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2013-08-30 11:03 | カテゴリ:文芸パンク
JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--111020_143535.jpg

「サーカスガール・アンジェリカ」


支柱から放射状に舞う原色、綻び目立つ万国旗、
破れていたり、いまはもうない国だったり、
褪せたベージュの三角テント、開幕を待つサーカスが昨日設営したばかり、

陽を浴びているのに、
まるで楽しげなんかじゃなくて、
まるで野戦病院みたいに見えた、

ピエロが出たり入ったり、だけど、
メイクのない彼は使いまわしの小さなサルと変わらない、
焼けた輪だとか、木馬だとか、年を重ねた着ぐるみだとか、
世界を茶化したあらゆるがテントのまわり、静かに寝てる、

少女の名前はアンジェリカ、ナイフ投げ師の夫婦の子供、毛皮のソファで欠伸をしてる、
サイズの合わないデニムのパンツ、サスペンダーで吊り下げて、
青い石つきペンダント、手の平、光にかざしてる、

彼女の夢は絵本に見た天蓋のある大きなベッドで眠ること、
キャンピン・バンの狭い荷台、両親に挟まれて寝て、いつも朝を迎えてる、
だけど、そのことを誰かに話したことはない、
落ち目のサーカス、次の時代のスターに皆が期待してるって分かってる、
ターコイズを握りしめて目を閉じる、

街から街へ、村から村へ、旅立つばかりのアンジェリカ、
小さな村で言葉もなく手渡されたペンダント、
“ありがとう”を言う前に、走り去った男の子、
彼がいまも元気なら、ベッドのことは忘れてもいい、

リハーサルが始まって、父が母の輪郭描くようにナイフを投げる、
突き立つ音が聞こえるたびに、アンジェリカはターコイズを手の中握る、

JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--111021_162857.jpg

落ち目のサーカス、ナイフ投げ師の夫婦の子供、
アンジェリカは次の世代を期待され、
彼女の意思はいつも抱えるリアルに飲まれ、

スクールバスに乗ってみたい、みんなと学校へ行ってみたい、
ふざけて笑ってケンカして、一度そんなのしてみたい、
ネオンカラーのジェリービーンズ、皆と騒いで食べてみたい、
ラスタカラーの帽子を被って、「こんなのどう?」って聞いてみたい、

狭い世界を飛び出して、違う生き方するって決めたアンジェリカ、
握りしめたターコイズ、あの子がいる街へゆく、
逢えるかどうかは分からない、だけど、他に行きたい場所もない、

とりあえずの行き先決めたら、ひたすら進むとサーカステントを飛び出して、
オレンジ色のバスを待つ、出てゆく彼女に気づいたピエロ、
“元気でね”って手を振った、溶けたメイクが垂れていること気にすらせずに、

はるか遠く知らない街へ、荷物はひとつのアンジェリカ、
目を閉じ握るターコイズ、ベージュのテントは小さくなって、
彼女は未来へ旅立った、



〝JACKPOT DAYS〟-image

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あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)

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2013-08-28 19:35 | カテゴリ:未分類

「ストレンジャーズ」


風の向きは変わってきてる、
ニオイも不思議に澄んできた、
空ははるか遠いのか、思うよりも近いのか、
どちらでもいい、
この世界にある絶望を海だとしたら、
誰もが孤独に泳ぎ疲れた、

〝俺は狂ってなんかない〟
そう叫ぶは厚化粧の老紳士、
欠伸まじりに眺める少年、背中に羽根が生えていた、

氷よりも冷えた鉄螺旋、休むに飽きて飛んでった、
たぶん、月に帰るんだろう、影を薄く残してる、

空は今日も水色で、そこに滲んだ血が混ざる、
棄てた者と棄てられた者、重ね合わせる呼吸と体温、
路上に熱がたまってる、
冷めないまんま上がればいい、獣たちも夜を迎える、

風の向きは変わってきてる、ニオイも不思議に澄んできた、
空ははるか遠いのか、思うよりも近いのか、
どちらでもいい、
この世界にある絶望を海だとしたら、
誰もが孤独に泳ぎ疲れた、

夜にもがいて、朝に不快で、
世界の終わりを待っている、
終わる世界が人々包む、

背中に羽根のある少年、遠く地球を眺め回して、眠い目こすり、
見飽きたふりして飛んでった、

月の向こうに帰るんだろう、下弦のそいつに跨がりながら、
光る八重歯を磨いてるだろう、

愚者は愚者とて今日も変わらず、
まだ見ぬ海に焦がれ彷徨う、
愚者は愚者とて明日も同じで、まだ見ぬ明日に焦がれて吠える、

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2013-08-28 12:06 | カテゴリ:文芸パンク
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〝we go〟


君に向かって風は吹く、
帆をあげろ、未踏があるから旅になる、
狼は煙草を吸った、気の向くまま着の身着のまま、
まだ見ぬ誰かに久しぶりだって手を振りに、

君の背中に風が鳴る、
手を挙げろ、今日また旅に立つ、
カメラはいらない、その瞼に景色を刻め、
喉が裂けるくらいの叫び声、
いまはまだ見ぬ誰かに見つけた光を届けてしまえ、

ありふれた言葉がいい、たかがしれた胸にあるのは飾り立てるほどじゃない、
ただ一言さえを伝えられたら、それだけで、
どこまでだって歩けるような、そんな気がする、

幸せなんて人の数だけ、神様だってやはりはそうで、
だけどそれでかまわない、国境なんてあまりに小さい、
その上またぐ蟻を見てたら、

くすぶる何かがいつもある、もっと何処か遠くを見たいのは、
いまだ飼われていない証だ、犬が吠えてもラクダは進む、

むきになってふざけ続けよう、くだらないウソもいい、狡猾さも少しは欲しい、永遠なんてきっとない、この瞬間を笑い飛ばして、無様なまんま転がって、やつれ果てた時間を握れ、そしてそれを潰してしまえ、

