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2015-01-29 18:30 | カテゴリ:billy gallery






【画像】四季は刻々、ひたすら流れ



machinegunbilly on instagram

Instagram

……上記リンクに投稿した直近の写真です。イラストや動画を投稿することもありますが、基本的には風景写真を投稿することが多いです。

 当たり前のことですが、変化しないものはなく、すべては変化の途上にあるもの。時を止めることは誰にもできないし、すべて刻一刻と変わり続ける。好きや嫌いに関わらず。
 いま、この瞬間にも風景は音もなく時間を進めている。私たちがそうであるように。








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2015-01-27 18:30 | カテゴリ:ショートショート・フィクション


「この世の果てまで連れてって」【後編】


 私は目隠しを解いてもらっていた。
 女だからかもしれないし、話を聞こうとしたからかもしれない。
 手足を縛られ自由に身動きこそできないが、置かれた状況を把握することだけはできた。
 猟銃とナイフ。まだらに汚れが染み付き夜戦向けの迷彩柄に見間違う作業服。よく見ればそれがこの工場の制服にされている安価で粗末な化学繊維のものだとわかる。踵のめくれたスニーカーがパタパタと音を鳴らす。トイレのスリッパを履いている者もいる。そして悲しいほどにそれは彼らに似合っていた。

 彼らはまだ若い。策略なんてない。残念ながら法を超えるような手段を知るような知恵もない。この暴挙の無理を振り返るほどに冷静でもない。家に帰りたがる子供と変わらない。デモを起こせば本気で何かが変わると考える、純粋で愚鈍な子供でしかないのだ。

「おまえは、僕たちが怖くないのか?」
「怖くない。最初は怖かったけど、いまは怖くなんてない。あなたは私と同じ。私はあなたと同じ」
 ふと、衰弱死したスズメの子を思い出した。巣から転落してしまったスズメはインコたちとは共存できず、拾い上げたつもりの命は芯を抜き取られるように痩せ細ってエサ箱で眠っていたのだ。
「同じ……?」
「ほんとうは帰れないって知ってる。もう行く場所なんてないことを知っているからこんなことをしているだけ」
「そんなことは……僕たちは逃げる。逃げて、帰る」
「外は拳銃を持った警察が取り囲んでいるの。空からヘリも睨んでる」

 テレビをつけると私たちのいる建物が映し出されていた。「外国人労働者による凶悪な立てこもり事件」だと報じられていた。ジュラルミンを持った機動隊が円をなし、カメラとマイクを持った報道陣が円になり、その後ろに見物人たちが円をつくっていた。カメラに映り込んだ「善良なる一般市民たち」のなかには笑顔さえ浮かべるものもいた。暇を潰せさえすれば、対象がなんであっても良いのだろう。私たちの誰かが射殺されたとしても、彼らはすぐに忘れて次の暇つぶしを見つけるのだろう。
 幾重にも重なり合った輪のなかで、重なり合うことのない希求がふくらんで弾ける。弾けるためにふくらむ。

「ひとつだけ……」
 私は彼に告げる。
「ひとつだけ、ここから脱出できるかもしれない方法がある」
「もう、もうダメなんだ……」
 彼はすでに悔いていた、テレビに映された自身の顔写真と本名と罪名がそうさせたのかもしれないし、停滞した状況が平静さを取り戻させたのかもしれない。
 取り囲む拡声器と赤いライト、旋回するヘリコプター、すべての色と音。檻のなかで暴れた鳥に突きつけられた麻酔銃。聞きなさい、私は子供の頬を叩く。
「私を盾に外へ出るの」
 そして裏口へ。社用車が停まっている。鍵なら持っている。君は助手席で私に銃を向けていなさい。
「どうして……?」
「君と私は同じ。そう言ったでしょう?」
 なにが同じかはいつか話そうと思った。私たちが生きて逃げることができたら。いま、話すことでもない。
「もう帰れない。逃げるだけ。それでいいでしょう?」
「み、みんなは……?」
 彼は振り返る。疲弊しきった無策な立てこもり犯たち。彼らを連れてはいけない。
「忘れて。ゲームには犠牲者がつきものなの。殺されはしないから安心なさい」
「どこへ逃げる……?」
「そんなの知らない。ここでなければそれでいいの」
 どこへだって行ける。わたしたちの「同族」なら港にいるでしょう。いくらか支払えば載せて行ってくれるでしょう。
 お金だって手にしたばかり。プールされたぶんの口座なら体に教えてもらったの。ついでにクルマごと沈んでもらいましょう。バイバイ、ボス。トランクは寒いでしょう? 冬の海はもっと寒いのよ、私のなかとは違うのよ。

