸」


酷く深い眠りから醒め、夢現の境は曖昧、
こすり見る空、走りゆく風、さざめく波はハーモニカ、
煤けたコートの袖の先から解けた糸が虫のように宙を這う、
縺れたままで忘れたふりなどできるだろうか、

そばに微笑む、憧れたのは美しさ、消えてしまってくれていい、
愛する人の笑顔だけ、水晶体には飛沫に乱れる陽光が、
かじかむ指を擦り合わせた、吐く息には氷が混じる、
星明かりを見上げた日のこと、流れる星を夜行列車で、

ここで生きると誓った小指、それが幻だったとしても、
明ける朝にも真実なんて欲しくはなかった、
〝明日なんて何処にもない、永遠なんて口が裂けても、
凪の季節は来ないのだ、お伽噺は続いてくれない〟

酷く悲しい夢を見ていた、神は与えてから奪う、
浮かぶ落葉は張る根や土を持ち合わせずに、
漂泊者である私たち、汚れに満ちた原始の獣、
その渇きは夢だけ見せて、茫漠たる砂の地平の用意をしてた、

これからここに生きるにしても、あまりに喪失だけが浮かぶ世界、
砂時計さえ落ちゆかないから拾い上げる言葉が蒼白、
夢に見るから幻なんだと、水が色を取り戻してはくれないように、

鳥たちまた飛んでゆく、飲み込んだ純白は彼らの腹で溶けてゆく、
描いた夢想に生きられるほど強くはないと、
声は海の色にも似て青、叫んでいたのは誰も知らない架空の言葉、

薄汚く着の身着のまま、たゆたうようにぶらつきながら、
すべて終われと嘯いて、流れるまんま睨んでた、
視点の先には食べ残したカラスの意地が、
黒が赤を飲み込む姿、それはまるで悪くなかった、
僕が君が愛を囁く、聞きに飽きたる言葉より、
それはずっと痛くなかった、まるで悪くはなかったんだ、







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2015-02-20 18:30 | カテゴリ:ショートショート・フィクション

「子ブタさんよ空をゆけ」


 幸か不幸か、いや、特に不幸ではないだろうが、兎にも角にも私は子ブタさんなのである。子ブタさんであることに不利益は感じないが、利益を感じることがあるのかと問われれば正直なところ解答に窮する。私は子ブタさんとして誕生し、子ブタさんとして生きている、今後も子ブタさんであろう、成長に伴い「子」が外れることはあれど、「ブタ」でなくなることはないだろう。

 私たちは種族を選んで生まれてくるわけではない。それはヒトであろうがブタであろうが同じだ。そもそも選択が可能でない以上、子ブタさんとして生まれた私は子ブタさんとして生きるほかない。

 ときに思う。子ブタさんで良かったと。
 将来を憂うことがないわけではないが(食肉動物である以上、生存権は私にないのだ)、現在の私は子ブタさんであるが故に持つ権利を最大限に行使し、のんびりと日々を過ごしている。
 飽きたと言えば飽きたし、さして美味しいわけでもないが食事は充分に用意されるし、雨風をしのぐ小屋もある、ヒトと違って衣服は必要でさえない。

 子ブタさんは子ブタさんでいればさえ良いのだ。あくせく働くこともない、面倒なご近所付き合いもなければ礼儀作法をとやかく言われることもない。せっせと身繕いして自らの精一杯の笑顔をインターネット上に投稿することもない。

 子ブタさんはその生まれ持った「子ブタさん性」を発揮していればさえ、見ている者は勝手に癒されてくれるし、微笑ましく感じてくれるのだ。
 ある者は必要以上に私を愚鈍に考え、また、ある者は必要以上に私を賢明だと考える。
 小賢しい、私はそのように思う。どちらでもよい。評価など不要だ。私はヒトではない、他者評価のなかに自分を置くことなどないし、そもそも「自分」などない。「自分」なんてものに価値があるという勘違いがヒトを惑わせるのではないか。子ブタさんは他人にどう映るかなど考えはしない。
「自分が他人の興味対象である」などと思い上がることもない。ヒトは本来的に他人に興味などない、他人が見る自分に興味があるだけだろう。

