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2014-09-30 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・焦熱

「左利きのテディ」


ナイフホルダー、夜は三日月、
暮れた夕の港は茜、
路地裏、猫の目、サーカステント、
投げたナイフは2000と500、人差し指は鍵のかたちに曲がってる、
ダーツに興じるヤツらが嫌い、

昔は運び屋、闇のルートを走ってた、
レオンを名乗ってサーカス団に潜りこむ、ずいぶん前だ、
いまは誰も覚えていない、そう思っていたいのか、
最後に運んだ荷物は死体、レオンと言う名の旅芸人、
ナイフを投げていた男、
名前と経歴借りたまま、

ナイフホルダー、朝は陽に割れ、
カラでも柄にはガラガラ蛇が、
水銀、地下鉄、ブルーズハープ、
安く売られる平和と希望、泣いてるイヌと言われてる、
酩酊頼みのヤツらが嫌い、

失くしたものをすぐに忘れる、手にしたものも同じくらい、
夜になるのを待っている、

ナイフをあるだけトランクに、左の指が渇いてた、
肩にホルダー、ぶら下げて、
ナイフ投げ師を称して歩く、








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2014-09-29 12:00 | カテゴリ:文芸パンク


「シリウス」


流れ着く先、それは晒され風に乗る、
答らしきは用意もなくて、ただそこにたどり着く、
あるいは今日も寒風か、

栄華はなくも生きる術を持てるよう、
明日も続く漂泊は、身を焦がす灰の泥、
見上げる青みに眉をしかめる、

どうにかなると強がるふりで、
背中にはただ虚しい飾り、不愉快さを押し殺す、
流れるフリンジ、嗚呼、今日も気分が悪い、

慣れたはずの孤独を握る、
そのあまりの冷ややかさに目を覚ます、
鮮やかなる水は青みがかって、
記憶を手繰りて夕陽を思う、

朝焼けには栄光もなく、変わらぬ日常さえも漂う、
その自身を使い回しの道具になぞらえ、
野生の風に委ねてる、

流れゆく先、それに晒され風に乗る、
答らしきは用意もなくて、ただただそこにたどり着く、
今日もやはり寒風だろう、

そしてまたさすらう日々を、愛せるようにと慈しむ、
明日はまた明日、
さすらう日々で、闇のなかに爪を立て、
深海にて永久の眠りを知るときを、
いまは砂を巻き込んだ、真正面から吹く錆びを、








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2014-09-27 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・憧
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「雨を乞う人」


砂漠に雨が降っていた、極める苛烈に削られて、
不毛に過ぎる日々を追憶、浮上できぬ精霊たちは、
その定めを反転させよと血さえ飲む、

大いなる、慈愛は誰が享受する?
与えられぬも寄る辺さえなく、続くは酔い夢、
たどりし金と銀の夜、柔らかなる雨が流れた、

旅に生きしは、あらゆる枷から放たれど、森に帰る星を眺めた、
夜明けを待つ勇み足たち、ろくでなくともまだ続く、

優しく降るは流星の、十字を描き滑りゆく、
尾が漂わせた光の金貨、盗賊たちは砂の上、
手の平には溶けた砂、

激しく鳴るは惑星の、生まれては燃え尽きる、
影に添うは自身の記憶、夜の惑う星たちも、
やはりは雨を待つのだろうか、
やはりは雨を乞うのだろうか、






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2014-09-26 12:00 | カテゴリ:文芸パンク



〝one in a million〟


鉛を溶かしたような空気が、頭からも足元からも、
噴き出すように押し寄せる、なんだこの行き場のなさは、
浮かれるたびに押し潰される、なにかひとつに手を触れた、
すると忍び寄る影、またも引きずりこもうとする何か、
祝祭やら狂騒やらは不要に過ぎず、
平穏さえもろくに与えはしないと云う、

誰もが幸福な夢を享受した、そんな季節は過ぎたらしい、
向かい風と追い風が、同時に吹く真ん中で、
焦燥ばかりを手にしてる、
ずいぶん疲れた、気づき続けて重ねる日々よ、
どこへ歩めば新たな地平を見せるのか、辛辣なるときを経た、
それでもどうだ、迫り寄せる何かがあって、
そこで再び血を吐けと?

いくら待てど救済はなく、
乞えど乞えども無力さばかりを数えるばかり、
足るを知り、足らぬも知れど、
そうまた傷は増えるだけ、痛みに耐えうる体になれと、
届けられた紙の束、

火をつけ焦がせ、灰になるまで焼き尽くす、なおもまた届くなら、
この手のなかに握るだけ、いっそ潰れるくらい力をこめろ、

1000にひとつくらいなら、願えど神が嗤うんだろう、
1000にひとつもないのなら、ネコの死体も嗤うだろう、
吐き出すまで笑ってろ、尽き果てるまで笑ってろ、

明日の旗を手にすれば、手向けられた花束でさえ、
希望が色味に灯るだろう、







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2014-09-24 12:00 | カテゴリ:文芸パンク