鮮やかだった原色たちは、色褪せながら新たな色に乗り移る、

君に向かって風は吹くんだ、
さぁ帆をあげろ、未踏があるから旅になるんだ、
狼は煙草を吸った、気の向くまま着の身着のまま、
まだ見ぬ誰かに久しぶりだって手を振りに、



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あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
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2013-08-28 10:08 | カテゴリ:未分類

「路上」


俯き歩く痩せっぽち、横顔には焦燥が、
右半身に浴びる光と、もう片側から落ちる影、
陰影、橙から黒、石の路に鳴る踵、
遠く高く黄昏れる空、

眠りにつく神々と、背を向ける愚弄の者と、
不愉快そうに唾を吐く、蹴り上げたのは名もなき花、
路上に生きた、やがてそれは蹂躙された、

巴里に似せた偽りの、誰もいない廃墟の景、
群れるコウモリ、割れたランプと枯れた噴水、
胸の十字と重なる煙、

燕尾服の彫像の下、座りこむ痩せっぽち、
マッチを擦る、地上約80センチの視界に灯る、
ボトル呷って内臓に火を、ガラスの破片を混ぜ込んだ、夜の闇の風のなか、
既に火の点かないことを知ってた、
痩せっぽちは目を閉じる、
眠りにつく直前の、微かな笑顔、口角だけの、
最期に安い煙の毒を吸い飲んだ、



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2013-08-27 13:12 | カテゴリ:文芸パンク
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「鉄の街のフィーゼ」


鉄の街は今日も泣いてた、淋しがり屋が集まるんだと、
片眼潰れた黒猫は言う、逃げゆく先など多くはないから、
荷台に積まれて運ばれる、子供達さえいるんだって、

埠頭に流れて重なった、不要たちが飛沫をあげて、
汚れた水に浮いている、ラベルの剥がれた瓶詰のなか、
羽根の爛れたカモメたち、農機具小屋が倒れた瓦礫、

震える霧の雨のなか、錆びたコンテナ、
フィーゼはそこで凍えそうになりながら、
明日が晴れるのだけを待ってる、誰かが忍び込んでこないよう、
息を潜めて鳴るお腹に手をあてて、

体の水が逃げてゆくから、彼女は泣くのをやめてしまった、
娼館から逃げたばかりの、鉄の街に育った娘、
うつらうつらと埃まみれの髪をかきあげ、
小さなころ観た映画のなかの、風車の異国に焦がれてずっと、
風が吹くのを待っている、


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2013-08-22 22:54 | カテゴリ:文芸パンク
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「宇宙船は飛んでゆく」


まるで海面をゆくクジラみたいだ、宇宙船が飛んでゆく、
そう、もう、星を離れて、新たな棲み家を探してくんだ、
取り残されても僕らはそう、この地上に留まるだけで、

浮上してゆく最期の船は、どこかで聞いた昔の話に似てる、
たぶん繰り返してゆくんだろう、弱々しくも僕らはずっと、
見上げる空に脆く儚い自身を重ね、他に術がないんだろう、

今日も誰かが誕生日、今日も誰かの命日で、
地上は変わらず循環してる、
絵本みたいなハッピーエンドは、そんな多くは用意なされず、
だから今日も君の笑顔を浮かべてみよう、

星を数える、そしてそれに名前さえもつけてみる、
くだらないや、
星を見上げる、そしてそれに願いを託す、
悪くはないね、飽きて忘れてしまえばいい、

僕らを振り切り宇宙船が飛んでゆく、
僕らを知らずに新たな星を探してく、

好きにすればそれでいいんだ、
置き去られる僕らは今日も、
この地上で夢を見る、
それくらいが似合ってるって、
いつも言われてるのは僕ら、

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2013-08-20 19:23 | カテゴリ:文芸パンク
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「レディ・ムーン」


小さなころからいつも私は俯き加減で、
長く伸ばした黒髪と、
人目につかず生きてゆこうと思ってた、
その癖、いまだ治らずに、
夜に溶けこむ黒ばかりを着て、

小さな逃げ場を影に探した、
居場所なんて何処にもないよう、
いつもそんなふうにさえ、湿気を帯びて血が匂う、
私にだけ優しい景色、
きっとそれを探してたんだ、
雲に隠れる月みたいに、

午前か午後か、その中間あたりに訪れる、
孤独な人々集うときには、どうにか下弦の月を眺めて、
吠えるオオカミ、その悲しげなる声を聞く、
はぐれたものか、絶えゆくものか、
慈しみのない世界、手を重ねて祈りさえすれ、
なにひとつも還りはしない、
嘲笑うようクラクションは鳴らされた、

月に生まれた、
夜に流れた雨に乗せられこの地にきたよ、
かすかな光に導かれ、神の声に耳を澄ませた、
どろり溶けたアイスクリーム、
リスが見た夢、
もう月には帰れない、感傷ばかりの旅は、
私とかの地を遠ざける、きっともう帰れない、

この美しくも醜い星は、
痛みを誤魔化すことさえ麻薬で、
連なる日々をどうにか生きる、
小さく儚い華奢な花、私はそこにいるんだけれど、
いまだに溶けたことがない、朝がこないベッドのなかで、
まどろみながら帰る日を、月の光にふと思う、