 そう。逃亡に最高のタイミングであらわれたのがあなたなの。
 帰る場所なんてないのよ。私たちは進む以外にないの。そのためにはなにをしたっていい。神様が赦してくれないのなら、私は神様を赦してあげない。

「さあ」
 この世の果てまで連れてって。



【了】  












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2015-01-26 18:30 | カテゴリ:ショートショート・フィクション

「この世の果てまで連れてって」【前編】


「帰りたいんだ」
 たどたどしい日本語で男はそう言った。帰りたい、それが彼と彼の仲間たちの要求なのだという。
 最上階の窓から叫ばれるそれは取り囲む誰かに届いてはいるのだろう。見上げる窓は回転する赤が左から右へ振り子のように流れる。拡声器が「投降しなさい」を定期的に繰り返す。
 男は「人質は無事だ、僕たちは国へ帰りたいだけだ」、そう返す。要求というより懇願に聞こえた。声を荒げるたびに語尾が弱弱しく千切れる。

「帰りたい、か。ねえ、あなたたちはどこから来たの?」
「遠い……おまえたちが嫌っている国だ」
「……嫌ってる? 私たちがあなたたちを?」
「そうだ、嫌っているくせに私たちは買われる、そして使われる」
「そう。あなたが帰りたいその国はあなたを売ったのね」
 彼はそれに応えなかったが動揺がその目に浮かぶ。真っ直ぐに私を見据えていた視線は揺らぎ、羽虫を追うように左右に揺れ、やがて行き場を失くして床へと落ちる。
 天井に張った雨が滴になりぽつんと落ちる。
 彼らは貧しい山村に育ったのだという。飢えても食べるものはなく、土を舐め樹の皮を剥いだ、家財を売って都へ向かおうとした大人たちの痩せた背を見て育ったのだ。それはかつてのどこかに似ている。そう、私たちが育ったこの国だ。

「君たちは包囲されている。どこへも逃げられはしない。投降しなさい」
「僕たちは誰にも怪我はさせない、国へ帰らせて欲しい」
 言語とはなんと貧弱なのだろうと私は思う。同じ時代、同じ国に生き、同じ呼吸をする者同士が互いの主張を理解することさえままならない。
 彼らの要求が聞き入れられることはない。そもそも通じているのかどうかも怪しい。
 噛み合わない言葉と言葉が放物線を描いて落ちる、それぞれに拾い合うことはない。湖に放り込まれる石と同じだ、着地点を見つける者がいない。
 それでも彼らは叫び続ける。
「帰りたいんだ」と。

「少しだけ我慢して欲しい。僕たちはあなたたちをキズつけたりしない」
 それは一昨日のことだった。
 ニット帽を深く被った男たちはそれぞれに武装していた。紛争やテロリズムは現実の出来事ではなく、あくまでニュースのなかかフィクションの世界だと考えていた私たちにとって、それは唐突な悪夢のようで、ただただ、呆気にとられただけだった。悪質な悪戯だと勘違いした一人は威勢良く立ち向かいはしたが、天井に向けられた銃声の一発で腰が抜け、へたりこみ、漏らして床に溜まりをつくった。
 片田舎の、小さな町工場を襲撃してなにになるのかと思ったけれど、彼らの要求は金銭ではなかった、そして、わずか半年ほど前までここに従事していた人々だった。私たちの半分以下の賃金で、倍以上の労働を課せられた、名前さえろくに記憶されない外国人のAとBとCとDだった。
 彼らが願いを発露できるのは自らを買い、道具として扱った場所しかなかった。