……しかし、である。
 私はその愚かしいヒト科に依って存命たらしめているのだ。
 鑑賞や育成、愛玩を目的に存在する幸福な子ブタさんもいるだろうが、私はあくまで食肉化を前提に(ある意味では将来を嘱望されているのだが、それは私の本意ではない)生育されているのだ。
 私はこの小屋に生を受けた子ブタさんの本来性を突破しようと考えている。運命を欺き、神を欺くのだ、ヒトの言葉を借りれば、それは背信であり、背徳であり、禁忌である。

「この柵を乗り越えよ、飛ぶんだ、子ブタさん!」
 行為が発覚すれば即座に拘束され、未来は永劫に閉ざされるであろう。しかし、私はそれを試みる。成否がどちらに転ぶにしても、所詮は儚い人生……子ブタさんだが……ではないか。
 家畜にも意思はある。私は運命を受け入れることをよしとしない、勇敢な子ブタさんなのである。
 私の魂は叫ぶ。
「跳べ、子ブタさんよ! 運命を逆転させるのだ!」と。









【 了 】  





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2015-02-18 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・焦熱

「グラディウス」


凍えながらも揺れては惑う心臓と、歩き疲れた靴の底、
トビウオ跳ねたら飛沫のアーチのなかに太陽、
リアリストに唾を吐き、ロマンティストをせせら笑う、
さらばだ真冬を選んだ花々よ、過ぎ去る地には「おやすみ」を、
振り向くのは消える前だけ、水平線はかすかに弧を描いてた、
そのとき某は、星が楕円形だと知った、

薄ら寒い枯れた草原、ミドリと褪せた金色に、
花持ち並ぶ白い葬送、氷上にて凍る頰、
頭上に旋回、鳥は群れ群れ、風に酔って風に舞う、
ペシミストは麦酒をあおり、サディストたちが泥を蹴る、
さらばだ真冬を選んだ花々よ、過ぎ去る地に「おやすみ」告げる、
振り返るさえ億劫だった、景は背中に流れて消えた、

聖域、地下鉄、海鳥たちの楽園よ、
オルガン、鐘の音、淋しがり屋の道化たち、
鹿の角でできた燭台、鉄を連ねた森の夜、
ラジカセ、残響、ゴールドラッシュの過ぎた街、
指笛鳴らして見上げる天には弾ける星が、

平和主義者と軍国主義者は遥か高みで見下ろしながら、
新たな共存、探るシナリオ描いてた、
黄昏れる神々は、滲む視界で地上を憂う、
赤い月にて終わりを告げる、
景色を揺らす指には蛇が、這い回って舌から涎を垂らしてやがる、
百年孤独に耐えた鍵盤、風を欲しがり地表を濡らす、
月の夜には旅の奏者が雨音にも似た叫び声を鳴らしてた、















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2015-02-16 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・憧

「泡沫」


束の間満たす泡のような恋をして、単なる微熱を運命なんて大げさに、
錯覚なのにと冷たい胸が私に楔を打ちつける、
走り始めにつまづいたのならキズはきっと深くはない、
いつぞやそれは皺に紛れて在りかさえも忘れるでしょう、
眩く見えた背中の誰かは振り返れど探すものがそれぞれだから、
いつも視線は平行線をたどるだけ、雨上がりの傘みたい、

雪が解けるのを待って、風はほのかに甘みでふくらむ、
私はひとつ大人になって、照れた笑みで思い出す、
氷柱に初めて触れてしまった人差し指、溶かしてみようと両手に包む、
泡のように弾け合ってはそれこそ楽園みつけたように、温いお湯に抱き合い眠る、
擦り合わせて発熱させた、青にも白にも見えていた、
雪の季節のひとりぼっちの陽の下で、

束の間満たす泡のような恋をしていた、掛け違えたボタンのことを知っていて、
錯覚でもまぼろしだって、あの日、私はそれをひたすら欲しがった、
花は香ればやがては枯れる、忘れようとしてただけ、
悲劇ばかりと頬杖ついた視線の先には雨の日に咲く骨の花、
高さの違う赤と黄二輪、揺れて遠くへ消えてゆく、
きっといつぞや記憶は喜劇にすり替わる、それも私と知っている、

日々は泡沫、私たちもやがて幻、
今日も昨日とよく似た泡が、ひろげた手でぽつんと消える、
日々は泡沫、私たちもやがて幻、
今日も昨日とよく似た泡が、ひろげた手でぽつんと消える、






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2015-02-13 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・旅