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2013-08-20 16:13 | カテゴリ:未分類

「ジョーって名前のイカれた友達」


オリオン座は遥か彼方か、星座なんていらないだろう、
好きに流れて光るだけ、
意味が要るなら作ればいいさ、
生憎、俺は聞いちゃいないや、狙うものは鳥の視座だけ、
他にはなんの用もないらしい、制度も律も高みが流す、
そんなのまるで関係ねぇって、飼われたイヌを笑えねぇだろ、

臆病者が見る夢は、朽ちて果てた者の遠吠え、
口だけなら誰でも言えるさ、
そんなの届きゃしねぇけど、吠えるだけの野犬にもなる、
皆殺しの夜がくる、
運命論者は名前を変えた、貧民たちは小銭のために血を売り買いして、

偽造の通貨、コインを二千、
名前も知らない誰かになって高く飛ぶ、
ここじゃなければ何処でもいいって、
手にした地図に火を点けた、煙の向こうに陽の閃光、
モルヒネ代わりのアルコール、砂金の沈んだボトルのラベルはラベンダー、
阿呆共が夢の跡、舌のうえにはダイヤのピアス、

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2013-08-20 12:11 | カテゴリ:文芸パンク
廃線 スタンドバイミー 線路 画像

「タビノユクサキ」


熱はまだ残ってた、温もり触れた手、
ちぎれて消えてってたんだ、
残る手ハットをひっつかむ、
二度とは戻れない場所を、まぶた描いて消し去って、
投げたコインで行き先探す、生まれた街に伸びる影、

振り返らずに踏み締めた、ずいぶん汚れたブーツは赤く、
ハットと同じ色してる、カウボーイを気取ってたい、
くすむ黒のキャデラック、エンジン鳴らして横たわる、
旅立つサインに火をつけた、

何はひとつも答えなんてなかったよ、
あきれるくらい僕は手ぶらで、あてすらなく漂流してく、
なくした左手、それを探しに行きたいわけじゃなく、
残った片手に握るものを探すだけ、

名前なんて捨ててしまった、愚痴るよりは歌っていよう、
砂風まじりのラジオが歌ったロックンロール、ちっとも懐かしくなんてない、
口笛吹いて指を鳴らした、
もうここには戻らないと振り返りもせず、またどこか歩き出す、

旅立つサインに人差し指でピストル放った、
旅立つサインに人差し指でピストル放った、


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2013-08-17 16:17 | カテゴリ:文芸パンク
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「俺たちは転がる意思だ」


相も変わらずろくなことを言わない、
ふざけすぎて笑いさえ込み上げない、
黒々しい冗談を欲しがる夜もあるんだと、子供が大人を笑ってた、
まるで僕らは転がる石だ、
歩むつもりでアスファルトで擦りむくだけの、
嗚呼、今日もやはり転がる石だ、
傷まみれで笑ってやるか、それでも石は尖ったままだと、

橙に、言うや言わんや季節の在り処、陽だまりこそ薄くなる、
濃くなり続けるは夜の深みか、思い思いに過ごせばいい、
嗚呼、それも痴れた時の在り方、今宵やはり酩酊のなか、
夢現に温もりだけを探そうか、酔う酔うにて見る明日も、泥にまみれた野犬の吠えか、

木々にただ、落つる葉にも打律があって、
ざわめく茜の季節に問う、今宵も好きに暮れるがいい、
何を想うも我が自由は、伸びる単車の尾の赤を、汚泥にも似た日々を生く、
花咲く季節が来ようがまいが、いまも赤は体にも流れ、
徒労に苛まれつつもまた、脈は四季を越えてゆく、

僕らは今日も転がる意思だ、
僕らは明日も転がる石だ、
それでいいんだ、
それがいいんだ、


━━━━━━━━━━━━━━━

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2013-08-17 15:15 | カテゴリ:poetrical punk 00B
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「人魚のルチア」


長く長く泳ぎ続けて、
海の上はどんなふうになったかなあ、
下半身が魚のルチア、いつの間にか大人になった、
生まれたときは小さな魚、

流れるように泳いで生きて、
ときには流されるようにさえ、明日になればまた少し、
ヒトの姿に近づいてるの、陸に上がって生きる日は、
もうすぐだって気づいてる、止め続けていられる呼吸、
日に日に短くなっているから、

ママに聞いたことを憶えてる、
陸の世界は月が照らす草原が、
金色のよう輝いて、朝には昇る陽、
そこに笑うヒトの子供と仔犬と仔猫、
それを見つめる慈しみ、確かにそれはあるもので、

私たちはそこに生きてゆくべきだから、
陰も日向も知らなきゃならない、
ヒトはまるで王のように振る舞うけれど、
無垢に生きる命たち、
彼らはヒトを王とは思っていない、

海面に顔を出す、港にいるヒト眺めるルチア、
寂しそうな口笛を吹く、
溜息混じりに水を見る、
生き苦しさを漂わせてる、

この世界は空気があるのに、それなのに息苦しそう、
憂鬱そうね、ほら空を見上げれば、
今日も光が降り注ぐのに、いま生きているその奇跡、
当たり前だと思ってないで、
私がいつか海の底の暗がりを、
恋した人に伝えるからね、それまでその地を踏みしめて、
運命だととあきらめないで、


人魚 姫 イラスト 画像


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2013-08-16 16:24 | カテゴリ:文芸パンク
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「風を呼ぶ人」


風を呼ぶ人、彼女は今日も、
小さな種を集めた缶をその手にもって、
白く儚い月の光の、街を見下ろす丘に立つ、

焼かれた森の焦げた葉は、散り散りながら風に流れて、
街の隙間を縫うように、
走る風たち、麻のストールなびかせて、
進む季節と金の稲穂と、

風を呼ぶ人、彼女は今日も、
オペラグラスでミドリ眺めて、
未来探してボーダー越える、
越境者の背中を見てる、



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2013-08-14 14:49 | カテゴリ:未分類

「ループ」


自由に想いを描いてた、果ては何処にあるのかなんて、
考えさえもしなかった、
掬いあげた手のひらの、葉は枯れ、やがて、
薄汚れて血が混ざる、踏みつけてきた砂になる、
足跡には終わりが匂う、