〝pray,under the sun〟


遠ざかる景色に羊たち、飛来した羽根は宙にてじゃれ合った、
旅立つときだ、彼方を見上げた、
飛行機雲は空の傷痕みたいに見えた、

草原の向こうには、立ち並ぶ鋼鉄の群れ、
陽の光で銀に煌めく、夜にはまた黒く咲く、
偽造の星も通貨でさえも、
手にできるのなら奪いにかかれ、
用途のなさはどれも同じさ、口笛でも吹いてよう、

いつも胸に燻っている、影と対峙してみても、
無惨なまでの敗北が、漂う旅の終着点、
勝利なるまで負け続く、
いっそのこと呼吸をやめて、しまえば楽に楽になるだろう、
なぜだか止めることもなく、次の一歩の行方を探る、

未来がどうあろうとも、足掻く以外に術はなかった、
超然たるふりまでしても、瞬間のみに生きるしか、
地表を離れ宙にて揺蕩うかつての放蕩者たちが、何処かで軽みに至ったように、
祈るしかない、僅か先でも進んでゆけますようにって、






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2014-09-22 12:30 | カテゴリ:ショートショート・フィクション


「雨季の前、海のそばのバス停で」


 雨季の近づく海のそばのバス停には時間と行く先の表記がない。
 ここで陸地が終わり、ここから海が始まる。人の往来はなく、時折、カモメが退屈しのぎに割れた悲鳴のような鳴き声をあげ、そしてその声は風の隙間を衝いて響くコンビナートのサイレンに掻き消される。

 倒れたままのイスが二脚、ずいぶん古いものらしくて塗装が剥がれて錆びてしまっている、なんど起こしても倒れてしまうから、僕はそれを起こすのを諦めた。

「このバス停、もうすぐ失くなるんだって」
 海を見ていたと思っていた彼女はふいに振り返る。切ったばかりの髪が強くなる風で立ち上がる。
「バス……見たことないけど」
 吐き出される人も吸い込まれてゆく人も見たことがない。
 それがどんなふうに走っていたのか、それを見たこともない。
「バスじゃなくて、バス停がなくなるんだよ」
「違いなんてある?」
「バスはもともと走ってなんてなかったし、ここにはただバス停があっただけ」
 首を振らず何も言わない。分からなかった、だけど、僕は分かったふりをした。

「雨季の前に片付けちゃうんだって、バス停」
「じゃあ、夏はもうここには来ないことになる」
「うん。この海は鳥とサカナしかいなくなる」
 岸壁に打ちつけられた波は砕けて静かに引き返す。微かに聞こえた海鳥の泣き声は、小さな子供の叫び声によく似ていた。





了 






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2014-09-20 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・旅
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〝lady or girl?〟


くだらないお喋りに、いつだって彼女は夢中、
論じるなんて何よりキライ、
動物になりたいよって、何度も何度も繰り返す、
シンプルなんだ、純粋さの在り方を、
論者よりよく分かってる、

舌を出したら牙剥くコヨーテ、その眼の色に似たピアス、
ネオンブルーが似合わない、
プレスリーは生きてるよって、
南極に住むペンギン思う、

道端で煙を浴びる、花を一輪むしり取る、
躊躇もなく食べてしまった、
少し野性に近くなったよって、甲高い声で笑った、
真昼に揺れる、星を編んだカーテンみたいだ、

コンクリートで固められてる、煤に汚れた世界を這う、
鳥のいない空を焼く、夕陽がほんとに炎なら、
いっそやたら気分がいいね、拾い上げたダイスを蹴って、
その出た目なんて見ないまま、
彼女は誰かのベッドルームに忍び込むふりをする、
ポルノ映画に見つけたばかり、阿片窟と無人の島を、
誰かのベッドの壁の地図、うつろうように指を差す、









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2014-09-19 12:00 | カテゴリ:ショートショート・フィクション

「最期は君と抱き合って」


 いつか夢に見たことのある景色、私にはそんなふうに思えてならなかった。予知能力があるだとか、未来を想像していたわけではなくて、ごく単純に夢でしかなかったわけだけど、目の前に広がる凍りついた風景は色を失くして耳まで凍りついたように静謐な、圧倒的な虚無だった。

「寒くない?」
 立ち尽くす私はひざのあたりで鼻を寄せる見知らぬイヌに声をかける。
「いいなぁ、君のその毛皮……あたたまらせてもらってもいいかな」
 返事はもちろんなかったけれど、私は彼……たぶん「彼」だと思った、未確認だったけれど……の長い鼻に頬をこすりつけた。
 ずっと昔のことに思える、小さなころ、いつもそばにいてくれた大切な友達と同じニオイ。
 彼は「くうん……」と尻尾を振ってくれた、それから頬を舐めてもくれた。
 温かくて溶けてしまいそうになる。

 いつかくると言われ続けた、世界の終わりは突然だった。
 前触れもなく予報もなかった、挨拶さえなく一瞬でなにもかもを凍らせて、そのまま世界は沈黙してしまった。
 呆気ない。悲しむ時間も逃げ惑う余裕もなかった。その前に誰もが諦め果てていた。
 カミサマに祈る人もいたけれど、それは叶わなかったらしい。でも、ハンパな希望を置いていってくれないのはカミサマの慈悲とか慈愛とか、そうゆうことなのかもしれないとも私は思う。