 そう、声高に人権が叫ばれる一方でヒトは使い捨ての利く道具でもある。
 彼らがそうであったように、私がそうであるように。


 















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2015-01-23 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・旅

「トランジット・ジラン」


継ぎ目から綿の出たソファー、通過するだけ汽車はずっと途切れない、
パステルカラーの車輌には、誰も乗っていないらしい、
眺める一点、爆ぜながら、どうにも胸が裂けそうで、

天井にシャンデリア、時を重ねた埃は落ちないままで氷柱みたいで、
ゴミを漁るネコに混じったシルキーシャツの老人は、
プラスチックのパールをいくつも首から下げていた、

「次の列車の到着はいつになるか分からない、
なぜなら通過中の汽車に終わりないから」

アナウンスは走り去る汽車の轟音かき消され、
シャンデリアに巣をつくったツバメが何羽か巻き込まれてた、

ソファーを独り占めして眠り続ける彼はジラン、
ここから何処かへ旅立つつもりの旅人たちを見つめてる、眠ったふりで見つめてる、

「あんたら何処へも行けやしねえさ」

煙に紛れる独り言は通過してゆく汽車に消されず、
待ち合う人々振り替える、

唇ゆがめて乾いたそれを舐めてから、ジランはようやく体を起こす、
非難に詰め寄り輪になる人々、ジランは邪魔くささを隠しもせずに言い放つ、

「だって、あんたら、手にした全てを持ったまんま行く気だろう、
何処か行くつもりなら、ほとんど全てを棄てなきゃダメさ」

ジランは駅のなかにいて、旅立てない人、眺めて今日もせせら笑う、
「帰る場所と用意があるなら、あんたらずっと留まってなよ、
悪いことは言わないからさ」







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2015-01-21 18:30 | カテゴリ:未分類


【動画版】きみといっしょに









 アメブロに投稿した動画(15秒のスライドショー)のFC2版です。
 こちらでも問題なく視聴していただければ良いのですが。

 私たちは毎日が新しい記念日。
 健やかなる日も病める日も。
 面白おかしく、笑って生きていられればいいんですが、なかなかそうもいきません。今日、泣いてしまったのなら、明日は笑顔で過ごせますように。
 では、また。





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2015-01-19 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・旅


「夜明け前のオルゴール」


夜明け前に見た夢は、群れなす鳥の放物線、
白い羽根に映る橙、深い青みに混ざりゆく、
裸の樹々に残された、色を失くした葉は吹かれ、
天井裏の小窓から、差し込む陽光、その下、踊る埃たち、
醒めない思いも虚しく消えた、

こぼれ落ちた手の平の、砂はかつての甘い実の、
たぶん幻、忘れてしまえば痛みに麻酔、
鳴らないはずのオルゴール、星の見えない夜の歌、
鳴らないはずのオルゴール、話し疲れたウサギのおもちゃ、

夜明け前のオルゴールが鳴らしてる、泣くのはやめだと顔あげた、
鳴らないはずのオルゴール、歌っているのは季節外れのクリスマス、
おもちゃのウサギが眠りに落ちた、起こさないよう静かにしてる、
「今度は私が子守唄、起きないように歌ってるから」
汽笛を叫んで東へ向かう列車は見えず、

明くる日には新たな地にて誰かを乗せる、
夜明け前のオルゴール、子供のときからずっと一緒の、
歌がいまも胸に鳴る、遠い国の古い歌、
拙い旋律、オルゴールが歌ってる、







