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2014-08-31 18:00 | カテゴリ:文芸パンク・憧

「ここにいたこと」


明けたばかりと思った今日も、すでに陽は落ちてゆく、
過ぎ去る日々を慈しむには、僕にはまだ早いらしくて、
明けるころの月の匂い、また再び闇にゆく、

ショーケースに見た自転車は、テント前でピエロが乗ってた、
前輪のやたら大きなおどけたやつで、
もう彼は素顔だろうか、赤い鼻を思い出す、

またどこかで子供達にキャンディーを、
小躍りしながら配ってるかな、
放した風船、空の青みに溶け込んで、
南の向こうへ流されてった、

夏の空に散る風船、
色はとりどり、原色ばかり、
いくつか樹に引っかかる、いずれ川へ流される、
見えなくなるまで見ていたい、感傷なんだと分かっていても、

バイバイ、サーカス、夏の日の束の間の、
弾け飛ぶソーダにも似た甘い夢、
うつつをぬかした、もう逢うもないだろう、
メイク落としたピエロが手を振る、
僕はそれが誰なのか、
大人になるまで分からなかった、
後輪巻き上ぐ砂煙、埃の匂いは憶えてる、

いまでもずっと憶えてる、
あの日咲いてた花の名を、僕はいまだ知らないままで、
視点がずっと高くなっても、近くで見たその色を、
いまでもずっと憶えてる、




STAR ENTRYS

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天 草原 蟻
ゾンビ 祈り 砂時計


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2014-08-31 12:00 | カテゴリ:ショートショート・フィクション


「森にすむ蛇と老婦と」


 我が子と信じてヘビを育ててた老婆がいた、森の奥で身を潜めて暮らしてる。誰も近寄ることのない、孤独と暗黒が色濃く漂う辺境だった。
針葉樹が辺りをおおう炭火小屋にて、古びたセピアの写真には、誰だか忘れた見知らぬ青年が笑っている、変わらないままの笑顔が埃まみれで笑っていた。

 我が子と信じてヘビを育てるターニャには、温いミルクを飲めない子供が憐れでならず、二つに分かれた舌を這わせる我が子の姿は不思議で不気味で時々叫んだ、樹々が葉を散らせるほどの絶叫、かすれたノコギリ軋む声、鳥たちが森を去る。

 我が子と信じてヘビを育てる彼女には、いくつになっても立たず話さず地を這う子供が恨めしく、嘆き悲しみ、毒入りミルクを与えようと、眠る前の「我が子」を見ては涙を流した。

 育ったヘビはそれが毒入りだと分かったうえで舌を出した、そして枯れ枝のようやな老いた「母」である老婆に巻きつく。

「終わりがきたよ」

 そう呟いて、彼女を丸ごと飲み込んだ。

 森は焼かれた、老婆とヘビは誰にも知られないまま、灰になってそして終わった。その悲劇はいつまでも経つも寓話となって、かつての森には生きたヘビが寄りつかない。
 永遠の終わりがかの地を包む。




STAR ENTRYS

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2014-08-30 12:00 | カテゴリ:ショートショート・フィクション




「ひみつ」


 軽い頭痛でほとんど無理矢理に起こされた、起こされたと言ってもベッドのなかではなくてテーブルのうえに広げた書類の束に頭を突っ込んでいて、「重要!」と赤字で書いた付箋をくっつけた報告書の隅にこぼしたらしいコーヒーは乾いてしまっていた。

 窓の向こうは太陽が朝を持ち上げようと躍起になっているみたいで、カーテン越しの白い直線のなかに小さな埃がゆらゆら漂っているのが見えた。
 セミの声は聞こえない。ほんの少し前までは騒々しく思ったのに、聞こえないとなると今年もまた夏が終わってゆくことを寂しく思う。
 浅はかすぎる感傷だけれど。

 夏休みはきっと始まる直前くらいがいちばん楽しい。キャンプの予定や花火大会、誘い合う約束をしたプールの予定。気づけばそれは思い出になる。それから思い出は遠く置き去られて思い出すことも少なくなる。

