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2011-12-31 23:34 | カテゴリ:the sunshine undergr
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空が割れてるように見えたんだ。
仰向けて倒れてた。
乾いた口のなかは砂にまみれた、血の味がする。
波打つ心臓、指先にまでつたう液。
溢れる、赤。

銃声が聞こえてる。悲鳴が重なる。また誰かが倒された。煙が風に乗る、雲に繋がる、灰色が、そう灰の色が空を覆う。

俺たちは、あまりに無謀で無力だった。
もう終わったんだ。太刀打ちできる相手じゃなかった。連中にしたら、害虫を駆除するよりもたやすいことだったろう。

JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--110208_175105.jpg

戦地に座り込む、俺は何人を殺しただろう。そして、俺たちの同郷は何人殺されただろう。

やめろ、もう終わりだ。

そう叫びたい、なのに声が出ない。喉が焼けてしまったのか、あるいはもう声すら出せないほどに俺は潰れちまったか。
分からない。
意識が霞む。視界に入るすべてがぼんやり霞む。
額から冷たい何かが流れて、それを拭った。
土に汚れた手に、真っさらな血。

なあ、ディータ。
俺たちも、あいつらも、この色だけは同じなんだよな。どうしてこんなやり方でしかヒトは意思をあらわせないんだろう。

もういい、やめよう。
歯向かうだけ血ばかり流れる。そして。
そして、この風景は俺が選んだものにしては、あまりに酷い結末ばかりを見せつける。

俺たちが鉄塔を眺めた、あの廃棄物の高台は焼け落ちた。
ブラックマーケットにならんだ、色のくすんだ手製のアーケードも燃え尽きた。
サンシャイン・アンダーグラウンドが焦土になってゆく。消毒液を浴びせられた「名もなき解放者」たちが捕らえられてゆく。抵抗すれば容赦なく発砲される。

焼却され、焦土になり、消毒されて更地になる。その始終をここで眺めていなくてはならないのだろうか。

天に向かって吠えた、無駄を分かっていて、それでもそうするしかなかったんだ、俺はかすれて痛みに裂ける喉から体に溜まり続けた何かを吐き出すように叫んでみた。
もうやめてくれ、と。

その声はどうしてか、どこか遠くからも同時に響いた。音量に争う人々の熱が引く。銃声が、止む。瞬間、静寂が訪れる。

俺は振り返る。
あの鉄塔、その頂のスピーカーから、その声が話し始めた。
聞き覚えのある、懐かしい声。

それは、島を離れ、俺とは別の方法で故郷を守ろうとした男の声だった。
そう、ディータだ。



……続劇
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2011-12-31 23:26 | カテゴリ:the sunshine undergr
「やめよう、もうやめてくれ、もう……」
言葉を探す、次に繋がる何かを手繰る、僕らを掬いあげるための言葉、それを叫びたい。

聞こえるか、ガゼル。
聞こえるだろう、いま、僕はある場所から声をあげている、そして、この声にほんの少しでも関心のある人は、あなたに少しの時間があるのなら、僕の言葉を聞いて欲しい。

僕は名を持たず生まれた、国籍も持たずに生まれたんだ、食べるものもろくになかった、棄てられたバンのなかで寝起きしてきた、日常的に窃盗があり、殺人があり、そして場合によっては僕らはそれに加担せずには生き残ることができなかった……もう気づいた人もいるかもしれない、僕が生まれたのはサンシャイン・アンダーグラウンドだ、この国で言うところの棄民の島だ、そうだ、あの放棄され、現在は無法の地になり、暴徒化した民衆と軍が衝突している、あの小さな国に生まれた、いま、わけあって僕はアンダーグラウンドを離れ、それを所有する国にいる、そして……ある人の「協力」で、こんなふうに発言する機会を得た。

もう、争うのはやめてくれ。

生きているかガゼル、聞こえてるかガゼル、僕だ、ディータだ、君がくれた名前を捨ててまで生き延びる手段を模索した、だけど、僕にはそれができなかった、ニュースで見た、僕らの故郷はもう焦土と化している、もうアンダーグラウンドにはいられない、逃げろガゼル、逃げてくれ……。

「もういい、時間の無駄だった」
こめかみにピストルを突き付けられたまま、唐突に発言を終了させられ、僕はマイクを奪われた。
男はため息まじりに首を振った、やれやれ、そう言わんばかりの表情だった。

話すべきならいくらでもあるはずなんだ。
限られた時間と限られた言葉でも、伝えるべきはもっとあった。


☆☆☆


ディータの声が途切れたあと、俺たちがいつか頂を目指したあの鉄塔は突然に折れて崩れた。
蓄積疲労か、銃撃のせいかは分からない。
ディータの声を乗せたスピーカーが割れた悲鳴をあげただけで、鉄塔はその根元を残しただけで崩落していた。

戦意をなくした者たちは連行されて、無謀に攻撃を仕掛けた者は躊躇なく銃撃された。
どちらにしても。
どちらにしても、俺たちは敗北したんだ。
眼前には疲弊と絶望が横たわる。
ひたすらに、渇いた。
もう、何の一滴も残ってなんていないくらいに渇ききった。