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2015-01-17 18:30 | カテゴリ:instagram × 文芸パンク


「祈り子の季節」


凪ぎつつある風を背に、東の地へと一歩ずつ、
爪先には安らかなる砂の音、
まばらに点々、伸びゆく緑は繊細でも紛れもない、

見上げた夜に鳥の使い座、目を閉じ、鳴らさる指笛を聴く、
朝の光の瞬き柔和な光線の、直線のなか、踊る埃も乱反射、

花であればいつか枯れゆく、いま咲く其れの一輪ずつに願いを話す、
遥かかの地へ届きますよう、想いを託す、例え其れが重なり合らずとも、

草原に舟を浮かべた、鮮やかなる色、満たされゆく季節を想う、
ゆく途中か帰ってきたか、渡る鳥の嘴には淡紅一輪、
小さく啼いた、そこに歓喜を聞き出そうと、

澄み渡る青、流れゆく白、揺らぎ続ける陽の光、
君は僕は祈りの子供、歩み続ける旅の祈り子、

凪いで鎮まる幸福なる大地であれと、暴るることなくいずれは仔たちが戻れますよう、
調和のなかで呼吸する、草原にて口笛を吹く、祈りと願いは時にて果てることはない、
調和の季節に君を思う、







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2015-01-16 18:30 | カテゴリ:文芸パンク


「アン・ジュールとあいのうた」



脱線したまま放置されてる、貨物列車のコンテナ住んでるアン・ジュール、
真冬の間はいるけれど、夏くる前には引っ越したい、

つぶやきながらギターを奏でるアン・ジュール、
寒い空の雲の切れ間にボサノヴァ歌う、
スキャット乗っけてケセラセラって歌ってる、

ギター片手にどこへでも、マフラー風になびいてる、
夜が来るなら街灯下をステージに、リクエストは受けないけれど、
手拍子、指笛、鳴らされる、

誰もいなくなったなら、アン・ジュールは星か夜空に歌うだけ、
少し飲んだら、いつまでだって歌ってられる、

愛とか恋とかそんなこと、アンにはあんまり関係ないけど、
欲しがる気持ちは分かってる、それでも歌うと忘れてしまう、

迷い犬の背中を撫でて、コンテナ我が家に連れ帰る、
夏が来るときっとここには住めないからって、
名無しの犬と話してた、

観覧車を探そうよ、誰も乗らない棄てられちゃったゴンドラを、
できたら時々、回って欲しい、そんなゴンドラ探そうか、

真冬を越えて、夏を迎えるアン・ジュール、
ひとつ大人になった彼女は、
きっとゴンドラ、ギターつまびき愛の歌を歌ってる、







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2015-01-13 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・焦熱


「夜の愚弄者」


夜の気配は誰がために流れるか、この世界の片隅におき、
この世界の中心にあると仮にする、どちらでもいい、
その闇が全てを駆逐し、支配さえも為される時に、

昼の光を吸い込んだ、砂を一握りだけはする、
弄べばその度に、隙間からこぼれてく、
呼吸だけに意識を澄ませ、その連動に浮上を満たせ、
差はあれ我々、いくばくすらもない命、

それが我々、ヒトの役割、
たかがしれた者の定めと、夜は愚かしさが徘徊するとき、
流れる景色とその風が僕らをときに狂わせど、甘く淫らで濃密な、
呼吸を重ねる密をつくれば、

ひとときでもあれ、孤独を闇に葬り去れる、
瞬の間にしか過ぎず、それでもあればないよりは、
笑いたいだけ笑えばいいし、泣きたいだけ泣けばいい、
誰ひとりとして我々などに関心はない、
夜を征くが持つ定め、誰より孤独を知る道理、







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2015-01-09 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・焦熱


「トカゲ」


光届かぬ裏路地の、地上ゼロから吹き出した、
雷魚の鱗を思わす雹を巻き上げる、真冬の冷気が走り出す、
時計台を左手に、英雄像を右手に抱え、
鉄骨から修道院へと万国旗が交差する、
通りには燭台並ぶ、それぞれ揺られ燃えている、