宣教師は救いを説いて、物陰にて舌を出す、
〝誰彼なく掬いあげる方法なんてあるものか〟
縋りつく物欲しげ達、
祈り捧げど相手も下卑たヒトのかたちのヒトでしかなく、

水銀灯下に集う群れ群れ、
粉撒く蛾と何が違う?
焼き打たれた教えの者と縋る者、
誰がために鐘は鳴るのか、
それは即ち鳴らせる力を持つ者がため、

街の隅の子供たち、汚れた衣服と煤の肌、
やがては理想を描くため、夜な夜な誓う討伐を、
その繰り返しが終末にまで繰り返される、
それが歴史のなかのヒト、




<near the sun.>
大嘘つきのロイ
ルフトハンザの孤独
旅路の果てのラスネイル
暴君クラウス
最前線の愚者たちが
夜明け前のオルゴール
鳥の蒼々
聖人コリンチャンスの憂鬱
月の砂漠のコルディゾンネ
暁のトランペット
雨のカロン
口笛ルシオ


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2013-08-13 21:55 | カテゴリ:未分類

「祭囃子が聞こえる」


あの坂の向こうから、
聞こえてくる撥の音、
打律に酔う酔う囃子声、
軽薄なる剽軽と、
甘く溶ける飴の匂い、
振りに返りし浴衣の袖と、

灯る提灯、その赤み、
酔いに任せし博打打ち、
身ぐるみ剥がれて水浴びて、
太鼓とからかう声ばかり、

祭り囃子が届く夏、黄昏れ少し早くなる、
囃されながら過ぎにて候、

祭り囃子が聞こえてきたら、
少年期の夏の日の、過ぎし想いが走馬灯、

縁日、金魚、綿菓子と、焼ける醤油の甘い匂い、
夕刻にて夏はまた、過ぎるばかりの時期になる、

━━━━━━━━━━━━━━━

*山道にてビリーが吠える!
祭囃子が聞こえる(original ver.)
風のゆくさき
ハワイに生きたい……
原罪の果実/b>

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2013-08-12 20:06 | カテゴリ:小説 「流星ツアー」
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【流星速報】


……つうわけで、昨夕の「夏休み宣言」の舌の根も乾かないうちに参上している厚顔無恥にしてツラの皮が厚すぎるビリーです。

 なんでも今夜はペルセウス座流星群だそうな。
……まあ、どんな流星だか知らないんですけど、「ビリーさん、今夜は流星だよー」と教えてもらったので、宣伝のために限定復活、明日からまた休みます(笑)。

「流星ツアー」をこのブログに連載したのが二年前の夏。
 もはや書いた本人が詳細を忘れてしまっている事実。
……そんなんすぐ忘れるで(笑)。
 でも、なんやかやで評判も良いし、敬愛する細田守監督にアニメ映画化をお願いしたいオラなのです。
 
 細田守監督と言えば……。
「時をかける少女」、「サマーウォーズ」、「おおかみこどもの雨と雪」の監督であり、また、前述の作品に加え、「エヴァンゲリオン」シリーズのキャラクターデザインを手がけられた貞本義行さんは僕にとっては神の領域のクリエイターさん。


……。
 なにを言いたいのか分からなくなってきたのですけど。
 ともかく、「流星ツアー」をどーぞよろしくお願いします。

 では、再び夏休みに戻ります。
 ほんじゃ、また、いつか ( ´ ▽ ` )ノ

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あの人への想いに綴るうた
 出版に際し、とてもとてもお世話になったゆり呼りんの詩画集もよろしくお願いしますやで。

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 じゃ、またいつか。
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2013-08-10 14:05 | カテゴリ:未分類

「夕暮れには狡猾な」


夕暮れには狡猾にて酷薄な、
夜の詐欺師が牙を剥く、
世界のすべてを罠にかけ、
高見でグラスを重ね合わせる、
滑稽なのはどちらもそう変わらない、

甘い言葉をひとつくらい、
片眉ひそめて口角を吊る、流麗なる嘘を吐く、
聖人たちなら既に死んでる、
ここにはもう闇に蠢く蛇しかいない、
巻いたとぐろの奥の暗黒、夜宴、ガス灯と、
ドクロが噛み付く中指には銀色が、

蝙蝠、夕には帰る森、
街の姿は酔いの盛り、
獲物たちはだらしもなく石畳に涎を垂らす、
それを見ている、夜の世界の強者たちは、
華麗な身支度、優しい嘘をポケットに、
夕暮れには狡猾にて酷薄な、
暗躍師が眼玉のない笑みを浮かべる、

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2013-08-10 13:02 | カテゴリ:文芸パンク
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「雨天炎天」


雨天炎天、横から殴る汚れ風、
這う地に見る花、頭は垂れて、
永久なる眠りにつこうかとさえ、

崖の淵を歩みながらも、
眺め見るは生まれ出ずる青き波間に、
鳴らない風車が並んでた、

意味問うほどの無意味はあらず、
ならばまだ眠ったほうがいい、
不埒な夢を見るならば、
それはそれで生にあれ、

架空の日々を描き見るなら、
眠らぬ魂持つ者として、
あるいは魂持つ物として、
不確かなる虐殺にさえ興じてみれば、

律する、それを厭う間すら与えられずに、
演じる、そればかりに削られているようで、

不確かなる未知をゆく、
今日がそうなら、
明日もまた変わらずで、不揃いなる両の足、

意味を問う無意味さを、
意味を問う無意味さを、

雨天に想い、炎天にさえ、
泳ぎ疲れた魚のようで、
折れた翼の蛾のようで、
汚れ風に流される、
生まれたてに過ぎない僕は、
生まれたての君を思って、

━━━━━━━━━━━━━━━

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吠えないイヌ
夜をなんども乗り越えて
美しき、初夏の光とツバメ雨
太陽よりも高く
雨季が過ぎればまた此処へ