あのとき。
俺は育ての親である神父を殺害した。なぜかと自分に問う。いまさらながら答を見つける。

俺は嘘が嫌いなだけだった、それだけなんだ。
祈りさえ捧げれば神によって導かれる、そんなふうにあいつは言った。
なあ、ディータ。
俺たちはあの鉄塔を見上げることで、あの頂に達することを思い描いた、それはたぶん、この現実から逃れたかっただけなんだよな。
それは祈りにも近い想いがあったんだろう。

崩れた鉄塔、その頂には何もなかった。
神なんて、いない。少なくとも俺はそう思う。正しいのかどうか、そんなことは知らないし、知りようもない。

神は語るものによって姿を変える。俺たちが抱える現実を凌駕しようと、あるいは跳躍しようとすれば、必ず新たな神が牙を剥く。

いま、眼前にはライフルを構えた兵がいる。
ディータ、俺は降伏する。重ねた罪のぶんだけ、俺は罰を受けないとならないだろう。

お前の帰るべき故郷を守れなかった。
そして、逃げる気にはなれない。裁きがあるなら、それを受け入れる。


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……続劇
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2011-12-31 22:23 | カテゴリ:the sunshine undergr
JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--110206_180921.jpg

武装した群衆は手製の華奢なナイフや精度の低いピストルを手に、取り囲む兵に突っ込んでゆく、そして無惨に蹴散らされてゆく。
火の手があがる、ボロ布を重ねて着た一人がそれに包まれ、そして膝から崩れてゆく。

その惨景がニュースで流れているのを見てる。歴然とした力の差のなか、彼らは生を賭して屈しない姿勢だけを僕に見せつける。

堅牢なつくりの、どこか地下牢を思わせる部屋には僕ともう一人の男が対峙していた。
「僕の体を検体にすればいい、すでに感染している」そうか、と男は応える。
とくに驚いた様子はなく、冷静を装うわけでもないようだ。

男は名前を語らなかった。君に知ってもらう必要は感じない、そう話しただけだ。

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仮に君が感染していたとしよう、微弱であっても抗体が体内に精製されているとしよう、だが、それは何になる?
君は実験体として、我々の機関にその体を預け、結果としてその抗体さえも駆逐する新たなウイルスを我々が作る。
兵器になるものをつくる手助けでもしようと?

男はマスクをしていない。この密室のなかで僕と相対することに一切の抵抗すらないようだ。
すでに抗ウイルス剤は完成している、直感的に僕は感じる。

僕は真意を語り始める。
「サンシャイン・アンダーグラウンド……あなたたちが言う罪人の島への武力行使を止めて欲しい。あなたにはそれができるはずだ。僕にはそんな力はない」

それが理由か。そうか、君はあの島に生まれた人間か。どうやってこの国にたどり着いたかは知らないが……残念ながらあの島の焼却処分は決定したことだ。
そもそもが不法に占拠した国籍さえ持たない人々だ、救済措置はとられないだろう。待避警告は出されたはずだが、誰も離れようとはしなかった。
タイムアウト、そうゆうことだ。

淡々と話し終えたあと、男はタバコを吹かせた。
タイムアウト、その言葉は僕の体を貫いて戦意を萎ませる。

ガゼル、僕はとんだバカだった。
兵器としてのウイルス、そしてその実験場、抗体を持って生まれることを予期された三世代目、そして隠滅としてのアンダーグラウンドの焼却。
すでに決定された再開発プロジェクト。
仕組まれた運命、そうゆうことだったんだ。

「ただな……君に価値は感じないが、ニュースソースとしては面白いと思う。いくつかの……いくつかの条件を飲むのなら、ひとつだけ機会をやろう。公の場で君に一度だけ発言させてやろう」

……発言?
僕は睨む。あきらかな差を提示し続ける、その男を刺すつもりで、話の続きをうながす。

「ニホンに侵入した、恐らくは初めての人間だ。大衆は君の存在に関心を持つだろう。公共の電波の前で、君は君の言葉で、話したいことを話すんだ」


……続劇
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2011-12-31 22:20 | カテゴリ:the sunshine undergr
JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--110202_191943.jpg

運命だとか宿命だとか、言葉だけは知ってる。意味だって分からないでもない。でも、そんなものに振り回されて生きるのはゴメンだ。
ヒトはありとあらゆるもので差別化を図る。
それはきっとどうしようもないんだろう。他人との差を見つけないとヒトは自身の存在の在処を認識できない。
姿形で、持ち物で、資産の有無や生まれ育ちや肌の色や使う言葉、何もかもで差を見つける。

俺たちは名前さえ持たなかった。故郷であるここは国家の持ち物であり、そこに住む俺たちはそこを追われる立場になった。不法占拠者のレッテルを貼られ、法は俺たちを庇護することなく、罪だけを暴き出そうとする。

ディータ、俺はお前みたいに頭がいいわけじゃない、やり方の是非なんて問われたところで正しい答なんて導き出せやしないんだ。
そんなものがあるのかどうか、天に祈れど答はないだろう。

JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--110130_215131.jpg

これが、見えるか。
生まれながらに地下に生かざるを得なかった俺たちが叛旗を翻す姿だ。

ディータ、俺たちは武装蜂起する。先導者である俺はこの戦いに敗れた瞬間に晒し者にされ、なぶり殺されるんだろう。

「名もなき解放者たち」は、救済措置もなく、ただ退避命令を浴びせられたアンダーグラウンドに生きる俺たちの最後の手段なんだ。

無傷で済むはずはない。
死も覚悟する。
運命に抗い、それに代償が発生するのであれば、それを受け入れよう。
所詮は多勢に無勢だ、負け戦は承知のうえだ、ただ、何もせずに弄ばれるのは、ゴメンだ。

なあ、ディータ。
ここは、俺たちのホームなんだ。
いつかの約束はもう果たせそうもない。
死ぬな、お前だけは生きていてくれ。
この戦いの後、何も残せない俺を許せ。

雄びがあがる、虐げられた者たちの虚勢だと権力は笑うだろう。
奴らがその力を行使すれば、瞬時にアンダーグラウンドは火の海と化す。

号砲が鳴る、そして機銃が一斉に掃射され、狂った蜂のように軍勢がアンダーグラウンドを駆け回る。
まるで虐殺のオーケストラってやつだ。

なあ、ディータ。
俺は、いつかそうしたように、紛いの力を振りかざす奴らに一太刀でも食らわせてやろうと思う。
最初で最後の戦いは、いま、始まるんだ。


……続劇
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2011-12-31 21:53 | カテゴリ:the sunshine undergr
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真っ当な方法で中枢にまでたどり着けるはずはない、そんなことはアンダーグラウンドから離れることを決めた日から分かってたんだ。

中枢、それはサンシャイン・アンダーグラウンドを所有する国家、ニホンと云う国を動かす力、権力の核になる部分。

仮に僕がニホンに生まれた一人の人間だとしても、その核心に触れることができる可能性はほとんどないだろうし、力を持つには途方もない時間と労力が必要になる。
そんな時間はない。

ニホンの首都、トウキョウと言う街。
乱立するビル、四角く切り取られた空、くすむ灰色、砂煙。
時計を睨みながら駆け出す人と、あるだけの荷物を着込むように身につけた人。
疲弊はどちらにも見てとれる、けれど、そこにはすでに敷かれた階級があった。
どのような経緯をたどり差別化されるのかは分からない。

ただ、分かる。
ここにはすでにアンダーグラウンドが存在する。
浮上できない、その機会さえ与えられずに這うようにしか生を許されない人々がいる。

ビルに据え付けられた巨大なモニター、半裸の男たちが甘い声で、愛してるだの、君に逢いたいだのと切なげに歌う姿を見て、僕は笑った。
中空に唾を吐く。


☆☆☆


夜を待って、僕は行動を開始した。
繁華街の裏には暗黒が支配する闇がある。その闇の社会でなら、中枢にたどり着く突破口が存在するはずだ。

なあ、ガゼル。
この世界はやはり腐臭に満ちた醜いものばかりみたいだ、僕らが生まれた島も、いま僕がいるこの街も、そうたいして変わりはしない。

魂なんてものがあるなら、僕はそれを悪魔に売り飛ばそう。
方法は限られている。
時間もそうだ。
僕は僕の命を使うしかない。

謎の新型感染症、不治の病と言われてる。
サンシャイン・アンダーグラウンドから発生したと報道がなされているが、それは正解であり不正解でもある。

奇病の正体は、ニホンの軍部、生態科学研究機関が作り出した兵器なんだ。その生体実験を行うのに最も最適だったのが僕たちの故郷だった。

どことも関われず、行き来もない。周囲は海に囲まれ、情報はどちらにも届かない。

僕はすでに感染している。発症の徴候も自覚している。僕は僕の肉体を、命を検体として、すべての事実を開示する。

その手段を手にしなければならないんだ。
ガゼル、君と君が生きる場所、そして君と生きた故郷を守るために。


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……続劇
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2011-12-31 20:42 | カテゴリ:the sunshine undergr
JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--110116_152156.jpg

ボートの影が小さく見えなくなるまで、油の泡立つ波を見ていた。
もう、傍らにディータはいない。
俺たちはずっと。
ずっとそばにいたんだ。
寄り合う者も頼るものさえいなかった、俺たちを拾い育てた神父は神を語り、加護を語ってその籠に封じ込めようとしていただけだ。

なあ、ディータ、もうお前はこの腐敗の地から去ったんだ。
その真意がなんだってかまわない。
生きろ。
死ぬな。
この世界の誰にもお前を殺させたくなんかない。俺は俺たちが必要な力を手にするまで、ここで踏ん張るつもりだ。

目を閉じる、すると際の水飛沫、その繰り返しだけがあたりを包む。
海は本当は青いものなんだって言ってたよな。
このアンダーグラウンドを囲むそれは汚濁の海だ、朝も昼も暗がり続ける。

ずいぶん痩せた背中だった、いつも横にいたから気がつかなかっただけだと思いたい。


☆☆☆


左手にはディータが残したラジオ、体温が伝わってゆく。塗装が剥がれ、アンテナも折れ曲がっちまってる。
その錆びて歪んだアンテナを根元から引きちぎる。
こんなものなくても電波は受信できるんだ。
俺は知ってる。
あのふたり眺めた鉄塔には真新しいパラボラが据えつけられてんだ。
真っ赤に燃えるようなサイレンに思わず眉をしかめて空を睨んだ。