 思い出すのは今日みたいな朝だけ。疲れて少し調子も悪くて、なのに、やらなきゃいけないことを溜めてしまった気分の悪い日。

 つけたままのパソコンは開いた憶えのないページがどこかの海に繋がっていた、リアルタイムの映像なのか、定点カメラはひたすら波だけを映し続けていて、そのフレームのなかに水着のふたりが見えた、ふたりは遠くへと走ってゆく。ひと気の減った海水浴場はまだ残る夏の熱と冷たくなり始めた秋の風が波のように交互に寄せて返していた。

 いつから海に行ってないんだっけ……。

「忘れちゃった?」
 モニターから聞こえたような気がした、でも、そこには誰もいない。姉妹なのか友達なのか、遊び疲れた揃いのワンピースの女の子たちは砂のうえで私に背を向けている。秘密を打ち明け合っているみたいにぴたりと寄り添い、耳たぶを手で覆いながら何かを話している。

「来年の約束のことも憶えてない?」
 あのころ、私は、私たちはたくさんの約束をした。明日も明後日も、来年も再来年も、未来はずっといまのまま続くものだと思っていた。

 とても叶えられないようなことからすぐにでも果たせるようなことまで、なんだってひとつひとつを約束した。特別なことばかりだった、私たちは私たちにしか分かち合うことのできない秘密の約束をたくさん持っていた。
 思い出そうとすることもなかった、指折り数えた手のなかにそれはいつも確かにあった。

「約束をしよう」
「うん、秘密の」
「それはきっと……」
「私たちだけの」

 幼いふたりはそこに映ってはいない。ほんの少しだけ早く次の季節へと走ったんだろう。追うことなんてできないとわかっていながら、私はその背中を画面のどこかに探し続けた。

 秘密でよかったんだ。

 私たちはいつも好都合に勘違いして、好都合に奇跡を思って、好都合に夢を見る。そんな自分とは無関係だった子供のころを美化ばかりする。

「バイバイ」

 そう言って電源をオフにする。波音も風も消え、どこかへ繋がっていたパソコンがただの四角い箱に戻る。少し残る頭痛が私を現実へと引き戻す。
 もう、「またね」とは言わなかった。

 ふと握りしめた砂の感触を思い出した、指の隙間から零れて流れた、一粒一粒に砂金がキラキラしていたことはずっと秘密のままでいいんだとなぜか思った。








BYE BYE,SUMMER!

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2014-08-29 12:00 | カテゴリ:ショートショート・フィクション


「水花火」


「いる?」
通りすがりの雨が残した小さな湖には空が映り込んでいる、わずかに吹いた微風がその湖を波打たせていた。
「ねえ、いる?」
座りこんで鏡面になった水のなかを覗き込むと私が映っていた。波紋に揺れる私は不安そうな表情をしていた。それはまるで母を探す迷い子のようにさえ思えた。

水はただそこにあるだけで、この世界のありとあらゆるを内包する海になる。その透きとおりと深み、生命の根源である液体は濁され、澱んでしまっても、いずれ、初めて目を開けた子供の水晶体のように鏡面へと還元される。

「いるんでしょう?」
唇が震えていた、絞り出した声はどこにも届かないような気がした。泡のように一瞬だけ宙を舞い、そしてそのまま消えてゆく。

「いるよ。ここにいる」
声が聞こえる。懐かしい声、はしゃぐわけでも再会の喜びを感じさせるわけでもない。
「ずっといたんだ。ここにだっているし、南へゆけば海にもいる、それに……」
彼女は私とは違う。波間にはにかんだ笑顔を浮かべているのが見えた。揺れるその姿はか細く儚げな少女のままに見える。でも、彼女はすでに数百年間、この世界を見続けている。
「ほら」
水たまりと正対する天を指し示す。
「雨のなかにもあたしはある」
久しぶりの晴天だった。青のなかを真白が浮いている。彼はつい昨日までは雨雲のなかにもいた。すべての水に彼女は存在している。

「久しぶりね」
「うん……あまり元気そうじゃないね、君は」
「そんなこと、ないよ」
元気なふりに慣れてしまうと本当に元気なときのことがよく分からなくなる。老いというには早すぎるけれど、生きて年齢を重ねている以上、確実に老いてゆく。
履き慣れたスニーカーの爪先が水たまりに触れている。磨り減り、縫い目に染み込んだ汚れは落ちない。
思い出したように吹いた生暖かい風は水の表面を掬い、波立たせ、アスファルトについたままの私の指をなでる。