「お腹減ったよね……」
 草木も朽ちて空は赤みを増してゆく。目を細めて遥か先を睨んでもひと気もなくて灯りも見えない。

「仕方ないよねぇ……」
 そう、仕方ない。どうしようもない。気づけば終わってしまっていたんだ。
 いくら声をかけても彼は何も言ってくれたりはしない。でも、そばにはいてくれるらしくて、私は彼を抱き寄せる。
 冷たくなる風のなか、私たちはただ抱き合っているだけだった。目を閉じると……目を閉じると、いままで見てきた風景たちが騒々しいほどの光を放ってまぶたによぎる。

 流れてゆく滴。止まらなかった。慰撫するように彼は私の顔を舐めてくれる。
 涙とよだれでびしょびしょになった私は彼と声をあげて笑った。

 眠りにつく前の少しの時間、私たちはきっとこの凍りついた世界で誰よりも幸せだったと思っている。

〝JACKPOT DAYS〟-image






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2014-09-18 18:30 | カテゴリ:ショートショート・フィクション



「水の彼方に」


 水は流れ、そして吹く、私はその軌跡を見ている。
 天が雨を降らせる。雨雲は風によって運ばれてくる。風は遥か古代からやって来て、遠く見果てぬ未来へと続く。
 風は途切れることがない、高みから地を撫でて、曲線を描いて中空へ、歩む人の頬を撫で、そしてまた空高く舞い上がる。
 万物の声を聞き、この世界のすべてを記憶しながら未来へと運んでゆく。

 吹きはじめた瞬間からそんなふうに走り続けてきた、これからもずっとそう。
 私は目を閉じ耳を済ませて、風たちが通った軌跡を感じる、繊細に編み上げられた繊維のように、人類の誕生以前から大地に根をしがみ、太陽の近くまで葉という手を伸ばす大樹のような、その経路。迷路のような、経路。

 私は単なる傍観者として、同時に当事者として波打ち続ける水の呼吸に耳を澄ませ、そしてその声を聴く。
 やがて水は波打つ波紋に訪れてさえいない未来を映し出してくれる。
 どのような光景が広がるのか、人々は私にそれを訊ねる。
 誰が見えるはずのことだ、だが、人々は水や風に何かを問いたりはしない。

 答は誰かに依って与えられなければならないものだと、或いは自分に都合良くなければ聞けないものらしい。
 それが愚かだとは思わない、ただ、人という生命は万能ではなく、偉大でもない。尊大に過ぎるだけだ。

 私は水面に映るすべてを可も不可もない、あくまで中立者としての視点にて変化と不変を可視化することを選択した人ではない生き物だ、ここにいるがどこにも存在しない、粒子として漂うように万象を見ている。

 やがてもたらされるのは終わりだ、すべての命には限界がある、目で見、測り知れる水深は深みではない。
 消えてゆくことは前提なのだ、やがての先にあることや存在の対極にあるものではない。同一線上にある。
 水が深く濃くなる、そこに映る顔はすでに私ではなく、かつて私だった者の痕跡だ、謂わば脱け殻のようなものだ。誰にも見えはしない。

「雨が降る。送られた火を鎮めるのは水の役割なの」
「ここからいなくなるってこと?」
「私は雨そのものに溶けて、どこかへ流れてまた天にゆく」
「僕は……?」
「君はまだ人だから。地に流れて、歩き続けて」

 君が私に問いかける。
 振り返るとそこには体の表面が青く波打つ細いシルエットがいる。液体として万象を傍観するだけになった、君がいる。
 やがてこの彼方へとくる、生命はすべて水へと還る。
 私は指先を水へと差し込む。そのまま世界とひとつになる。





【了】  







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2014-09-17 12:00 | カテゴリ:文芸パンク

「時よ」


ときに僕らは振り返る、
過去になった足跡が、懐かしくも愛おしく、
氷のなか眠らせたはず、優しさなんて忘れたつもりを振る舞った、
赦し合える、そんな気がした、

片隅にてほころぶ笑顔、傘もささずに濡れている犬、
誰もが享受できるはず、静かで満たされなくとも足らずを数えることもない、
指折り数えた希望は眠る間に見る奇跡のよう、
私たちは微かな灯を明日へと手繰る、

ときに私は目を細め、
赦し合える日々がくること、
飢えに飢えては脇腹に、骨を浮かせて歩む馬、
幌には何も積まれていない、

天を仰ぐ砂漠の駱駝、瘤は流れて首だけ伸びた、
眠るように夢を見る、疲れさえも心地よい、
夜を明かした焚き火の赤は、昨日のようで遥か遠くか、

人はいつも振り返る、
都合の良い過去をつくって、すべてを赦す聖人だとさえ思い違う、
気分次第で夜も朝も赦しを乞える刻になる、

ときよ流れよ、
刺し違おうにも相手はいない、
手にしたナイフは生温いまま溶ける氷か、
ときよ流れよ、
軽々しく望みを躱す、あの日のあざとき者でさえ、
やがては時が赦すんだろう、
其処にはそもそも何もなかったかのように、
腹のなかには煮えたぎる、毒の炎が続ける騒ぎ、