雑踏、嬌声、泣き声と、
口笛、教典、ハーモニカ、
トカゲの眼をした青い男は1から順に孤独を数え、
99に届けば1へ、
夜のたびに虚ろ歩いて、手にした裸の花束の、
一本ずつを火にかける、99に届けば1へ、

退屈そうな街娼たちは、コイン数える男たちには視線さえも送らない、
綻び目立つ薄いドレスにキツネに似せた毛皮を羽織り、
一夜限りの恋を売ろうと、好奇と値踏みの睨めつく視線、
見ないふりした、ガムで頬をいっぱいにして、

戒厳令下、この世の果てを謳う者、
言葉を知らぬ花屋の少女、彼女に焦がれる鳥撃ち帽の少年や、
羊頭煮込むドラム缶には聖人君子の手垢が目立つ教え書き、

トカゲの眼をした青い男は99を1ずつ減らす、
どこか滑稽、悲しむふりすらしなかった、

暗がりから気配を殺し、今夜どれをエサにしようか考えている、
子連れのコヨーテ、トカゲの男に手引きされ、
何者だろうが中身にそう変わりはない、

トカゲの眼をした青い男は揺らめく赤の燭台に、
手にした花束、その一本ずつを、生け贄るよう焼べてゆく、









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2015-01-07 18:30 | カテゴリ:文芸パンク

「神は転寝ながら杖を持つ」


空は澄み渡っている振りを、あくまで装うのは純白、
悲鳴に聞こえるトランペットや秒ごと草地に仕向けるオルガン、
夏には人の気配を盗み、冬には刻を奪いたもう、
夜にはそれを告げる鐘、仕事終わりが俯きそぞろに歩く路、
どうしてだろう、それは従順なる黒い葬列、
君にも僕も、そうとしか見えないのはなぜ、

孤独は君の隣にあって、重なり合う影は唯一、
あてもなくしてぶら下がる、見果ての視界はいつぞやの、
ネズミの囓った痕がある、まことしやかに囁かた、
星の終わりの地図が浮かんだ、

殉教者になれぬ私はいまこの土の匂いを探る、
雨の後の湿り気と、氷が始まる夜の連れよ、
嗚呼、手繰り寄せては集まる悲鳴、
誰も彼もが神を振り向かせようとしているようだ、
さらには微笑ませようとまで目論む様は無様に過ぎぬか滑稽か、
昨日の葬列には蛇が、巻きついては離れなかったと風が教える、

個々とは既に孤々となる、繋がるのは家畜としての綱が精々、
人畜無害な流行歌を口にする、其処にはもはや何もない、






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2015-01-05 18:30 | カテゴリ:文芸パンク・憧

「草原の人」


黄土には緑が生えて、点々ながら白い蕾も、
眼を閉じ開ける、暮れ明ける、
刻は常に生くと逝く、

かの地は焼土に焦土にされた、裸にされた森は東に、
焼けた砂が風に捲かれて、羊たちはもういない、

いつかはまた緑が映える、それを祈るのは牧童、
けれどそのとき咲くはずの、花の色を知るほどに、
人は長く生きてはいない、幼いながら識る超然、

目の前には途上の草原、混じる白髪と蒼い軟毛、
途中で切れた首輪を抱いた、羊飼いは貫く指笛鳴らしてた、

其処にいない羊を想う、綴られたのは1000年の褪せた羊皮紙、
人の造る神は酷薄、理不尽極まる争い好む神話の世界、

その牧童のつく溜息の、わずか隣を貨物列車が逃げてゆく、
荷台の影に牛の細い尾が揺れた、
さよなら君よ、さよなら君よ、

おやすみ朝に昇る太陽、
おやすみ午後を告げる鐘、
おやすみなさい、散り散りゆく魂よ、
汝が永久なる夢に安らげますよう、

鹿の角でつくられた、羊の頭骨模した飾りを、
その両の手のひらで、眠らせるよう抱き包む、
ともに眠りにつくように、慈悲を指に絡ませる、
彼は牧童、草原の人、






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2015-01-04 18:30 | カテゴリ:ショートショート・フィクション