「なにを話せばいいか、それが分からないんだ」
雨傘を杖のようにした老夫が私と水のすぐそばを過ぎる。その背中から届く黄色い声と声は少しずつ近寄り、私と老夫を追い抜いてゆく。
向かう先の坂道はまだらに薄い次の季節の雲に繋がっていた。

「なにも話さなくていいの。あたしがそうであるように……」
「やがては皆、水になる、でしょ」
何度も何度もそう聞いた。そして、なにを訊いても帰ってくる答は同じだった。それはきっと結論でも結果でもなく、流れてゆくすべての結実なんだろうと思っている。そこにいない私には想像するしかない。
「考えても答はないから。答があるのなら、それは考えるほどの問いではないの」
「相変わらずだね」
変わらないということは流れ着いた対岸にいるから。彼女はもう流れることはない。どこかの水として静かに揺れるだけだ。

「そろそろ大人にならなきゃ」
私は呟く。何度、そう呟いたことだろう。何度、それを繰り返すんだろう。
「もう君には会えなくなるんだろうな……」
水たまりを見つけるたびに立ち止まり、そこに誰かを探した自分と別れる。過去を過去と手放そうとして、何度、私たちはつまづくのだろう。

思い出したようにふいに強い風が通りを抜けて行った、汗に濡れた髪が背中のほうへ流れた。
夏はもう短く、残り少ないけれど、髪を短く切ろうとなぜか思った。
それからクローゼットに置き去りにしたままの去年の夏の線香花火のことを思い出した。
もし湿ってなかったら……今夜、バケツに水を張って火を点けてみよう。
そのとき、私は少しだけ進んでいるはずだと声には出さず、そこには浮かばないだろう少女の照れた笑顔を思い浮かべた。




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2014-08-28 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・焦熱


「少年は森を焼く」


その樹々は切り倒されて、根は土から掘り返された、
指先ほどの小柄な緑は皮を剥ぐよう捲り上げられ捨てられる、
暴君たちが好んだ拷問みたいに、

それを積んだトラックは、森と焼き場を行き来する、
四足歩行は毒を飲まされ、ライフル構えた迷彩服が、
逃げに惑う鳥の走る数秒先を狙ってた、
水色の水が流れてたのに、滲むオイルが赤く粘つく、
溺れた魚の白濁した水晶体、

跡にはビルが建つらしい、
張り巡らせた有刺鉄線、カナリヤたちは泣き続ける、
見る人々は嬉しそう、
〝ここには働く場所がなかったの〟って、

君は僕はそのころまだ少年少女、
君は置き去られていた若い枝を持ち帰る、
陶器のボウルに生き残った命を繋ぐ、
窓から光、きれいな水と、
「いつかはまた森になるんだよ」って君は、

枝は根を張り、小さく芽吹き、
やがては脈打つ緑を一枚つけた、
ボウルは底から割れてしまって、
君はその樹を小さな庭に植えかえた、

君より早く樹は育ち、見上げれば木洩れ陽の季、
庭には小さな森が育った、
小鳥が迷い、蝶が舞い、
見世物小屋の鹿や羊が羨ましげに眺めてた、

君は僕は生まれた森を焼き払った、
鳥が住処を作ってしまう前に、
樹々が森になってしまう前に、
自分が大人になってしまうその前に、

森はやがて同じ途をたどるような気がした、
君が僕が飲み込まれた〝文明〟を、
二度と森に遭わせたくなんてなかっただけなんだ、




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2014-08-26 12:00 | カテゴリ:ショートショート・フィクション

「海を眺めている一脚」


 その一脚は南を向いて遥か彼方を眺め続けている。
 雨季は終わりを告げ、凪いでいた波は夏の太陽の激しさを映し出して弾けるように砕け、そして、はしゃぐ歓声たちが水を求めて集まる。

 彼は静かで揺れることもない。雨風にさらされ続け、磨り減った脚は僅かに軋むことがある、そう、その椅子は既に老境に達している。
 かつて彼の左右に並んでいた彼の友人たちは役目を終えてここにはいない。
夏が訪れるたびに彼は生まれたばかりであったころのことを思い出すことがある。