【……不法占拠者に告ぐ……、この島は………】

なあディータ。
あの頂上には本当の神が、俺たちを亡き者にしようとする権力が声をあげ始めたんだ。
もう、この不愉快極まる放送はお前には聞こえないだろう、この声が聞こえない場所へゆけ。

【……繰り返し、不法占拠者に告ぐ……こ……トウキョウ湾……人工島……再開発地域……即刻、島から退避せよ……】

太陽に浮かぶシルエット、轟音とサイレンとスピーカーの割れた放送、そいつらがあらゆる角度で俺にナイフを突き立てる。

もうずいぶん前のことだ、俺は俺たちの育て親である神父を殺したんだ。
あいつを殺害したのは俺だ、ディータ、お前をそのことを聞かなかった。

【......This artificial island told to an illegal occupation person......】

あいつは。
俺たちを売り捌くつもりだったんだ、俺たちは男だ、女じゃない。

【......A term of construction work is designated in a redevelopment area on the bay, and is near for it, immediately, be evacuated......】

この島は焼き払われる。
お前がこのラジオにかじりついて聞いていた、あのニュース……あれは人為的に仕組まれたものだった。

抗体を持つ子供を探してたんだ、俺たちがそうだった。でなきゃ、今、生きていないさ。

なあディータ。
俺にやれることは……もうひとつだけだ。
ここが忌むべき不法の国だとしても、それでも、俺たちにとっては生まれ育った故郷なんだ。

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……続劇
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2011-12-31 09:26 | カテゴリ:日々のこと
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皆さん、掃除はすすんでますか?

あ、こんにちは、昨日から大掃除中のビリーです。
冒頭の写真はテレビの上です。
クリスチャンではない……むしろ無神論者ですが、部屋中にマリア様がいます。
チバユウスケさんのマネなんですが。


JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--111229_165337.jpg

ワンピースのフィギュアなどがずらり。
私、ワンピースを見ると買いあさるくせがあり、治す気もないので続々と集まっちゃいます。


JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--111229_165358.jpg

右はとくにお気に入り、「んナミすゎーん」の最新フィギュア。
予約戦線に破れ、しかたなくヤフオクでゲット。
意外に安く買えましたけどね。


JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--111229_165427.jpg

いただいた絵とMac。Macはかなり古く、いまはイラスト加工くらいにしか使ってません。
基本はIpadです。
……あまり使いやすいとは思わないけど(笑)。


JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--111229_110116.jpg

この絵もやはりいただいた作品。
どちらも「ビリー」をイメージして描かれた油絵だそうです。
ありがたや。


JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--111229_165503.jpg

玄関。
ハットと靴が溢れ返ってしまうので、突っ張り棚で増設。

……しかし。
掃除って……疲れるねぇ……。
や、もう切り上げてビール飲むかなぁ。

はぁー。

“2011-自薦集”

100年ピアノ
運命のひと
サーカスガール・アンジェリカ
“俺たちは転がる意思だ”


掃除のときは埃っぽくて……やっぱ、こんな服装に限る。


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銀行強盗みたいだ……。


では、このままコンビニ行ってきます。
シュワッチ。
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2011-12-31 00:33 | カテゴリ:the sunshine undergr
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解体を終え、すでに廃材にされた資材が連絡橋を越えてゆく。
鉄の塊、暴風すらも吐きながら、地を揺らして列をなして走ってく。
錆びた空き缶を跳ね上げた、それを見ていた、黒煙をあげてトラックが橋を越えてゆく。

いつか渡ろう、そうガゼルと話したあの小さな橋は落ちてもうない。
代わりにできたのは運搬車輌と作業員だけが通行を許可された連絡橋だ。
サンシャイン・アンダーグラウンドに生きる人々はそれを通過することができない。
小銃を携えた憲兵はゲート両端でその目を鈍く光らせる。

時は過ぎた。
わずかなようでたかがしれた日々を生きる僕たちには随分な時間だ。
塔を眺め、見果てぬ想いを抱いたあの冬。
まぶたによぎるのは昨日のように鮮烈な色彩であり、はるか過去のモノクロのグラデーションにも想う。

サンシャイン・アンダーグラウンド。
僕らの生まれ育った故郷。それはいま、大きく姿を変えようとしている。
真偽は検証されないまま、ニホンコクを襲う新型の感染症の発生源とメディアは騒ぎ、誰もが知ろうとしなかった不毛の地は今、病の根源のように扱われている。

サンシャイン・アンダーグラウンドは、それを所持する国家の政府によって、解体、撤去されることが決まった。そして、すでにその作業は昨日からスタートしている。
いくつかの段階をふみ、2年後、僕たちが成人するころには完全にその姿を新たにする。
そこに住む者、そこに生まれた僕たちの処遇についてはまだ何も決められてはいない。
命の存在は認められても、その命はどこにも保障されてはいない。集団自決を願う声が大多数を占めるとの報道すらあったという。

時間は、ない。


☆☆☆


偽造の国籍、慣れ親しんだ新たな名。
僕はディータを捨てて橋を渡る。
ニホンコクへゆく。
言葉ならすでに学んだ。

連絡橋のちょうど裏側、かつての造船ドッグで現在は“廃船の岬”と呼ばれ、朽ちた船が潮風にその姿を痛ませ続ける港に僕はいた、そこは密航者が出入りする場所であり、また、アンダーグラウンドで密造された違法の品々が持ち運ばれ、あるいは持ち出されている。