ときに僕は振り返る、
あの日の僕があの日の僕を、赦すことはしないと幾度、
旗を振らされ言葉を吐いた、
空虚の日々を赦すことなどできるだろうか、








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2014-09-16 18:30 | カテゴリ:文芸パンク
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「街の鐘」


夜を濡らした青白い、雨は朝にも生きていた、
か細い指が恐る恐る鍵盤たたく、拙いピアノの音色にも似た、
太陽不在の坂道を、
冬をなぞる口笛鳴らして駆け降りゆく胸は冷たく透き通る、

森は眠るふりをして、風を使ってヒトが近寄らないように、
凍る煙は背を追って、
優しい歌なら遠ざけた、続くだろう孤立を知っていてなお、
横目に流れる星々を、数えるほどに幼くなかった、

鞄に積めているのは前世紀に綴られた、皆殺しを数えた史実を伝えた紙が数十束、
再びそれが繰り返されると、噂話は路地の地表を駆け降りる、
吐き出された水深15の真冬の呼吸は既に絶えて止まってしまった、

バス停裏のジャムの樹に、寄りかかって手紙を読んだ古い古い暖かい、
其れは君が水晶を、胸に秘めていたころだった、
壊れてしまったいまはもう、破片が皮膚を突き抜けてゆく、
恋をする約束が、途切れてしまった雨の日ピアノ、
背を追うのは連れてゆかれた山羊の悲鳴、

太陽死んだ坂道くだる、たった独りは沈痛なる鐘を鳴らしに転がりゆくだけ、
星が泣いてた、知らないふりを続けてた、
擦り傷負った肘と膝からこぼれる鉄の匂いが背後へ背後へ運ばれる、
其の痛みを知る者たちが、舌なめずりして奈落へと、
太陽殺す坂道つくる、呼吸のない星々までもを道連れにする、

手紙を書いた、それが誰に届くか知らない、
街の中央、虹まで浮かぶ噴水を、
凍らされた鐘を鳴らそう、星たち泣く夜に梟たちと話した少年、
蛇が睨めつく視線の森を、白い鐘へと下ってゆくゆく太陽不在の坂道を、









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2014-09-15 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・憧


「草原の舟」


月の光が輪郭なぞる、楕円をいくつか重ねた丘陵、
柔らかそうで撫でたくなった、雨季を越えた幼い背丈の緑たち、
儚くなんてちっともなかった、

眠りに帰る鳥たちまるで、
微かに灯るお星様へとせめての願いを届けるように遊泳続けているみたい、
目を閉じ耳を虚空に澄ます、呼び合う声は眠らぬ親子のハーモニカ、

旅の途中の言葉少ない孤独は口笛吹いていた、
静謐すぎる背中は溶けて消えゆきそうで、
揺れて惑う、置き去られた毛糸の人形、
星が散らばるガラスの青い目、花飾りの木綿のドレス、

眠りに帰る鳥たちまるで、
通りすがりを連れゆきそうで、そこにぽつんと置いてゆかれた、
ハーモニカから花の匂い、銀の匙に似た体温、
人形劇の人形たちは月の真下で誰も知らない話をしてる、

幼い夢想をいまだ続ける草原は、
藁の靴をほどいて編んだ、小舟を揺らしてくれていた、
鳥が運んだ花一輪と月あかりが乗る波飛沫、
それは昨日も夢に見た、永久の眠りにつく前の、
まぶたの裏に描いた景色、







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2014-09-14 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・旅


「砂上」


夜の雨は悲痛に響く、地表すべてを濡らして誘う眠りの底に、
慈しみ、嘆きを溶かし合う、
泥の海へ誘い込む、

朝に歌う鳥たちが、砂煙に揺らめいていた、
まだまだどこか飛んでくだろう、
疲れながらも空にしか居場所はない、

朝の雨が昨日を流す、過去は過去としながらで、
前に向かう力にもなり、風に吹かれた真横の雫、
そしてまた汚れゆく、

犬は吠えた、太陽に向かって吠えた、光と影が対にないこと、
どちらも線の上にあると気づいた、

充分生きた、そんな気がして嘯きながら呟いた、
いっそのこと消えてしまえば、深海似て想う、
その底潜って光の漂い、見てみたいような気が、

明日また生きる、命が続いているって分かる、
誰も彼もが悲しみながら生きてるらしい、
明ける日を、照らす陽を、
雨のなかさえ、泥にまみれる、

悲しみながら生きてゆくしかないんだろう、
渇きになれた振りをして、やり過ごすしかないんだろう、
遠く揺らめく陽炎が、ゆくべき視界を惑わせる、







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2014-09-13 12:00 | カテゴリ:ショートショート・フィクション