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あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう…… 流星ツアー(表題作を含む短編小説集)
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あの人への想いに綴るうた

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2013-08-10 12:31 | カテゴリ:poetrical punk 00B
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「大嘘つきのロイ」


ペテン師の家系に生まれた、
祖父は国をまるごと売り飛ばし、
父の代では不毛の辺境、
一家は終わり近づく孤島に逃げた、

貧民たちが息を潜めて暮らす地は、
正しいことに価値はなかった、
神を語れば小銭が散った、
甘いだけの愛を歌えば、それがパンとミルクの糧に、
街には自称の詩人があふれ、その場限りを繕って、
一瞬だけの癒しを金に、

嘘つきロイは青年期を迎えると、二度と戻らないと誓った、
誰に誓うわけでもない、言い聞かせたのは自分自身、
信じる者などこの世にいない、島を離れて遥々と、
過密の都市にゆく、あらゆる嘘が息づく場所で、

嘘つきロイは干からびオレンジ吸いつく子供、
西の森ならいくらだって実がなってると、
救い求めてひざまずく者、彼女らには見下ろす下に神がいる、
頭垂れることはない、頭上にあるは虚空に過ぎぬと、

嘘つきロイは街灯下、群集たちを集めては、
この世界の美しさと生きることの素晴らしさ、
溢れんばかりに満たされる愛、そのありかを欠伸殺して語り続けた、

世界に加虐も被虐もありはしない、老いも若きも無関係、
美醜も人を隔てない、すべての命にありとあらゆる救済が、
同等たる魂が、ただそれが真理だとさえ言い放つ、
誰を傷つけるわけもなく、ただ小さな光を燈す嘘、

やがてロイは扇動者の札さえ貼られ、逆賊だとされ手配書が、
真偽のどちらも吸い殻程度さ、そう嘘ぶきながら、赤い舌出し、
タバコをくわえ、今日もまた陽に背を向ける、


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あの夏、ぼくらは流れ星になにを願ったんだろう……
流星ツアー(表題作を含む短編小説集)

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2013-08-09 12:25 | カテゴリ:イケメン・ジョニーはスーパースター?
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「それゆけジョニー!」


 無軌道なのか本能か、天才なのかバカなのか?!
 ひたすら我が道を生きる男、ジョニー(本名・助 新)のおマヌケ青春ストーリー!!
 ひょんなことからパンクロック・バンドに加入することになった彼とバンド・メンバーたちの珍道中!

 ジョニーはどこへ向かうのか。
 そしてその果てに何をつかむのか。

※とりあえず、ここまでのおまとめです。


∞イケメン・ジョニーはスーパースター。
∞イケメン・ジョニーは働かない。
∞ジョニーもようやく何かに気づく。
∞イケメン・ジョニーはやっぱり、頑張るあなたを応援しない。
∞ジョニーは今日も相変わらずで。
∞イケメン・ジョニーは食べることに精一杯で。
∞イケメン・ジョニーに相談事は向いてない。
∞イケメン・ジョニーは秋晴れの天気が良い昼下がりに昼寝くらいしかすることがない。
∞イケメン・ジョニーも働かざるを得ないらしくて。
∞お久しぶりのイケメン・ジョニー。
∞イケメン・ジョニーはパンクロッカー?
∞イケメン・ジョニーがパンクに挑む。
∞イケメン・ジョニーがパンクに吠える!!
∞イケメン・ジョニーよ、どこにいる?!
∞イケメン・ジョニーも変化の季節?
∞イケメン・ジョニーがライヴに挑む?!
∞イケメン・ジョニーがパンクに吠える!!
∞イケメン・ジョニーがギターを鳴らす!!
∞ジョニーと春とイェー・イェー。
∞イケメン・ジョニーのバンドの名前は……THE CIGARETTES!!
∞イケメン・ジョニーも黄金週間むかえるようで。
∞イケメン・ジョニーのライヴが決まる!!
∞ジョニー・バンドは余計なことに全力疾走。
∞ジョニー・バンドがステージへ!!
∞イケメン・ジョニーがロックンロールで世界を変える!!
∞イケメン・ジョニーが攻撃される?!
∞ジョニー・バンドに新風が吹く!!
∞ジョニーと七夕、願い事は何にする?
∞ジョニー・バンドが契約へゆく!!
∞ジョニー・バンドが途方に暮れる。
∞ジョニー・バンドは旅の途中。
ジョニー一座は流星岬で。
∞ジョニーの夏は旅に迷って。
∞ジョニーと晩夏のブギーとウギー。
∞ジョニーは思い出なんていらないらしい。
∞ジョニーは何かを待っている。
∞ジョニーを目覚めさせる方法。
∞ジョニーのジャケ写は証明写真?
∞あしたのジョニー
∞ジョニー・バンドの販促会議。
∞ジョニー・バンド、秋の攻防。
∞ジョニーはMr.ロックンロール?
∞ジョニーが天を衝く
∞ジョニーがあらわる黄金曜日。
∞ジョニーたちは再び旅へ。
∞ジョニーと極めて不審なものたち。
∞ジョニーバンドは珍名だらけ。
∞ジョニーと世界の終わりの朝と。
∞正月ジョニー。
∞ジョニーと美貌の破壊者と。
∞ジョニーと地球に優しいパンク・ロッカー。
∞ジョニーとシンプル幸福論
∞金曜ジョニー・スター
∞ジョニーたちは飢えている。
∞ジョニー・バンドが女帝を覚醒(おこ)す。
∞ジョニーのいきなり生放送。
∞ジョニー・バンドも侍ジャパン。
∞ジョニー・バンドも連覇を目指す!!
∞ジョニー・バンドは人権派。
∞ジョニー・バンドも花咲く季節?
∞小春日和のジョニーさんたち
∞ジョニーの四月いっぱつめ。
∞ジョニー・バンドのボーイズ・ライフ。
∞ジョニーたちが解き放たれる!
∞イケメン・ジョニーの黄金時代?
∞ジョニーを見つめる謎の紳士は……?
∞ジョニーと初夏の打ち上げと。
∞ジョニーが駆けるロック月‼
ジョニーにいきなり難問が。
∞ジョニーの夏がやってくる。
∞ジョニーの決意と初夏の夕。
∞ジョニーと仲間はこの夏も。
∞ジョニーと真夏の方程式。
∞ジョニーと夏のロック・フェス。
∞ジョニー・バンドの旅が再び。
ジョニーのロック・フェス直前。
ジョニーが走るロック・フェス。