 彼らは静寂にして事象の傍観者として、引いては満つる、繰り返しの万象を、数百年間、眺め続けた。

 打ち寄せる波に恐る恐る手を差し出した幼子と彼を見守る穏やかな笑顔を。

 幼子が育ち少年期を迎え、遠くかすむ島まで泳ごうとした或る夏を、そして、逞しくなった少年が、かつて彼を見ていた背中と似たシルエットを描いた黄金の夕陽の時を。

 青年はひとりの娘を連れて歩いた、波音はふたりの声を運んできたが、椅子は聞き耳を立てはしなかった。そのとき、椅子には白髪を混じらせ、永遠の眠りを近くに迎えたある男女を抱いていた。
 痩せて皺の増えた左手と右手が重ね合わされている。背もたれには杖がかけられていた。

 ふたりは若き日の自分に似たふたりの男女を眩しげに眺めているだけだった、そしてまたそのふたりの間には頼りなげでか細い、かつての誰かに似た幼子が波と戯れている。

 椅子として生まれた彼は、その幼子が泳ぎ疲れて濡れた体を拭いもせずに体を預けにくる時を待っている。

 連綿たる繰り返しが続いてゆくことを声にはせず祈る。例え、私の脚が誰かを支えることをできず、あるいは風にさらわれ波の彼方へ連れ去られてしまうとしても、ここで見続けた軌跡のすべてが奇跡であることを椅子は知っている。

 海が騒ぐ季節はすぐそこだ。椅子は今日もすべてを眺めている。太陽や風や光とともに。


海沿いの椅子 (original)



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2014-08-25 12:00 | カテゴリ:文芸パンク

「秋月夜」


あまりに月が美しい、微か光がハープを鳴らす、
地上は等しく平らな影が、溢れる薄濁りの黒い液体、
彼方に臨む、あばたの表面、
赤みを増す黄、輪郭には濃い濃い碧、
溶け落ちるほどに美しい、言葉の放棄を決意するほど、

コオロギだった、泣いているのは草葉の茂みで影すらない、
彼か彼女か、その歌声、
涼やかにて求愛の、醜さなんぞは理解もしない、

一羽一羽を踵に捻る、擦れる舗装と木の踵、
一編たりとも声が聞こえなくなるように、
私はそれを何度も何度、
ついぞ膝の高さの枝木まで、

肺で呼吸を、震える指を前歯にしがむ、
名月なんぞ誰の優雅な迷言か、
四方から乾ききらない不甲斐ない、
微粒の風が濡れてゆく、
ふと気づく、虐殺者として月の時間を支配した、
その横からコオロギが、感傷すらなく泣いている、
それが恐らく世で在ると、冷酷なる笑みにて無言、
月は夜の空に君臨せし魔物であった、




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2014-08-23 10:00 | カテゴリ:文芸パンク・旅

「旅立つ者よ」


見果てぬ先に風が吹くとき、
西から東、尖って乾いたそれが鳴るとき、
海と空の境界駆ける鳥に似た声、
どこから吹いて、どこへ流れる?
いまだに誰も、吹かれていない旅の歌、

僕は君はその行く先を睨んでた、
荒れた地ばかりが拡がり続け、
道らしい道もなく、辿るべきの足跡さえも見当たらない、

僕は思う、君に問う、
君は思う、僕に問う、

風の声に耳を澄ませて、
天が涙するときは、両の手を高く掲げた、
稲妻が喚く夜にはその叫びを浴びてみようと、

朝焼けには目を細め、
天の幾億、星を数える、
陽に灼かれても砂上を歩く、
凍てつく氷原、そこでさえも立ち止まりもせず、

新しい世界では、新しい名前を呼び合った、
新しい街に迷い、新たな想いを語り合う、
出会い重ねる人々の、鼓動を胸に刻み続けて、

孤独に負けない心を持って、
探しているのは優しく激しい、その言葉は人の体温、

抱いた想い、そんな全てを自分の言葉で紡いでみたい、
愛だとか自由だとか優しさだとか、
あるいは希望や願いでも、
かたちにはならなくも、誰もが胸に宿らせる、
命の想い、希求と賛歌、
果てしない旅の途中、

目を閉じて、微かに感じる光に手をかざす、
旅人はいま、その名を移民に変えて、
立ち止まるをやめるだろう、
空を見上げた、そこには風に乗る鳥が、
この世でもっとも美しい、
その瞬間は、僕が君が知るだろう、
ひとつとひとつの孤独に過ぎぬ魂として、