「なつのこい」


 小さなころに飼っていたイヌの名をつけたのは元気だったころの母だった、私が高校生として最初の夏休みを終えたばかりの九月の半ばに母は倒れ、何度かの入退院を繰り返したのちに帰らぬ人となった。

 下降する直前のジェットコースターで目覚めてしまったように慌ただしくて、私と家族はあらゆる運命が急加速、急展開する時間に閉じ込められたような気分だった。

 そのころの記憶はどこかあやふやになってしまっている。前後と左右の感覚を失くした鳥が落下してゆくのをテレビで観たことがあるんだけれど、それに似ているような気がする。

 巻き込まれてしまうと落ち着くところにまで落ちてしまうか、それがどんなかたちであっても着地してしまうまでは揺れることも戸惑うこともできないのだ。嵐は去ってしまうまで静かになってはくれないものだと父は言って、私はその言葉をイヌに話してみたことがある。

 そのイヌも母を追うように冬を待たずに死んだ。はっきりとした原因はわからなかった、とにかく、彼もまた私のそばから離れたのだ。

 狭くなりつつあったゲージに右前脚をかけて冷たくなっていた。突然、真冬になってしまったような吐く息の白い朝のことをよく覚えている。寒さで目覚め、クローゼットから引っ張り出したパーカは袖口の切れた糸がもつれて丸くなっていた。


 初めての恋は初めての失恋を連れて18歳の夏に訪れた。
 一ヶ月にも満たない、シャボン玉のような時間だった。
 ふわりと浮き上がって、ゆらゆらと漂い、くるべき時間がきて弾けて割れた。それだけだった。

 一定期間だけ不相応に思えるほど求められ、必要を説かれ、注げるだけ注げられて器から溢れると新たに注がれた。
 私はまるでお姫様のような気分だった。
 期限こそついていたし、それは事前に伝えられてはいなかったけれど。

 思い出したことがある。
 イヌが死んだとき、私はからからに乾くまで泣いて、何日か学校を休むまでした。なにもかもを失くした気分だったけれど、私はそのイヌを特別に大切にしていたと思えない。
 抱きかかえることができた子犬のころの半年ほどは溺愛したけれど、一年を越えるころには彼は大きくなりすぎ、抱きあげるには重すぎた。
 散歩は早目に切り上げたかったし、食事の世話だって面倒だった、なにかをせがんで声をあげる彼にうるさいと怒ったこともある。


 九月の半ば、リゾートホテルのアルバイトが終わる私は「帰る」と彼に告げた。
「東京でまた会える?」とか「今度はどこで会う?」とも訊いたはずだけれど忘れてしまった。
 ともかく、私は大学のある街へ帰らなくてはならない時期だった。
 スロープから夕陽に溶ける海を見ていた、眩しくて直視できなかったから隣の白い横顔をじっと見つめていた。

「ここを離れるんだ?」
「うん。だって学校があるし、ここのアルバイトは夏の間だけだから」
「そうだね」
「短いね、一ヶ月って」
「うん。始まるときはずっと続くように思うんだけど……」
「だね」

 流れる風が乾いていた。セミたちの声はほとんど聞こえず、手すりの銀色で羽根を休めているのは赤いトンボだった。
 それから私たちは話さなかった。話すことがあるはずなのに、どうしてか言葉にはならなかった。きっと、したくなかったんだと思う。

 時間がすべてを変えるとは思わないけれど、でも、ほとんどすべてを変えてしまうと私たちは知っている。
 なにかの偶然が私たちを交差させることも知っている。抗いようがないことだらけであることなら、私はきっと誰よりよく知っている。

 思い出だとか、経験だとか、そんなふうに美化ばかりはできない。過ぎたからこそ美しく思えるけれど、美しく思い出せることはとても忘れてしまいやすいことでもある。

 時は過ぎる。
 それがなにかを壊してしまったとしても、時は壊れたりはしない。

「元気で」
 最後の言葉はその一言だった。私もそう言った。最後になるかどうかなんてわからないから、別れ際はいつもそう言う。
 なにがあっても、なにもなくても、元気でいてくれたら、それだけでたぶんきっとあなたは大丈夫。

 そう、それは母の最期の言葉だ。






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2014-09-12 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・憧
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「ガールフレンド」


たどり着いた最果ては、雨が鳴る月の裏側みたいな砂漠、
連なる氷柱、氷河の世界、呼吸をやめた動物たちが、
眠りを欲しがり溶け落ちるよう影に飲まれて、

見えないものを描いている、恋人とふたりきり、
僕はそこでなにを想うか横顔の、彼女のキャンバス横目にしてた、
過ぎた景色を手の平のなか転がすように、鮮やかなる朝が塗られて、

抱き合う夜はまた深く、その濃さ増して青みが濁り、
ふたりは落ちてゆく気分、最期に吸い込む空気は冷えた、
溶けた雪が混ざる空、

むきになってはふざけて笑う、無邪気さばかりで僕らは手繰る、
やがて陽が死に絶えようと、この終わる世界に手を取り合う、
あらゆる虚無がふたりを包み、消えゆくだけを見つめてながら、
微笑みながら重なり合って、