海軍の監視船が定期的に運航している、ここもすでに無法の場所ではなくなりつつあるからだ。
かつてほど“入国者”は多くないが、それでもいなくなったわけではない。
警備船から掃射された凶弾を浴び、棄民と呼ばれる無国籍者はここ一週間で数十人が殺害された。
その光景は渡り鳥の群れを狙う猟者のように見えた。連中は背を向ける人々に鉄の弾を浴びせ、その悲鳴に笑い声さえあげていたからだ。

「本当に行くのか」
ガゼルは深く被っていたニット帽を引っぱり脱ぐ。
胴体の半分が沈んだタンカーの陰、一隻のボートに乗り込んだ僕にもう一度、ガゼルの声が飛んでくる。
ああ、とだけ僕は答え、それ以外の選択肢はない、そう付け加えた。

なあ、ガゼル。
最後になるかもしれない、ひとつだけ聞いておきたいんだ。
離れてもここは僕にとっても故郷だって言えるだろう。
ディータは、ディータという名前は君にもらった。
あの鉄塔はまだしばらくはなくならないだろう、なあガゼル、僕がもしここへ帰ってくることができたなら、今度こそあの頂上へ昇ってみないか。


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……続劇
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2011-12-30 19:57 | カテゴリ:D×B コラボ
前回のフュージョンから二ヶ月が経ち……変わらず危機的状況が続く、この国を想う。

前回のコラボは……我々が期待するほどの成果は得られなかった……。

力不足は否めない。
海は広く、そして想像以上に手強い。

……だが。
「力に屈したら男に生まれた意味がないだろう、分かったか、このバカ!!」という、ポートガス・・エースの名言もある。

そして。
「誰も支配なんてしねぇよ、この海でいちばん自由なやつ、それが海賊王」だ!!」と麦わらのルフィは言った。

ならば。
再び戦場へ向かおう!!

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「闘えるか、ビリー?!」
「あったりまえだ!!」

コンビ、いま再び海に放たれる!!



……。
……。あ、あれ?!
……敵は……? 海軍はどこ……?

てゆーか。
なー、火拳のデース、俺ら、連休でゆるみ過ぎてる……。
なんか……互いに脂肪ついてるし……。
シャープさ、ないで……確実に中年化してる。
暴飲暴食がきちんとかたちに……。
これ、すげえカッコ悪い……。

心意気だけは認めてくれ、30オーバー、ここまでして笑いを取りにきたんやぞ!!

待ってろ、新世界!!
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♪いっぱい食べる君が好き~ お口にケチャップ~ 我慢しないで おかわりしなよ いっぱい食べる君が好き~

※カロリミット買います!!

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2011-12-30 19:56 | カテゴリ:D×B コラボ
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男は考えていた……。

未曾有の災害に見舞われた祖国にできることが何かないものかと。

募金。
節電。
たかがしれた力であれ、なにか有益な情報を発信しようと。
やれることは続けるつもりだ。
しかし、どこを見渡すも悲しい記事で埋め尽くされた感さえ漂う界隈である。

そして……。
にひとつの案を提示してみる。
盟友とも宿敵とも言われる同じみのヤツである。

我々の頭文字はくしくも、あるいは幸いにもDとBである。
DとB……つまり……ドラゴンボール。

7つ集めれば願いが叶うという神秘のタマタマ。
現実に存在すればどれほど良いか。

しかし、ドラゴンボールを探すにはあまりに時間がかかりすぎる……。
そして、その発見は困難を極めるだろう。

いや……しかし、我々がひとつになれば……何か提供できるかもしれない。……笑いくらいなら。

ひとつになれば……。
ひとつに……。

よし!!
さあ、行くぞ、デッドマン!!

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フュージョン!!

孫悟空とベジータのように!!
東西の最コンビがいまひとつに!!

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閃光が……あたりを包み込む。そして全身を貫く違和感、異物感、そして不快感……。
すぐに分離したい……。
気持ち悪い……。
吐き気がする……。


……。
DB、ついにひとつに……!!


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「ムフッ」

……。

……な……まさか、こんな結果とは……。
フュージョンは……完全に失敗だ……。
誰だ、このオヂサン……。よもやの企画倒れ!!

……不謹慎やわ!!
デッド、不謹慎やで、こんなときに!!

ウケへんかったら、どないすんねん!!

※苦情はこちらに。

なお、デッドマンちゃんは拘留中のため、現在はブログを休止中です。

今回の惨事に対し、急遽復帰してくれましたが、今後は未定です。

ありがとう、デッド!!

心おきなく留置所に戻ってくれ!!