「オルフェウス」


月の砂は朝が来るたび綻びながらこぼれて墜ちる、
夜の間の優しいはずの声を忘れたふりをして、
雨は今朝も降り続き、ピアノは華奢なフープのピアスを歌う、
静かな雨の月夜はそう、響き疲れた小鳥の羽音、

航海中の船たちが、波間に漂う枯れ葉に見える、
煽られては舵を切る、儚い夢と現の狭間、
セスナは吸い込まれるように、折れた羽根の温度をあげて、
黒みのなかに途絶えてく、最期に見たのは空か海かと聞いてみる、
ただひたすらに速度をあげる蒼だった、
そう応える以外にない、

優雅にたゆたう緑色、足は地に這いつくばって、
好きな色を咲かせるまでは、耐える以外に術はない、
ひたむきであれ盲目であれ、
どんなふうに見えたにしても、その調べはピアノの奏でる森羅の万象、

調律者は単音ひとつを叩いては、
順にそれを繰り返す、一音ずつ手繰り寄す、
薄汚なくも美しく、荘厳にも下眉に舞う、
君がそう言葉を探る、僕はまた言葉を拾う、





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2015-02-12 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・旅

「なぜか今日は」


空が冷たい色をしていた、
氷を降らせる直前の、雲の谷間に微かな光、
切れ込んでゆく、閉じた瞼を貫いてゆく、
吐き出した、煙がそれに溶け込んだ、
南へ逃げる鳥の群れ、逃げ場もなく迷うヒトビト、
嗚呼、孤独が嗤い声をあげている、この地上に生きる意思を持つ者に、
空は冷たい色を続けるだろう、

僕を殺しにきたんだと、俯く子供の横顔に、
痩せた氷の粒が重なる、見憶えのある彼は、
小さなころの僕だった、君はいまの僕を見ない、
僕はその子を見ていられずに、
距離は縮まず、その間を冬が流れた、

嗚呼、空は今日も淋しい色で、
沁み入るほどに青いだけ、せめて直視は避けようと、
寄り添う木に倒れ込む、キズだらけの根でそれは立ってた、
空にまで伸ばした枝に、赤みの強い葉は落ちそうだった、
木々は沈黙、葉は移ろう、
日々に空白、今日も静寂、流れゆく、






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2015-02-10 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・憧

「月の砂漠に雪が降る」


名もなく儚く小さくも、健気に羽根を広げる花は、
雨を散らす風に吹かれて、一枚ずつを奪われた、
砂漠に月が目を醒ます、蒼く白い下弦のひかり、
乾いた雪が砂をさらって、淋しいのは誰もかもが同じらしくて、

名もなく儚く小さくも、声さえあげず消えゆく鳥は、
四季を過ぎゆく弱々しくも尖る樹々、
月の砂漠に雪が降る、音なく夜を告げる鐘、
悲しいのは誰も同じ、ありふれたとして変わらぬことで、

僕らは名もなく、儚く過ぎてゆくだけの、
行きたい場所さえ忘れる傷跡、
踏みつけた世界地図、そこに月の砂漠はない、
雪を降らせる夜の紫、うつろいながらひた歩く、

僕らは名もなく、儚く過ぎてゆくだけの、
帰る場所さえ忘れる軌跡、
何度も見た世界地図、そこに月の砂漠はない、
雪を降らせる夜の紫、うつろいながらひた歩く、




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2015-02-09 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・旅

「時よ静かに流れよ」


別離は続く、昨日にそれがあったように、
分かれて交じわることのない、枝々、尖りて空を衝く、
そして葉は落つ、たどり行きしは欲しがるふりした流転か、

風鳴り雨撃ち見下ろす天は、私たちの青く醒めたる溜息と、
震えるだけで暖を持たない孤と孤がただただ立ち尽くす、
様子に知らぬを決め込むだろう、
見慣れた私に其れは既視なる、

最終街区の路傍に眠る雨曝し、白い骨と化したのは、
思い思いに描いた鮮やか、失われた色の空白、
言うならそれは珍しくもなく何処にでも、明日にもまた見つけるだろう、
探すほどのことでさえない、振り返るたびまたひとつ、
影のように付き纏う、別れが音もなくぽつり、

いつか笑った、やがてはまた笑えるだろう、
望まれずに咲き、見送られずに眠る花、
どうでもいいと諦めがちに呟いた、薄い胸には果てる辺境、
掴んだはずの宝石が、握っているつもりの拳の隙間を見つけ、
空白たる砂へとなって、幾度たるやの鼓動を盗む、
そしてやはりは落ちてゆく、たどり着きしはいつか欲した墜ちた星々、