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2014-09-11 12:00 | カテゴリ:文芸パンク

「斜陽と麻痺毒」


斜陽の国の僕らはまるで、
飲み干した毒、その効果を待つだけの、
麻痺した痛みを知りもしない、
ケージのなかで鳴き声あげる、個体としての番号を持つ、
いつかの時代に憐れみにて語られる、
被験者にしか過ぎないような、
そんなことに気づいた夜は、午前か午後の38時、

人形劇には深海魚だけ、醜い姿にしかめた眉が、
耳を尖らせ聞いている、
熱帯夜のラジオの細い、細くて高い声は言う、
知ってる限りの銀幕スターを100人くらい挙げてみてって、
問いには誰も答えなくって、いつの間にかニュースがどこかの紛争を、
殺し合いを数で知らせた、

ベッドのなかに預けていたのは子守歌、
この声、誰の歌声だっけ?
目を閉じる、すると微かに泣き声が、
どうしてだろう、サイレンまで収録してた、

斜陽の国に生きる僕らはまるで、
救いを待つ火事場の子供、
熱と音に怯えてる、やがては感覚さえ閉じる、
眠れないなら眠らない、
どうしていても陽は落ちる、
諦めさえも差し込む光を探す詭弁、
感情なんて要らないやって、
モルモットとして眠る夜、







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2014-09-10 21:59 | カテゴリ:未分類
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2014-09-10 12:00 | カテゴリ:instagram × 文芸パンク


「遠雷」


悪ふざけが許された、若葉の季節は昨日に過ぎて、
いつか笑って話すだろうか、或いは記憶に閉ざすだろうか、
子供のまま生きることは叶わない、
どれほど強く望んだところで生きる以上は背負うものを増やしゆく、

それをどうにか振りほどこうと、置いてゆこうとするもまた、
張り付く影の陰影が、私に不可を知らせているよう、
やはりは叶わぬことを知る、其れを知るのも人で或るが故のこと、

晩夏は赤く澄み渡る、夕陽を首に浴びせ続ける、
季節を惜しみに集まった、赤銅色の者々が、
来季を願うか祈るか知らぬ、然しはほどけた藁を編んだ草舟、
波間に揺れて惑いながらも浅瀬からは抜けてゆこうと、
やがては沈むと知っていてなおその光景、
直視に眩しく過ぎるにしても、見ずにはいられなかった僕は、
遥か彼方に青い季節を追いやった、
振り返ろうにも既に足跡なんぞは消えた、

喪うことは慣れようにも慣れられぬ、
血はいまだに流れているのだ、汚れてしまったとしても、
砂をさらう乾きが始まる新たな風は、
悪ふざけを笑っていられた夜に生きた季節のことをよぎらせる、






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2014-09-09 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・焦熱


「原罪の果実」


もつれたままの紐をほどいて、冷たい雨に撃たれていたい、
巡り廻る一周生きた、だけど熱を持つ毒が、
加速しながら僕を取りこむ、

引き裂かれた感傷は、泳ぎを忘れた魚に似てる、
狂騒の季節をこえて、凪いだ海にたまる光が滲んで褪せた、

激しい雨にただ身を撃たれ、擦り切れてしまうまで着たシャツまるごとを、
ひと思いに消せばいい、いっそ破り捨てりゃいい、

救われないし救えやしない、ただ流れるままに鬱屈を宿らせる、
掬い上げたヒカリは割れたガラスの破片でしかなく、
激しい雨にただ撃ち抜かれ、擦り切れ続けた身をそのままに、
いっそ泥水にまで溶かしてくれれば、

生まれ変わるを拒む果実で、変わらぬ生を吐き出す毒で、
生まれきたこと悔やむ果実で、それも選べなかった腐るだけの果実に過ぎず、

砂でできた果実は雨に、撃たれて身を消してゆく、
儚く脆い果実に生まれ、束の間、夢を見ただけの、
甘くもかよわい身となって、振り返ろうにも墜ちてゆく、
誰もがそうなら君もそう、君がそうなら僕もそう、
腐ってゆく瞬間の、砂の果実に生まれたらしい、

ずっと前からそうだった、
生きしものはやがてそう、生き場のない晩夏の果実、
命はやはり、言葉を尽くせど、
果て落つを待つ砂の果実で、




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2014-09-08 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・憧


「パレードの追憶」


淋しがり屋は小さな部屋を、拾いもので埋め尽くしてる、
例えばひとつ、ありとあらゆる笑顔を載せた、
新聞紙の切り抜きだった、そこにだけは信じられる、
無垢がいると思えたんだ、

壁には一面、古い古いサーカスの、
ピンナップを貼り巡らせて、目を閉じ耳に手をあてて、
喧騒、嬌声、聞き覚えの声を合わせて、

サーカスを待つ高揚を、胸の奥に浮かばせる、
いまいる場所には届いてこない、大好きだったフラメンコ、
ファンファーレとパレードと、わざとらしくおどける道化、
モノクロームのスライド・ショー、