<NEW!!>∞イケメン・ジョニーは
スーパースター? (完結編)


シリーズついに完結。
次回から「イケメン・ジョニーはロックスター?」
そのうちやります♪



[番外編]
∞イケメン・ジョニー [番外編] 子供のころのジョニーくん。



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流星ツアー(表題作を含む短編小説集)



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2013-08-07 23:22 | カテゴリ:少年ゾンビ高橋。
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「少年ゾンビ高橋。#10」



補導 職質 逮捕 画像

 一方、状況にアジャストする能力に長けた少年のほうのゾンビ、高橋くんは弛緩しきった表情にてソファに寝転がっていた。

「西島くん、ゴハンまだー?」
「……君ね、俺は君のお母さんじゃないんだよ……あと、君がいくつなのかは知らないけど、くん付けはやめてくれないかな」

 巡査はその名を西島さんという。

「出来れば今後の身の振り方も考えてくれないか……。僕は独身なんだよ、君に住み着かれると……『お嫁さんが家出しちゃった悲しい亭主』みたいに思われる。もしこの夏、運命的な出会いがあったら……そのとき君がここにいたら……。それを考えると夜も眠れないよ……」
 西島さんに恋人はいないが強い結婚願望があった。彼は30を過ぎ、世間的には適齢期とされる年齢である。

「こんなド田舎で誰と出会うってのさ? だいたい人がいないじゃん。ここに来るまで誰も見かけなかったし、このアパートだって西島くんしか住んでないみたいだし」
 この杯地(はいち)という村に赴任して半年あまり。事件らしい事件もなく平和そのものだが、言われてみれば人がいない。いまさらながら不思議な気がした。

「それはともかくさ。西島くん、ゴハンはまだかい?」
「なんでゾンビのくせに空腹なんだよ……。あと、その聞き方はやめないか……。じいちゃんといる気になるだろ」
 そうは言いつつ、彼は冷蔵庫のなかを確認する、棚に放置していた缶詰の消費期限は切れていた。
……どうせゾンビなんだから消費期限なんてカンケーないだろ。このとき、西島くんにとって高橋くんの存在地点が確認される。
「残飯処理」と。

少女 ゾンビ ホラー 画像


 そのころ、バスの停留所を完全に破壊したゾンビ少女は、まだ見ぬ少年と波長を合わせるように空腹を抱え歩いていた。


<書いてる本人がワケ分からん……的に続く>


ダラダラしてる夏のゾンビの前回まで

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2013-08-06 18:30 | カテゴリ:文芸パンク
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「夕が凪ぐころ」


マーケットにも陽は落ちて、また日は過ぎてゆく、
灯に集まる羽虫のように孤独たちが集まって、

ふかす夜のアルコール、口笛だとか、
まとわり付く温い風、肉が焦げるステーキハウス、
ゆらぐ黒い葉、帰路を急ぐ鳥ははぐれた、

走り去る日々、
愛おしいやら憎らしいやら、
せめて追いつく影を蹴飛ばす、
無駄だとわかっていても他には、

夕が凪ぐころ、あまりに想うことばかり数えた、
両の指では足りないくらい、抱いていたはずのもの、
いまになれば想えるだけは幸せだった、
いまになれば数えるほどの想いもない、

夕が凪ぐころ想うのは、
もはや感傷、過ぎた日々への鎮魂歌、
明日を始める用意はいらない、
数えた手のひら残るのは、
焼き尽くされて塵になった砂のよう、


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2013-08-06 12:16 | カテゴリ:文芸パンク
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「アイソトープ」


鉛を溶かしたような空気が、
頭からも足元からも、噴き出すように押し寄せる、
なんだこの行き場のなさは、
浮かれるたびに押し潰される、
なにかひとつに手を触れた、

すると忍び寄る影、またも引きずりこもうとする何か、
祝祭やら狂騒やらは不要に過ぎず、
平穏さえもろくに与えはしないと云う、

誰もが幸福な夢を享受した、そんな季節は過ぎたらしい、
向かい風と追い風が、同時に吹く真ん中で、
焦燥ばかりを手にしてる、
ずいぶん疲れた、気づき続けて重ねる日々よ、
どこへ歩めば新たな地平を見せるのか、
辛辣なるときを経た、
それでもどうだ、迫り寄せる何かがあって、
そこで再び血を吐けと?