風だろうが葉だろうが、砂だろうが泥水か、
雨だろうが花もだろう、骨が澄みたる白であろうが、
邂逅だろうが別離だろうが、涙であれど呼吸であれど、
どこまで時は私から、何もかもを盗んでゆくのだ、
どうして天は私から、何もかもを盗んでゆくのだ、






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2015-02-05 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・旅

「世界の果てのフィルムメーカー」


燃え上がる朝の東の橙に、気づいてながら背を向けた、
映写機からは空想科学が昨日の夜から流れっ放し、
言葉を理解し得ない男は字幕に並んだ記号を目で追う、
義眼の老婦は途絶えた愛を延々と、やがて眠り落ちるまで、
点火直後の発煙筒ならドラッグ・レースに蹴り飛ばされたよ、いまはもう、
吸い殻みたいに小石や埃と眠りについたはずなんだ、

ブラウン管には旧世紀が見ていた未来、拙く儚く幼いまぼろし、
人は結局、調和にまでは至ることなく争うだけに終始した、
ネズミを追うネコの頭を狙うカラスは銃の標的、
彼の背後にキッチンナイフを磨く妻、彼女は移民手配師に、
抱かれて逃げる南の海を瞼に描く、あとほんの少しなのって、

砂時計を利き手に廻す、売れずに残り続けるうちに、
手垢にまみれて刻を重ねた、星明かりに流れる時間で孤独に慣れた、
小さな子にでも見抜けるはずの甘い嘘とまぼろし売った、
人は脆くも彼に酔う、今日を誤魔化せることが何にも勝ると知っていた、
ウソ売る自分は誰かを信ずことなどない、
そして時間、時間、時間が最期へ呼ぶのを待っている、

習い始めのピアノみたいにたどたどしい、雪が羽根の間を縫って、
手のひら溶ける花を見る、高みに探す鉛が混ざる雲の向こう、
月は足掻けどその手に堕ちぬ、旧世紀が描いた夢には磨き抜かれた鏡のような月の裏側、
人は調和を欲してなんぞいなかった、歩くはかつての銀幕たちの庭、
フィルムは切れてからから廻る、映した夢なら途絶えてしまった、
それから君は、それから僕は、
燃え上がる朝の東の橙に、気づいてながら背を向けた、







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【後編】「君に永久なる永遠を」


 点滴が終わる。血が逆流してゆくのを見ていようとして、やめる。「こちら側」に投げ込まれた合成樹脂製バッグを適当にひとつ拾い、それに管を差し込み、別の針を浮いた青い血管に通す。それが薬ではないと僕は知っている。生理食塩水か高濃度カロリーか、そのどちらかだろう。
 何度も繰り返した動作だ、慣れつつさえある。
 治癒はない。少なくとも僕が生きている間は。
 熱病が僕を溶かしてゆく。コールタールの湖に沈んでいくように、僕は緩慢に波打つ。騒々しく思うほど暴れる心臓と白濁する視界。絞り出すように息を吐く。声も漏れる。涎が頬から首へつたってゆく。

 汚された液体に近づいていることを思う。眠ろうとして激痛に起こされ、激痛に失神して束の間眠り、再び痛みが僕を覚醒させる。繰り返すうちに僕は僕が酷い臭いを放っていることに諦めを感じてゆく。

「もう少しの辛抱よ」
 夢だと思った。夢でも良かった。僕の右手は誰かに包まれている。細い指。だけどあたたかい。表情までは確認っできない、けれど、「彼女」は僕を真っ直ぐに見ていた。路傍に踏み折られた小さな花を見つめるような姿勢で、ただ、僕を見ていた。

「だれ……」
 声になっていたのかどうか、それは自分ではわからなかった。口のなかに溜まった真っ赤なあぶくでうがいをしているような気がした。

「誰でもない。あなたはそんなことを気にしなくていい」
 こもることなく、はっきりと聞き取ることができた。彼女はマスクをしていない。そして、僕の手を取ることができているんだ。交差するはずのない水路の特別な経路を用意してきたかのように、向こう側からこちらへ。
 対岸にて様子を伺うだけだったはずの生者が急流へ飲まれ、ただ落ちるのを待つ僕の手をつかんでいた。