淋しがり屋はひとりきり、狭い部屋を持て余す、
古い古い誰も知らない、クリスマスの映画のビデオ、
雪のなかの飾りつけ、空をゆくトナカイの、
吐く息、蹄のリズムを想う、

翌日の明け方の、靴下を覗き込む、
無垢なる魂、その願い、
サーカステントのなかに見た、
廻るメリーゴーランド、
ヒトはいつでもずっと子供を胸にする、





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2014-09-06 12:00 | カテゴリ:ショートショート・フィクション
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「雨傘の海辺」


雨は降りはじめていたけれど、私たちは傘を持っていなかった。旅先で降られるなんて考えもしなかったし、そもそも天気予報なんて見てもいなかった。
夏という季節は騒々しいくらいに灼熱が降るばかりで、見上げれば目の奥に突き刺さるほどの青と直視できない黄金しかないように勘違いしていたのだ。

まだ八月だというのに、その海は風が強くて肌寒く、ひと気もなかった。
私たち季節外れの旅人たちの浮かれた佇まいをよそにその地に生きる人々は静かに穏やかに、足音の聞こえはじめた新たなる季節に向けて備えつつあったのだ。

半袖から伸びる白い手の私たちと日焼けて節ばった骨っぽい腕を長袖に包んだ海に生きる人々。
私たちが抱くどこか身勝手な感傷は、生まれた土地の苛烈さを知りながらそこに生きる背中を前に沈黙する以外になかった。

盆を前後に海辺は景色を変えると聞いた。恵みを祈り、ここに生きた人々の鎮魂を願う紙の舟を送り火として海を慰め、それを境に風の季節を迎える。
波打際には押し返されてしまった一隻が揺れていた。

絹のように滑らかで柔らかい砂のうえを言葉もなく歩き続けた、沈黙に耐えかねたのか、やがてひとりが口を開いた。吹く風と波が言葉尻をさらってゆく。振り返ると足跡だけが数分、数秒前の私たちが確かにいたことを教えてくれた。

いまになれば語り合ったことそのものが幼く稚拙に過ぎるものだったとは思う。
思い返すと耳を塞いでしまいたくなることばかりだけれど、そのときの私たちはまだ幼く稚拙でしかなかったのだからしかたがない。
はしゃぐために訪れて、雨くらいで意気消沈してしまう。
心の行き先を、落ち着かせる場所を、やり過ごす賢さを手にしてはいなかった。
まだ子供だった。一言でいうならそれに尽きる。

巣食う不安のほとんどは杞憂に過ぎ、想像さえしていないイレギュラーに振り回されるのが旅そのもので、それに命を重ねて語るのは容易いことだ、だけど真理の一端でもある。


雨傘を持たずに歩く誰かを見ると、そのころの私がまだ胸に生きていることを思い出す。
高く弾けそうなシャボンのような声、左右にまばらなたどたどしくさえある足跡や、不安を語るときの俯いた視線。それから、紙の舟のなかの願いを。

読み終えた本を閉じるように、私は記憶をたどるのを終える。足跡と足音だけが終わらず続いていた。





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2014-09-05 12:00 | カテゴリ:文芸パンク


「クオリアの窓」


地上が終わり海が始まる岬は終点、陽が溶けて落ちるを待った、
月夜に揺れる名無しの花が何色に、咲いているのか知りたいなんて、
どうでもいいとほざいて嗤った、
枯れかけ一輪ねじり潰したのはたぶん、甘さではなくせめての慈悲だったんだろう、

漂泊続けた蛇は誰もに忘れ去られて、眠る場所さえ持ってなかった、
腰振る夜中の、白い熱を焦がし合う、
漁師小屋の不良ふたりを飲み込んで、鍵をくすねて灯台を、
回転灯が動かないよう火を点けて、蛇は岬を手に入れた、
そしてすべてを忘れてしまったのは彼が、何ひとつも欲していないだけのこと、

地上が終わり海が始まる岬が空を、眺めていると話す老婦は背中にナイフが刺さってた、
幾ばくなくとも失くした意思を、開く傷から流し続ける、
その様子を遠くから、終わらせようとライフルを、
構える若い兵隊は、蛇に喰われた漁師の息子、

前世や来世などという、虚言をのたまう阿呆が小銭を集めているころ、
水晶紛いのガラスの玉に生まれてしまった蛇は球体、
青い季節を欲しがって、枝に分かれた舌を震わせ、
卵に見立てた惑うばかりの星に咲く、花の下の果実飲み込む朝のことをいま想う、





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2014-09-04 12:00 | カテゴリ:文芸パンク



「月の旅人」


生まれた土地を離れる季節、
もうすぐここは雨に流され、
僕らはそれを避けるよう、
新たな場所へと地図を広げる、

童話で見かけた盗賊たちが持っていた、
蛮刀みたいな月が白く光るころ、
月の涙が世界をおおい、
満月には洗い流され、
月に生まれた僕らはここを、
遠く離れて生きる場所、
それを探して放浪、流浪の日々になる、