※みんな、いまこそ元気玉を東北へ!!
東北だけじゃない、すべての困難に立ち向かう人々へ!!
行くぞ!!
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2011-12-30 13:12 | カテゴリ:poetrical punk 00B
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放課後は真夏の庭で、四方は合唱、蝉時雨、
トラックラインを踏まないように、振り返ると窓が夕陽を跳ね返す、
鮮やかなオレンジ染まる、砂の上まで届いてた、
隅の木陰に住む花と、どこからか水の匂い、
時間はただの一瞬さえも、待たずに僕らを連れてゆく、

重なり合う僕らの影は、
離れず寄り添うみたいに見える、君の影を踏まないように、爪先、次の一歩を探す、
触れてみたい、その手までは3センチ、細い手首に淡色ミサンガ、どんな願いを託してるだろう?
聞きたいけれど言葉が出ない、

灰色フェンスに緑のツタが、背伸びをしてもあまりに高く、
夏の終わりに刈り取られるから、いつも触れられないまんま、
夢に描く景色に似てる、

永遠なんてあるのかどうか知らないけれど、
ふたりで歩く瞬間だけは、一瞬なのに忘れない、
そんなふうに歩く放課後、

僕らの歩くその先は、
咲き乱れるハイビスカスのアーチの坂道、
小高い丘の向こうには、陽の落つ海が見渡せる、

僕らの歩くその先は、
夏の雲と空に繋がる、世界でいちばん高鳴るこの時が、明日もまた来る、
僕は彼女の影を踏まないように、青みに溶けるオレンジへゆく、

新たな季節はまた僕らを連れてゆく、
新たな季節がまた僕らを連れてゆく、



photograph and text...
Billy
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2011-12-30 08:58 | カテゴリ:日々のこと
……こんにちは。
そんな声も振り絞らなければならないほど、本日の僕は痩衰え、心身ともに弱体化しています。

理由は……。
昨日、昼過ぎにゆず親分からメールがありまして。
「あんた!! 今宵の宴は欠席ゆうわけにいかへんでぇ!!」
……。
嗚呼、またか……。封じ込めたはずのあの日のことが去来する。

しかたなくクルマを走らせ、近くのデカいショッピングセンターへ。


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ステージにはサンタさんのコスプレをしたカワユスな女子が。
司会を務めたこの方、オフィシャルブログをやってらっしゃるそうです。
……名前は分かんないですけど。


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極悪ゴスペル集団「死鬼祭」……あ、「四季彩」だったような……ともかく、ゆず親分率いる悪党たちが笑顔で壇上へ登場。
今回の催しの主旨、及び料金の説明を。
なぜかオランダ語。通訳ないし意味不明。

ちなみにゆず親分の第一声は……。
「血祭りや!! 無傷で帰れると思ったら大間違いやでぇ!! 命が惜しかったら、わてらの言いなりにならんかい!!」
……な、なにを言い出すの……。

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こんなDVDをオブジェにしているのが聴衆の恐怖心を煽る。


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親分、なぜかエアギターを披露。ゴスペル集団ではなかったのか。このあと、大喜利が約30分間続く。スベりまくる。


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暴走が過ぎたのか、左端の女子(裏の番長らしい)に怒られ、親分、がっくりうなだれ……てない。
寝てた。

曲目は……「ジャイアンの唄」、「きのこの唄」、「メインストリートのならず者」など多岐に渡り、アンコールでは「どじょう掬い」や「安来節」も披露。
……なんでもありか。


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聴衆、すでに阿鼻叫喚、地獄絵図。
せせら笑う首領は、「金目になるもん、全部置いていきや!!」と絶叫。
お年寄りやお子様を人質にしたり……。

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オイラはサイフごと奪われ、その記念に写真を。
きっと悪用するんだろう、あの魔王は……。

このグループ、精力的に勢力を増し、「国を統べる」と言っていたので、皆さん、本当に注意してください……。

命だけは残してくれてありがとうございます、親分……。


おわり。
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2011-12-29 23:54 | カテゴリ:the sunshine undergr
In a wasteland......

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Heat which mixes.


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Boy beyond a boundary line.


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The crowd who arms and......


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boy who leads that.


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“future?”

The children born at the sterile place confront the destiny.

It continues to the second half.

Next day......
“the sunshine underground -7”
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2011-12-29 22:47 | カテゴリ:the sunshine undergr
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何かが変わろうとしている、それは力による強制的な変化だろう。
この島を善意によって救うなどとは誰も考えてなどいない。
ここは病巣なんだ、ディータはいつかそんなふうに表現したことがある。
それは俺たちではなく、外から島を見る人々にとって、だ。

ディータはラジオに耳をそばだてている。砂嵐とともに揺れる音、指先の神経を尖らせてチューニングを繰り返す。最近は日課のようだ。
そうやって外界の情報を得る。
そのほとんどは俺たちには無関係なことだ、株価がどう、どこかの国の内紛、そして殺人事件。
欠伸をする、遠慮なんかしない。
そうか、この島以外では殺人は重罪なんだ、同じ言葉を使っていても、その感覚のずれは埋めようもない。

「なにかマシなニュースはあったか」
ディータは無言で首を振る。そして小さくため息をつく。

知りたいことはひとつだけだ、謎の奇病の発生源がこの島だという噂が流れてる。

サンシャイン・アンダーグラウンドには定期視察だと称し、本国の役人たちがモスグリーンのヘリであらわれる。
連中はいつも高価そうなスーツ姿で、マスクをし、何に触れるにも手袋をしている。

病巣、そう思うんだろう。事実は俺には分からない。ここでは人の死は珍しくもなんともない、死因を調べるヤツもいない。

生きているか死んでしまったか。
それだけだ。
俺たちの世代のなかには本国へ帰還しようと考える者も多い。
それはしかたない。だが、誰もそれを実行できない。受け入れてもらえず、しかたなく島へ戻ってくることになる。