孤独は孤独と重なり合う、
旅の途上の人々は、いつかの約束ぶら下げて、
青みを走る頭上の鳥が南へと、差し出された細い手は、
陽の真下に広がった、数多の羽根と重なった、




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2014-08-21 12:00 | カテゴリ:ショートショート・フィクション


「地上の星と深海の夢」


 人魚になる夢を見ていた、それは幼いころから見続けた夢、もちろん、現実にはならない。
 夢のなかの私はサカナになった下半身で、半裸にも関わらず恥ずかしさすら忘れて泳いでゆく、深海から水面へ、遥か遠くに感じながらも速度だけは増してゆく。

 深海に生きるものたちは、地上の景色を知ってるだろうか、貴方たちを置いて大地を踏んだ、最初のイキモノのことを想像したりするんだろうか。
別に知りたいとも思わない、そう言われたらそこまでだけど……深海にはない光が水の上に輝いていて、ヒトは普段、ろくに見てもないその光のなかで生きている。
 なにかがあったときだけ、祈ってみたり、あるいは見上げて溜息をついたり、変わらずにそんなことを続けている。

 そう、誰もがそんなふうで、やはり私もそんなふう。
 自分の都合で深海に潜り眠る日々を選んで、息苦しくなったら今度は光に照らされようという浅ましさ。
 そのわがままさこそが私、開き直りもいいところだけれど、「だってみんなそうでしょ」とも思ってる。
美しくも穢らわしくも、生きていたらいろいろあって、汚れてゆくのを知っても進みたいときがある、自分を浄めると分かっていても進めない道がある。

 あたたかくて浅ましくて、優しくて底意地も悪く、卑怯だけど賢くなりたいとも思う、誰もに優しくあろうとさえ思う、だけど、それをするほど私たちには時間がない。
 そう。
 私たちには時間がない、一生を考えても、限られた時間をどう使うか、きっとそれしかない。

 地上に瞬く星があるなら、我先にと手を伸ばすだろう。
深海で見た想い出には美しいものばかりなんかじゃない。
それでも私は目を醒ます、水と空気の間に目覚め、また汚れと共に生きてゆく。
 約束が。
 約束があるはずなんだ。誰と交わした約束だろう、大切な誰かかもしれないし、過去の自分かもしれない、どちらでもいい、私はまた呼吸をするため、深海から光の地上へ浮上する。


<了>



I LOVE PEACE,I HATE WAR.

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2014-08-19 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・旅


「灯台守のガールサーファー -JACKPOT REMIX-」


灯台守のガール・サーファー、今日も南を眺めてる、
海鳥白く風に巻かれて舞っていた、褪せた赤茶のレンガの壁に、
ボード預けて明けたばかりの空の下、

雲のかたちは見るたび変わる、何にでも見え、何にも見えない、
そんな雲の流れをつくる潮風、澄ます耳に届くメロディ、
好きな歌に似てるよう

やりたいこととやれることは似ているようで全然違う、
もがくように波にもまれる波乗りたちを欠伸まじりに笑ってる、

置き去られた航海記、古びて埃かぶったタイプライター、
ガール・サーファー、記録をつけるつもりはなくて、
夜の海に光を8の字、放つだけ、あたりの海を走る船、
そんなの見たことないけれど、彼女は光を放つだけ

灯台守のガール・サーファー、今日も南を眺めてる、
海鳥白く風に巻かれて舞っていた、褪せた赤茶のレンガの壁に、
ボード預けて明けたばかりの空の下、

変わらないを愛してる、
変わらないから愛してられる、

灯台守のガール・サーファー、今日も海を見つめてる、
海鳥近く彼女に寄って食べかけクッキーさらってた、
褪せた赤茶のレンガの壁に、体預けて更けてく赤い空の下、
彼女は波を待ち続けてる、



I LOVE PEACE,I HATE WAR.