「助けにきたの、あなたたちを」
 彼女は小さな瓶をつまんで見せた。左右に振る、窓から切れ込む光がそれに反射する。
「残念だけど、回復させてあげられはしない。でも、私はあなたを休ませてあげることができる。もう苦しまなくていい。眠りなさい、静かに」
 うなづく。首は縦に動いてくれただろうか。
「生と死は同じ線上にある。生は死を含み、死は生に含まれている。あなたは水に還り、海へ流れ着くでしょう。あなたと、あなたと同じ熱病の人々にも水路を用意しています」
 手は結び合わされていた。それぞれの流れがかすかに繋がる。

「神は与え、神は奪う」
 小瓶のなかの液体が僕の体に水脈をつくる。泡が弾ける。絡まりもつれた糸屑が解かれ、一本ずつ抜かれてゆく。ふわりと僕は浮く。解かれた僕はシャボン玉のように宙を滑り、弾ける。滴として垂れ、床をつたい、土に染み、本当の川へと流れ、やがて海へ還るだろう。

 僕は空から見ている。
 彼女は走っている。人目につかないように夜に呼吸し、闇に紛れる色に身を包んで。彼女は地上の生者の世界では「死神」と呼ばれている。大量殺人者として追われていた。非道なる単独のテロリストとして追われていた。

 僕は告げる。
 届くだろうか。
 走る君へ。君にもやがてその日がくる。そのとき、僕はここから手を伸ばす。君が水に戻れる方法を見つけておく。
 届いただろうか。

「神は奪い、しかし与える。君が僕を掬いあげ、還してくれたように。永久なる永遠を、君に」





【了】  






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2015-02-02 18:30 | カテゴリ:ショートショート・フィクション

【前編】「君に永久なる永遠を」


 目覚めると見たことのない天井だった、いつものそれより高く白い、そしてチェスの盤のように四角に区切られ、継ぎ目には黒い点々が十字を描くように密集している。
 聞き覚えのない声が聞こえた。ひとりではなく複数いる。ざわつくそれは室内だけでなく、この部屋に繋がる経路……廊下や他室だろうと思う……の床や壁、天井に至るどれもが堅く、冷たいものでできていることを教えてくれる。ざわつき、動揺、悲嘆。構内のあらゆる壁に反射し、僕の感覚へと着水する。

 いまの僕は水だと思った。滑らかで柔らかく、かたちを失いつつある。漂う気配に波打ち、さざめき、やがて溶けて液体となる。僕を繋ぎとめているのは、左上の関節に打たれた細い管。透明の液体が流入し、液体へと変わりゆく僕をヒトのかたちに留めている。
 それは碇であり、杭だ。この世界に繋ぎとめておくための最後の線なのだ。

「気分は?」
 初老の白衣の声が聞こえる。網目が目視できないほどに強く、そもそもが一枚であったかのように錯覚してしまう絹のカーテンの向こうに影が見えた。冷静を装ってはいる、だけど、声の震えは空気を揺らす。くぐもっているのは厚いマスクのせいだろう。
「変わりません」
 僕は嘘をつく。
「ならいい。なにかあればすぐに呼びなさい」
 幾重にも吊られた幕の向こうから医師は言う。わずかな隙間も逃さないように貼られたテープは補修がなされたようだ、僕と僕の周囲は完全に遮断されている。

 ここと向こう側はすでに分断された川だ、行き着く最期が同じだとしても、そこまではそれぞれの水路をたどり、決して交わることがないように別の経路をつくられている。
 僕と同じ水路に進んでしまった、あるいは振り分けられてしまった人々のことを考える。

 運命だという誰かがいた。そうかもしれない。
 天罰だという者もいた。そうだろうか。

 どちらでもいいと思おうとして、咳き込む。受けた手のひらには液体が付着していた。濁って見えた。最初のそれはもっと鮮やかな赤だった。いまの赤はどこかで見たような気がする、僕は記憶を手繰り寄せる。

 記憶はそう遠くなかった。この隔離された区画に連れて来られる前のことだ、道端に倒れていた汚れた毛布を背負っていた誰か(僕はそれを捨てられ絶えた牛だと思ったのだ)が吐き出していた、土に染み込んでゆく途中の溜まりに見た、黒に変貌しつつある赤だった。
 その日を境に、僕たちの世界はふたつに分かれた。生者の水路と死者の水路は交わることのない、ふたつの線に分断したのだ。










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