ディータも……いや、ディータはそんなふうに追い戻された連中とは別の手段でニホンに潜入しようとしている。
ここに生きる全ての人々の権利と生存を主張したい、そんなことを真剣に話すときがある。

ニホンの人間としての名前を持ち、教育を受け、別の人間に生まれ変わるつもりなんだろう。

できるかどうか、それは俺には分からないし、なぜそれを望むのかも分からない。
一度だけ聞いてみたことはある。

「ディータ、お前は本気でニホン人になれると思ってんのか」
「できないと思う。正規の手段ではね。サンシャインアンダーグラウンドのディータではなく、まったく別の人間になりすます以外にないだろうな」
僕らはここで生まれたんだよ、この国籍や人権さえ持てない国で。
ガゼル、ずっとここには生きていけないって分かってくれよ。
僕は自分だけ逃げてやろうなんて思っていない。
きっかけを作りたいんだ、どんな環境に生まれても、人はきっと意思さえあれば生まれ変われるんだって自分で証明したい、それだけなんだ。
俺は黙って頷いた、その先のディータの話はよく覚えていない。

ただ、ヤツはその理想を遂行するべく、懸命に生きている、それだけはよく分かった。

俺とは違う。
ディータはこれから先を生き延びるために生きている、だけど俺は……俺はガゼルと言う名を捨てる気がない。

あの鉄塔の頂から俺たちを眺める連中を引きずり落としてやりたい。
それだけだ。
それまでは死ねない。

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……the sunshine underground...
“first half” the end.
to be next...
“second half”.
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2011-12-29 22:29 | カテゴリ:the sunshine undergr
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いつか神父に聞いたのは、あの鉄塔には神様の次に偉い人が住んでいるってことだった。

僕には神父の言うことがいまひとつ理解できなかった、なぜならいくら祈りと懺悔を積み重ねたところで、僕らの生きる環境が好転する気配すらなかったし、なにより、その神様って存在を実感したことがなかったからだ。
目に見えず、手にすることもできない。
それを信じることができるほど僕らは報われた状況には生きていない。

アンダーグラウンドにはすがるように鉄塔に祈りを捧げる人々の姿を目にするときがある、それはどこか不自然で奇妙だ。
その行為によって何がもたらされるのか、彼らがそれをイメージできていないように映るからだ。
信じてさえいれば、無条件に救われることなんてないだろうと思う。

状況を変えたいのなら、自ら行動しないと何も変わらないだろう、それは僕とガゼルの共通した意見でもあった。


食べ物も飲み水も、拾われるのをじっと待ってなんていない。
取りに行く気がないのなら、何も手にはできないだろう。
リスクを負う覚悟がなければ、僕らは何も手にはできない。
それはきっと、この場所だけには限らないはずだ。

鉄塔の先端は今日も霞みがかり、その頂は雲のなかに紛れて見えない。
僕は凝視する。

「何か見えるか」
背中から届くガゼルの声、踵をこするような独特の足音、それからチェーンに繋いだジャックナイフをじゃらじゃらと人差し指で回す癖。
「見えない、見えないことが今日もよく分かる」
「なあディータ、上空まで空気が汚れてきたような気がしないか」
ああ、僕は曖昧に応えたけれど、そのことはよく分かっていた。

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……続劇
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2011-12-29 22:19 | カテゴリ:the sunshine undergr
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サンシャイン・アンダーグラウンドには小さな教会があって、そこには頬に切り傷の痕が影をつくるほどの深いしわになった神父がいた。
僕らは真冬の朝にその教会に捨てられているのを見つけられ、12歳まで、つまり一年ほど前までそこで保護されていた。

神父は僕に本を与え、読み書きを教えてくれて、神様の存在を説いた。
“君達はやがて、この腐敗の地から光の地へと旅立つだろう”
そう教えてくれた。

ここには義務教育も少年法も存在しない。
略奪行為を働き、その結果として殺害される、そんな少年たちが後を絶たない。
少女たちは体を売り、日々を生き抜く糧にすることもある。

純粋な意味での労働なんてものはない。
大量に廃棄された物資のなかに混ざる金や銀、その他、鉄片や再利用できるものを回収し、資源に乏しい国家に密売することでわずかな収入を得る。
僕らはまだどちらにも手を出してはいない。
街の小さなマーケットから食糧をこっそりとくすねては食べ、どうにか日々をやり過ごしている。

「いつかのことはいつかのことか」
痩せた体をバネのように捩らせてガゼルは立ち上がる、細い顎のラインが鉄塔から伸びて届いた光にさらされて、伸びた髪が風に吹かれた。
土の混ざる埃が舞う。
いくか、ガゼルは言って僕も立ち上がる。