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2014-08-17 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・旅


「聴こえてくるアコーディオン」


今日もまた陽が墜ちてゆく、夜を始める用意をしなきゃ、
鳥たちは森へ帰る道を見つけた、代わるように蝙蝠たちが目を覚ます、
聴こえてくるのはアコーディオン、

さらに深まる夜の青みに光る白たち、
弾けて散らばるソーダの泡みたいな星と、地上の煌々たるネオン、
淋しがり屋は一晩限りの愛を求めて、腹を空かせた小猫みたいに、
蒸れたアスファルトにひしめき合う、真夏の夜には似合わない、
黒光りするドレス、アクセサリーをじゃらじゃらさせる、

運び屋たちは深夜を探し、冷ました熱で無闇を走る、
地図に載らないオペラハウスの天井桟敷、解体されたことを知らずに、
寝言よりも甘い歌、口笛吹いて聴こえないふり、

そんな夜はとうに忘れた、変わらないものはなく、
速度だけが昨日を置き去るような気がした、
森に消えた白鳥追って、溶けて黒い青へと鳴らす孤独の奏者、

聴こえてくるのは途方に暮れて黄昏れる、
昔話の流れ星を歌にした、
宝地図のなかにだけある、架空の国の子守唄、
街娼たちの望郷や、鉱夫たちの憧憬よ、
聴こえてくるのは風を揺らせるアコーディオン、







NO MUSIC,NO LIFE?

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2014-08-16 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・焦熱


「賭博場の女王(完全版)」


背中くらいでいいのなら、いくらだって魅せてやる、
ここは賭博場、酔い醒めごろのアンタは裸、
其れでいいなら一花咲かせに勝負してみな、
嘘をまるごと飲み込んで、
真っ赤な一夜で別世界を教えてあげる、

どうせこの世は散りゆくものが揃いし宴、
どちらさまも恨みつらみの無粋はなしで、
紛いの黄色に染めし長髪、禍々しきを映せし世界、

千切れるくらい身銭を切って、衣を脱いで見せてみな、
空々しくも虚がうつろう、まるで虚空のその腹を、
せめては黒く塗るくらい、それくらいなら出来るでしょうよ、

あたしが手渡す懐刀が、そなたの威光を暴き出すよう、
どちらさまも陰にこぼす汚れ言葉は、
いっそ絶え堕ちるまで飲み込むくらいの気概で以て、

どなたさまも一夜限りの夢を観たくば、
せいぜい背丈に見合う程度で遊べ、
あなたさまの無礼講など、こちら取り扱うわけもなく、

そちらさまなら首を掴んで、風鳴る夜空の安酒で、
野犬に追われる無様がお似合い、
蝉時雨や宵灯火、火揚げの季には琥珀酔い、

この肌くらいでいいのなら、いくらだって魅せてやる、
ここは賭博場、酔い醒めごろのアンタは裸、

それでいいなら一花咲かせに勝負してきな、
嘘をまるごと飲み込んで、
真っ赤な一夜で別世界を教えてあげる、
どうせこの世は散りゆくものが揃いし宴、
どちらさまも恨みつらみの無粋はナシで、







BIRDMAN RECORDS

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2014-08-15 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・連


「魔法使いは君だった」


昼も夜も続く深海、漂う鯨が見た夢を、
いくつくらい想い浮かべる?
極彩色のオーロラを、星を一周する虹を、
澄ませた耳に花の歌、微かに耳たぶ揺らすくらいの、

砂漠の民はいまでもずっと、ラクダに乗って砂の海の絹の道、
凍える夜にはランプで地上に星をつくって、
賑やかなる街の歌をくちずさむ、

樹の減りつつある森の、王様みたいに振る舞うフクロウ、
いつか小さな村で見た、恋する少女と少年の、
わずか未来に祝福の、黄金色の鐘を鳴らした、
ざわめくミドリと生まれたばかりの花も舞う、

限りもなく描いたはずの、スケッチブックに粗い素描、
ノートの切れ端、幾数千もの願いたち、
アコーディオンとハーモニカ、なぞる音階、風になる、
生きているといま想う、今日も明日も旅に立とうと、

呼吸の先に誰がいる?
トビウオたちは海鳥真似て、乱反射のアーチを架ける、
廻り続ける観覧車、手のひらには砂時計、
歩き続ける、ふと止まる、
君を呼ぶ声、僕に挙げた手のひらよ、
魔法使いは君だった、
魔法使いは君だった、









FILM STARS NOT DEAD

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2014-08-14 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・憧