水色の羽根を持つ鳥が、
終わらない雨期を告げ、
彼らもまた別の緑が咲く地を求め、
湿り気ある風を抱き、
夜には月が浮かぶ湾をゆく、

月の民と生まれた僕は、
季節ごとに住家を替えて、
雨の降らない寒地へと、移動しながら陸を渡って、
月の涙を振り向きながら、遥か先を見続ける、

恋人はもういない、どこか知らない国へ渡った、
月の地に生き続けるのを嫌ってたんだ、
私はヒトで鳥ではないの、どこかで静かに暮らしていたい、

誰もが一度は思うこと、
小さな僕がそうだった、
いまの僕はこの生き方に慣れすぎて、
歳をとるのも忘れてる、
せめて彼女が元気にいますよう、

夏の世界を探して次へ、
ピックアップを連ねて走る、
その地でまた誰かに出会う、
恋さえまたするのかも、
それも束の間、僕は永久の放浪者、
ただひたすらに泳ぎ続ける魚と同じ、

明日見る土地は新たな世界だ、
夢に見るは見知らぬ誰かで、
それを何度も繰り返す、
それを何度も繰り返す、

寂しさまぎれに見知らぬ誰かを抱く夜が、
その季だけの恋人を、旅立つたびに忘れてゆくよう、
孤独に慣れゆく自分の輪郭、いつもどこかにうつろわせ、




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2014-09-03 12:00 | カテゴリ:instagram

【画像】海の景々






















 今年の初夏(五月)〜晩夏(八月末)までに撮った海の写真です。自宅近辺から旅先まで。

 他にもあるんですが、instagramに投稿しているぶんはこのくらい。サイズは640×640ピクセルです。デジタル一眼が欲しいと思いながら、「そこまで必要かな……?」と疑問もあり(お値段もお値段ですし)、iPhoneでお茶を濁しています。

 引っ越ししたいし、そろそろ愛車も買い替えを考えないとならないし……まあ、それはいいとして。

 絵を描いてもいるので「絵が好き」と思われがちですが、本人としてはとくに関心ありません。人物画像を必要に感じるとき、モデルさんを雇うわけにもいかないので、絵を描いてみただけなんです。……理由が適当すぎますが……。
 写真は好きで、いまはクラーク・リトル氏「波の写真集」が欲しいです。
 では、また。


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2014-09-02 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・焦熱


「青き跳躍」


明ける前を駆けぬけた、遠くに見たのは唯青い、
其処にいつも或る空は、
背伸びをしても届かなかった、少年期を過ぎた今でも、
手を伸ばせば指先触れる、未だ知らぬ風の匂い、
望み続けた、足枷外した獣のように解放されて、
嗤う神に試む跳躍、

太陽をも月をも睨む、
祈るだけの両手を開き、朝焼けをゆく鳥のよう、
影を持たぬ青を斬る、運命など何処にもない、
逆さ見る瞬の空、
天使だとか悪魔とか、偶像たちに舌を出す、

惑星から見るその跳躍、小さく愚かに見えるだろう、
あるいは閃光でさえないだろう、どのように見えるにしても、
鳥に似せたその姿、儚く境界線を超えてゆく、
鳥たちの、地図を突き抜け破る蒼さはずっと、

深海ゆくサメの化石のペンダント、眩いばかりじゃない果てを、
浮つく笑顔で風になる、もう影にさえならない、
黄昏れては仰ぎ見る、いつかは虹がかかってた、

太陽をも月をも睨む、
鉄線を背面にした、朝焼けをゆく鳥のよう、
ツバメを乗せた風になる、
運命など何処にもない、逆さに見る瞬の空、
虚像に立てたその爪は、つかむものなく途方に暮れる、





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2014-09-01 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・焦熱


「くそったれの月」


尊大なる月を見た、外灯下に集う羽虫に寄り添われ、
聖人君子が清々しい間抜けを吹いた、渇きに渇いてたどり着いた真夜中を、
潤うことなく砂漠を胸にする者たちよ、
いっそのことは漆黒の、闇こそ美しくもある、
息の根、喉から締め上げられよ、紛いの美談を翳す阿呆よ、

永遠なんぞは永久なる眠りのなかにしかないと、
どうにも気づいてしまった日の昼は、
指折り数え何も持たない、単なる13歳は渇きに渇いた息を吐く、
思いを馳せる、最果てたる砂漠の月夜、
手のひら、羽虫が見せる腹、
息絶え、直毛たる其の脚は、
微風に動きさえもしなかった、

凡庸すぎる私には、月の灯りの違いなど、
大差はないと思うのだ、願いを翳す、
それはどうにも愚かに候、
傲岸不遜な人人よ、お前なんぞは見てもいない、
尊大なる真円の、黄金たる月の灯りよ、
手も届かぬがお前欲しがる邪な、
畜生共が這う地のことなど視界の端にも捉えてくれるな黄金よ、

思い切りの嘲りで、お前が地上を見下ろしているくらい、
それくらいなら凡庸過ぎる私にも、分からなくはないんだと、
射抜く視線で見る真円、
嗚呼、どうにも気分が悪いのは、
夜にさえも漆黒が、用意されぬと気づいたからだ、




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