いくら待てど救済はなく、乞えど乞えども無力さばかりを数えるばかり、
足るを知り、足らぬも知れど、
そうまた傷は増えるだけ、
痛みに耐えうる体になれと、届けられた紙の束、
火をつけ焦がせ、灰になるまで焼き尽くす、
なおもまた届くなら、
この手のなかに握るだけ、いっそ潰れるくらい力をこめろ、
他に術もないだろう、
それくらいしかないだろう、


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2013-08-06 10:36 | カテゴリ:文芸パンク
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「少年期」


ぬるいコーラを飲んでいた、
光る雲を見つけ叫んだ、
流れる汗など気にもせず、
無意味ばかりを分からず叫んだ、

そして僕ら駆け出した、
ペダルは軋んだ、立ち漕いでは肩に乗る細い手の感触を忘れない、

オレンジになる夏の陽は潰れた果実に似てた、
トマト畑に壊れた自転車置き去って、

星が響く夜だから、
僕ら雲の光が消えたこと気づいた、
それでもそれに笑ってられた、

あの夏の日々に輝く雲は一瞬だとか永遠だとか、
そんなことはどうでもよくて、
時間なんて消えてくれたら、
それだけで、

あの夏を切り取った一枚は、
鮮やかなる優しさだけを胸にして、
ずっと忘れないままで、


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2013-08-05 22:41 | カテゴリ:文芸パンク
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“motorcycle travelin' girl”


バニラ味のチューブ絞った、欠けたまんまの奥歯に舌を、
南南西から錆び混じりの白い風、鉄鋼街を抜けた昨日、
マーケットは閉まってて、正面ガラスは全部割れてた、

海辺のモーテル、元気なのは見張りの犬だけ、
片耳かけたハイエナ顔のドーベルマン、
エサがないときずっと吠えてた、

くしゃくしゃもつれた銀の髪を掻き回す、
滲んだ地図をポケットに、あまりに自由で孤独もあって、

街灯だと思ってた、目の色はガーネット、
ハイエナたちも朝にはいない、
見渡す限り鉄線ばかり、青と灰と黒の三色、
どこに旅をしていても見飽きた景色ばかりを走る、

ビビアン、砂漠に生まれたらしい、
360、ぐるりを砂が囲んでた、丘を越えれば海が見えると、
13歳からずっと信じた、この世は幻ばかりじゃなくて、
抱いた希望が必ずあるって、

鉄の馬をロデオして、今日も向かい風を貫いてゆく、
赤い土はまだ残る、そこには緑も揺れていた、かすかに笑う小さな花も、
鉄の馬をロデオして、憂鬱げな風、切り裂きながら滑空してく、


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2013-08-04 17:05 | カテゴリ:イケメン・ジョニーはスーパースター?
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「それゆけジョニー!」


ロックンロール イラスト ロカビリー 画像



 彼らバンドは一年しかキャリアのないジョニーがフロントを務める。そして、そのジョニーの突然の覚醒によってパフォーマンスを成立させてきた。
 しかしその覚醒は偶発性に頼ったものであり、起動させるスイッチがあるわけではない。晴れ渡る空の下で落雷を待つようなものだ。異常な熱狂を巻き起こすか、波すら立たない凪になるか、どちらかしかない。

「……ちょっと……またヒラサワくんがぶつぶつ独り言を……」
 異変に気づき目覚めた天野くんは不安げにつぶやく。小柄な彼はドラム・セットに隠れてしまっている。
「去年、どこかでカブトムシ採ったよね。元気かなぁ、あいつ」
 ジョニーはどちらの声もまるで聞いていなかった。 
 すでに寝ぼけ、そして夢の続きが現実に繋がる。過酷な旅の活動は忘れ、夏の思い出であるカブトムシを思い出す。

「な、お前らジャズ・スタンダードも練習しておこうか……」
 ヒラサワくんが提案する。
「最近のまどかさん、いくら暑いにしても露出多すぎるよね……。俺らのことペットだとか思ってるのかなぁ」
 天野くんは天野くんで違うことを言い始めた。
「今年はクワガタが採れたら嬉しいけどなぁ……両方ならサイコーだよね」
 なぜかニコニコのジョニーが言う。

……彼らは思うこともバラバラだった。当然、会話も噛み合わず、ついでに練習らしい練習さえしなかった。

ロックフェス フライヤー 海 画像


 窓の向こうは差し込むだけでその手まで染まりそうなほどに青い夏の空が広がっていた。
 仮設スタジオから外を眺める、彼らが向かうステージと、それに正対して海が光に乱反射していた。
 人々が歓声をあげる、音楽が鳴り始める。
「行こう、俺たちの出番だ」
 三人は強く握りしめた拳を合わせ、ステージへと駆け出した。



<そしてロックンロールが加速する……はず>

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<愛と青春が大マヌケなロックンロールの前回まではジョニーをクリック!>
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2013-08-03 20:13 | カテゴリ:文芸パンク
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「怪人カリギュラ」


怪人なんかじゃなかったよ、ほんとはみんな知っているはず、
彼ははただただ淋しがり屋のひとりに過ぎない、
それからずっと、人より優しいところもあった、

あばら家生まれたカリギュラは、
野牛のミルクをすすって育つ、
だけど彼の目、左右の色が違ってて、
右目で過去を、左で未来を見通せた、

村の神様、太陽を指す大木が、
枯れつつある根の姿を見てた、
その葉に茶色が混じってくのを、
小さなころから気づいてたんだ、
神と崇めたその大樹、
ただの朽ち木と言葉にしただけ、