「祭囃子が聞こえる」


宵闇移るあの坂の、向こうから駆けてくるのは撥の音、
打律に酔う酔う囃子声、軽薄なる剽軽や、
甘く溶ける飴の匂い、振りに返りし浴衣の袖と、

灯る提灯、その赤み、酔いに任せし博打打ち、
身ぐるみ剥がれて水浴びて、太鼓とからかう声ばかり、

祭り囃子が届く夏、黄昏れ少し早くなる、
囃されながら過ぎにて候、祭り囃子が聞こえてきたら、
少年期の夏の日の、過ぎし想いが走馬灯、

縁日、金魚、綿菓子と、焦げる醤油の甘い匂い、
夕刻にて夏はまた、過ぎるばかりの時期になる、

祭り囃子が届く夏、黄昏れ少し早くなる、
囃されながら過ぎにて候、
祭り囃子が聞こえてきたら、
少年期の夏の日の、過ぎし想いが走馬灯、








蝉時雨や宵灯火、火揚げの季には琥珀酔い

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2014-08-13 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・憧


「放課後」


放課後は真夏の庭で、四方は合唱、蝉時雨、
トラックラインを踏まないように、振り返ると窓が夕陽を跳ね返す、
鮮やかなオレンジ染まる、砂の上まで届いてた、
隅の木陰に住む花と、どこからか水の匂い、
時間はただの一瞬さえも、待たずに僕らを連れてゆく、

重なり合う僕らの影は、
離れず寄り添うみたいに見える、
君の影を踏まないように、爪先、次の一歩を探す、
触れてみたい、その手までは3センチ、
細い手首に淡色ミサンガ、どんな願いを託してるだろう?
聞きたいけれど言葉が出ない、

灰色フェンスに緑のツタが、背伸びをしてもあまりに高く、
夏の終わりに刈り取られるから、いつも触れられないまんま、
夢に描く景色に似てる、

永遠なんてあるのかどうか知らないけれど、
ふたりで歩く瞬間だけは、一瞬なのに忘れない、
そんなふうに歩く放課後、

僕らの歩くその先は、
咲き乱れるハイビスカスのアーチの坂道、
小高い丘の向こうには、陽の落つ海が見渡せる、

僕らの歩くその先は、夏の雲と空に繋がる、
世界でいちばん高鳴るこの時が、明日もまた来る、
僕は彼女の影を踏まないように、
青みに溶けるオレンジへゆく、

新たな季節はまた僕らを連れてゆく、
新たな季節がまた僕らを連れてゆく、



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2014-08-12 00:00 | カテゴリ:文芸パンク・焦熱


「青い喪失」


終わりの始まり、始まる終わり、
巡る流るる、星が其処にいられないのは、
時間のせいだと教えてくれた、小麦の肌をしていたころに、
幼いだけで人間だった、夏の夜、囲んだ炎に浮かぶ、

火の粉を避けない赤い頬の横顔の、
たぶん魔法にかかってた、気づく前に解けていたけど、
水飛沫が青い煙を漂わす、まるで音を想い出さない、

僕が何を言ったのか、君がほんとにいたのかさえも、
耳たぶ揺らす囁きが、胸の奥を震わせた、
僅かにそれが、確かにそれは、

何処かに心を置いてくる、少しだけ前のこと、
あの日、生きていたのは青い喪失、
終わりの始まり、始まる終わり、
君の憧憬、僕らの望郷、魔法のくれた時間は過ぎて、

水飛沫に上がる歓声、過ぎゆくばかりと過ぎ去りし、
未成熟なる私たちはありのままでいられない、
小麦に染まる肌の季に、耳たぶ揺らした声は微風、
青すぎるから喪失ばかりを数える日々よ、
連なる先に笑える日がくる、閉じたときこそ宿る光よ、







where is hope?