「夜を欲しがる」


 私たちは幸福な夢を見ることに慣れてはいない。
 私たちは幸福な夢を見ることに慣れはしない、きっと、これからも。

 時計台の鐘が午前を知らせようとして鳴り止んだのは迷った鳥がその機関部に吸い込まれていたからだった、彼か彼女か、なぜ鳥がそこを止まり木としたのかは誰にもわからない。
 ともかくその鳥は毟られ、肉片となり、時間を止めることにだけ成功して死んだ。羽根が数枚落ちていたことがその証拠だったが、しかし、どのような色をし、どれくらいの大きさであったかは定かではない。

 そしてそれは誰にとっても興味を引く事柄ではない。
 時計が壊れ、時間が停止し、その原因がどこかの鳥であった。それだけのことだ。彼がどんな夢を見ているかは想像さえされない。

 答えなどありもしないものをなければならぬと思うからこそ惑うのだ、彼女はそう読みあげる。

 裸の背中は滑らかに曲線を描く、暖炉の炎が微かに乗り移る、発熱しているかのように橙に色づく。

「君、この意味わかる?」
「わからないほうがいいってこと」
「ほんとに?」
「知らない。単なる思いつき」
 サイドテーブルのキャンドルが揺れる。窓の外には取り込み忘れたシャツが氷点下に凍り続けていた。
「そろそろ寝る? 疲れたでしょ」
 彼女は僕を誘う。二人の汗を飲んだシーツは乱れたままだった。
 部屋のあちらこちらで揺れる炎を映し、焼き討たれた草原を思わせる。
 その行き先がどこにあるのか、それは誰にもわからない。

「意味がどうとか、そんなことは忘れてしまえ、その有無は生きることそのものに、なんら意味をなしはしない。だって」
 すべては戯れ言に終わる。所詮、死んだ鳥も僕たちも大差はない。
 最期には時間が止まる、或いは止める。

「少し待って。寒くなってきたから……」
 僕は暖炉に放り込むべきものを探す。ここにはほとんど何も残されていない。
 誰かが生きた形跡も、暮らしがあった様子もない。そして、僕たちもそれを残すことはない。残念ながら羽根もない。

 帽子を脱ぎ火に焼べ、綻びの目立つコートもまた炎の餌にする、最後は座っている椅子だ、ろくに手入れされていないが、それでも燃えなくはないだろう。
「明日はどうするの?」
 指を絡ませながら訊く。
「そんなのないから」
 僕はこたえる。
 僕たちは夜を欲しがる。そう、夢に焦がれずにすむ永遠の夜を。



【了】  










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2015-01-01 12:30 | カテゴリ:文芸パンク・旅

「歓びの種」


晴れたらいいね、新たな息吹が匂う朝、
昨夜忘れたはずの歌を歌う誰かと、
吐く息、柔らか虚空に溶ける、
水平線を眺める僕ら、昇る光に願いをいくつ数えただろう、

白い海鳥、横切る数羽、
千切れるくらいマフラーなびいた、
その尾のフリンジ、透徹なる風ふくむ、
ポットのコーヒー、コーンポタージュ、
灯台下に集う見知らぬ人々と、

何気ないひとことは、無音を欲しがる景のなか、
空と海を分かつ線から円が、
吹き溜まらぬ熱の花、夜明け歌の口笛ふいた、
晴れたらいいねと波飛沫に投げかける、

手にしているはやがて花咲く、
いまは小さな歓びの種、
手にしているはやがて花咲く、
僕らの願い、歓びの種、







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