若い娘の生き血を注ぐ、
くだらないと言い放ち、
あきらめ顔の娘の頬打ち、
胡散臭い伝え話の犠牲になるな、
そう叫んで走り出す、

凶弾倒れたカリギュラだけど、少しあとになってから、
手を尽くせど腐る木の根を知った村人、
長老までが、木を腐らせたのはカリギュラなんだと、
彼を怪人呼ばわりしたらしい、

色の違う両眼が二度と、この世界を見ないよう、
巻き付けた黒い布、見えない代わりにカリギュラは、
地下牢のなか叫んでた、

僕は怪人なんかじゃないって、
僕はただの人に過ぎないって、

娘はやがて、自ら産んだ子の名をカリギュラ、
聖人の名だと言って微笑む、
牢にまだ生くカリギュラはそれを知って涙した、そして静かに眠りについた、


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2013-08-03 20:06 | カテゴリ:文芸パンク
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「夜明け前のオルゴール」


夜明け前に見た夢は、群れなす鳥の放物線、
白い羽根に映る橙、深い青みに混ざりゆく、
裸の樹々に残された、色を失くした葉は吹かれ、
天井裏の小窓から、差し込む陽光、
その下、踊る埃たち、
醒めない思いも虚しく消えた、

こぼれ落ちた手の平の、砂はかつての甘い実の、
たぶん幻、忘れてしまえば痛みに麻酔、
鳴らないはずのオルゴール、星の見えない夜の歌、
鳴らないはずのオルゴール、話し疲れたウサギのおもちゃ、

夜明け前のオルゴールが鳴らしてる、泣くのはやめだと顔あげた、
鳴らないはずのオルゴール、歌っているのは季節外れのクリスマス、
おもちゃのウサギが眠りに落ちた、起こさないよう静かにしてる、
「今度は私が子守唄、起きないように歌ってるから」
汽笛を叫んで東へ向かう列車は見えず、

明くる日には新たな地にて誰かを乗せる、
夜明け前のオルゴール、子供のときからずっと一緒の、
歌がいまも胸に鳴る、遠い国の古い歌、
拙い旋律、オルゴールが歌ってる、


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2013-08-02 14:11 | カテゴリ:イケメン・ジョニーはスーパースター?
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「それゆけジョニー!」


「よう、バカバンドっ!」
 タクシーを降りるなり彼女はそう言った、ひと月以上ぶりの再会だが変わらずの辛辣なる挨拶であった。
 まどか嬢。
 彼女はジョニー率いるパンク・バンド、ザ・シガレッツのマネージャーであり、新興インディー・レーベル「ジョーカー・レコード」の社長秘書でもある。そして、進行形か過去形か、ジョニーの恋人でもあるらしい。
 美貌の辣腕マネージャーを自称する彼女だが、まだ実績らしい実績はない。戦歴としては酔ってライブ会場で暴れ、有望バンドとの契約を台無しにしたことくらいである。

「うわ、超イナカじゃん」
 颯爽と降り立ち即座に言い放つ。
 確かに田舎だった、見渡す周囲は田畑のみ、夏に育った稲穂たちが緑色に風に輝く、そしてイベント会場にもヒトらしいヒトはいない。村の納涼花火大会のゲストとして無名のパンク・バンドをブッキングするという無謀さ。まどか嬢の手腕によるものだったが、当の本人には幾多のイベントのひとつに過ぎず、会場の規模や催しの内容まではチェックしきれていなかった。

「ね、ジョニーは? あんたたち、もうリハは済んだの?」
 横暴な王女さながら、腕を組んだまどか嬢はお迎えのふたりに言う。その姿はまるで主君とそれに仕える従者のようである。
「あ、ま、まどかさん……今日も美しくござりまして……」
 天野くんは妙な敬語でまどか嬢に挨拶した、彼はまどか嬢が苦手なあまり、太鼓持ちとして接することにしたお調子者である。
「おべんちゃらはいいから。ジョニーはなぜいないの?」
 そういえばジョニーの姿がない、村に着いてからと言うもの、どこかに消えてしまったきりだった。
「ジョニーは……ほら、あの森に……」
 ヒラサワくんは重々しく口を開く、彼が指す方向には鬱蒼と茂る森が見えた。
「は? ……なんで?」
「いや……まだカブトムシがいるかもって……」
「……ガキかよ。ったくもう……だいたい、あんたたちも止めなさいっての」
「止めても……きかないし……」
「ライブまでには帰ってきますよ……お腹も減るだろうし」
「ますますガキじゃん。つか、動物じゃん。あんたら、ちゃんと躾けなさいよ」
 むちゃくちゃ言うなぁ、天野くんは思う。
 カブトムシ……花火大会の余興……演台は盆踊りの提灯がついたまま……どんなパンクなんだ……ヒラサワくんは思う。

「おーい!」
 遠くから聞き慣れた声が銃弾のように飛んでくる、Tシャツにハーフパンツ、金髪の青年が駆けてくる、彼の背後には村に住む子供たちがついてくる。
 皆、笑顔だった。それを見た誰もが少年期のノスタルジーに浸れそうなほどに美しい光景だった。

 まどか嬢らのもとに走り寄ってきたジョニーは開口一番、こう言った。
「採れたよ、カブトムシ」
「……そうか」
「良かったな、ジョニー……」
 その瞬間だった、ミニスカートを気にもせず、細く長い脚を振り上げた、ヒールを履いた踵がジョニーの後頭部に炸裂する。
 かかと落とし。まどか嬢の必殺技がクリーンヒットし、ジョニーは3カウントを取られあとも地に伏し痙攣していた。
 ノックアウトである。


<ロックンロールはつづく>

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前回までも失笑ロックンロール

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the sunshine underground/〝after life〟

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#3
#4

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