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2014-08-10 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・憧


「うたかた」


うたかた、それはほんの一瞬だけの、
真夏に咲く炎の閃き、
恒久など要らぬとばかり、
弾け飛んでは宇宙に熱を放ってくれる、

うたかた、それが日々を慰む、
夜に戸惑う俗物たちの、
体に溜まりし毒を冷ませる、
うつらにそぞろ歩いては、夢に現に花を見る、

ラスタカラーのマラカスを手に、
少女はずいぶん未来を描く、
まだ幼くも生きているから、
笑顔ばかりは咲かせられない、
無邪気さだけじゃ乗り越えられない、
傷みに耐えうる底意地を持つ、
土にしがむ草木のような、空に眠る友を思った、

うたかた、閃く花は枯れ落つときを気にはしない、
永久に生きる術はない、
そしてまた、そうする理由も見当たらない、
いまがすべてと割れる熱源、

少女を見守る老婆は椅子で、過ぎた伸びやかりしを思い浮かべる、
若い葉ミドリのみずみずしさに、その手の甲を、
生きた証と静謐なる微笑みで、

うたかた、人はその手に握りこむ、
願いを委ね託すよう、
瞬の大火に酔いしれる、
繰り返さぬがこの世のせめての救いであれと、

うたかた、誰もが生く濁流のなか、
醜さばかりを強いられて、
か弱く咲きしに重ね合わせる、
足るを知るも知らぬも痴れたこと、

そして少女は老婆に話す、
“この花の連なりを、
次に見上げるそのときは、少し近くなっているかな”
そして老婆は少女に話す、
“ほんの少しは近づくでしょう、
でも届かないから空は見上げることができるの”

うたかたなる真夏の宴、
うたかたなる天の饗宴、
うたかたなる花束の色、
うたかたなる願いとともに、





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2014-08-09 12:00 | カテゴリ:文芸パンク・旅


「貨物列車に鳴る渇望」


〝疲れてるんだ、しばらく起きる気にもなれない〟

寝そべったままそう言った、貨物列車のコンテナの、
血が臭う鉄のなか、調香師はそう言った、
騒々しさには慣れたみたいで、決まり文句を続けてる、
隙を探って神を説こうと舌舐めずりする宣教師を無視してる、

〝動かなくても景色は変わる、いまは此処で構わないんだ〟

熱に浮かれて倒れた道化、魔法を売るマジシャンや、
壷を抱いたヘビ使い師、逃げたことにはまた気づかず、
片腕なくしたピアノ弾き、嗚咽さえなく泣いていた、

〝別に探す匂いはないし、行き着く先は血の匂い、
それはいつもどこでも漂う世界で〟

森を抜けた列車はもう、市街地なんて忘れただろう、
冬の村から夏の街へと、シベリアにも似た氷土を走る、
ラジオニュースは今日の戦死を数えてた、

〝終わりなんて何処にもなくて、延々たるが続くだけ、
見飽きたところで代わり映えもありゃしない、
嘆きや愚痴や説教なんて、その口、泥でも食わせてやるよ〟

濁り空の曇天が、あらゆる匂いを吹き荒ばせる、
雨季を越えた地上には、やはり血が匂ってた、
地図の外へと向かう者に微笑む慈悲はないだろう、
革のカバンにオルゴールがひとつだけ、そいつが何を歌うかなんて、
聴いたけれど忘れちまった子守歌、








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2014-08-08 12:00 | カテゴリ:文芸パンク




「少年たちとホラームービー」


夏の休みはホラームービー、
昼間に話した少年たちは、こっそり夜の街に流れてく、
誰の目にも触れないように、その滑稽さがやたら目立って、
こっそり借りたハンチング、着たこともないボタンダウン・シャツ、
それぞれ似合うと言い合いながら、
〝自分以外はみんな変〟と、
互いに思いながらも口にはしない、

ついさっきまでいたグラウンド、
まるで世界が変わったみたいに、
夜の微かな光が集まる景色、なくしたはずのボールに似た月、
手垢にまみれた白から黄色の陰影描く、

田舎道を息せき切らし、見慣れない駅を過ぎ、
そこは別の世界に続く、新しい旅みたいな気分、
少し大人になった気分、濡れたシャツに気づかない、
追われるようにただ走る、

焼けるチーズやポップコーン、メキシカンサルサの匂い、
空腹には気づかないふり、ポケットのなか握る一枚、
なけなし叩いたチケットだけで、水を飲んで誤魔化して、

初めての夜の匂い、明滅するネオンのなかを、
ホラー・ムービーめがけて走る、
昼間に汚れたスニーカー、バッグのなかには温い炭酸、
回し読んだリーフレット、
体のなかから弾けるみたいに鳴るなにか、
どうしようも落ち着けなくて、
銀の幕が開く暗闇、

ほらもう始まるホラー・ムービー、
少年たちの夏も始まる、








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