☆☆☆

神父が死んだあと、教会は閉鎖されて僕たちは居場所をなくしてしまった、それは仕方がない、ただ僕はなぜガゼルが神父を殺害するに至ったか、それを知らない。

この無秩序な街にあっても、やはり殺人は容易ではないし、法の有無とは関係なく、ガゼルもやはり神父の教えを聞いて育ったはずだ、影響がないとは思えない。

神父の存在なくしては僕らふたりはここまで育たなかったろうと思う。
だけど、僕らは僕ら以外の誰をも信用なんてしなかった。

ガゼルは殺害について何も話さない。話さないから僕は聞かない。

あの朝……そう、神父が血を吐き床に俯せ、ガゼルはその側に立ち尽くしていた朝。
ステンドグラスを貫く原色の光をいくつも浴びて、ガゼルは呼吸さえも止めたように静かだった。
そこには誰もいなかったように思えた。
沈黙と静謐。
絵を見ているようだった、それは何処かで見た宗教画の一部のように立体感がなく、どこか平面的だった。

僕がその現実から逃避するためにそんなふうに眺めただけかもしれない、だけど、ガゼルの指先から垂れる赤い滴だけはリアルに生きて、静止していないことだけはよく分かった。

ガゼル。
あのとき、君は放心でそれを眺めた僕に気づいて、微かに笑顔さえ浮かべてたんだ、きっと忘れてるんだろう。

大丈夫だ、ガゼル。
君は彼を殺害しなくてはならない何かがあった、或いは何もなかった、どちらでもいい。

殺されたのが君でなくて良かった。
それだけだったんだ。

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……続劇
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2011-12-29 21:52 | カテゴリ:the sunshine undergr
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ガゼルってのはディータが読んだ本のなかに出てきた人物の名前だったらしい、そいつが特別に自分と重なったわけじゃない、ただ、なんとなく俺に似合うような、そんな気がしただけなんだ。

活字ばかりが並んだそれは俺とディータが寝床代わりにしているタイヤが潰れて傾いたキャンピング・バンのダッシュボードに遺されてた。

俺はろくに言葉を読めない、そんな教育は受けずに育ったし、読み書きができなくてもここではそう問題はない。

第一、その本は後半が焼けてなかったし、読めたところで最期まではたどり着けやしないんだけど。

紙ってのはゴミになりやすいらしくて、裸の女がずらっと載った雑誌やら、高価そうな洋服ばかりの写真誌や、妙に目の大きな原色の髪をしたガキたちが血を流し合う絵本みたいなやつだとか、そんなものが次々に運び込まれてくる。

俺にとっては火をつける種に過ぎないけれど、ディータにとっては違うらしい。奴は独学で読み書きを覚え、いくつかの外来語も勉強してる。

“死ぬまでずっとここにいるわけにはいかないだろう?”
それがディータの口癖みたいで、とにかく、奴は暇さえ見つけては食い入るように本を読んでる。
奴が読み終わるまでは火種にできない紙がたくさん積まれてるんだ。

キャンピング・バンの後部席でさ、懐中時計を照らして白い息をはき、小さな活字を貪る姿は……正直、俺には理解できない。

ただ、気になることは話してた、それはこのサンシャイン・アンダーグラウンドから発生したとされる感染病のことだ。
発生源がこの島かどうかは知らない。
ただ、そんなふうに言われ、それがこの国を脅かすかもしれないってことをディータに聞いた。

ここは衛生状態が悪く、得体のしれない外国人だらけで、しかも性犯罪者のたまり場で、違法の廃棄物が持ち込まれる場所だかららしい。

実際、奇妙な死に方をした連中を何人も俺は見てきた。
赤黒い血を大量に吐き出して、その血の塊のなかにはどろどろに溶けた内臓らしいものも混じってた。

“ここに生き続けることはできない”ってディータは言う。
それは分からなくもないんだ、だけど、じゃあ、俺らはこの島を離れて、別の場所に生きることなんてできるのか。

なあ、ディータ。
俺は今夜もリヤウインドウに差し込む月明かりで活字を追う奴に声をかける。

なあ、ディータ。
俺たちはこのサンシャイン・アンダーグラウンドから抜け出すことなんてできるのか。
この汚れ荒んだ地に生まれた忌むべきガキなんだ、俺たちは。

なあ、ディータ。
お前はいまだに、あの神父は病死なんだと信じたまんまなんだろう。

あいつは、俺が殺したんだよ。
それを知ったら、ディータ、お前は俺を軽蔑するか。


……続劇
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2011-12-29 21:17 | カテゴリ:the sunshine undergr
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いつものように僕らは塔を眺めてた、今日も日は暮れてゆく、眼下の海、その波打際には漂着した廃棄物が波に弄ばれていた。
油の浮かぶ水面、爛れた虹が溶けるように浮かんでた、そしてその七色のうえに原色のナイロンや赤茶けた錆び混じりの鉄くずや、かつて生きた命が原型を留めずに寄せては還されてゆく。

「なあ、ディータ」
まだ変声期を終えていないかすれた声でガゼルは僕に話始めた。
「あの鉄塔の頂上には何があるんだろうな……ここでお前といるとき、いつも考えてるんだ」
ガゼルと云うのは本名じゃない。僕らふたりには名前なんてない。
「いつか……いつか、それを確かめに行くんだろう?」
そう言うと彼はこくりと頷いた。
飽きもせず、真っ直ぐに眺めていた。睨むと云うほうが正しいかもしれない。
鉄塔の先端は月に刺さり、あたりはもう暗がって、街は昼間とは別の色彩を持って喧騒を始めていた。

僕はディータを名乗っている。
彼はガゼルと。
それは互いに名付け合った名前だった。

サンシャイン・アンダーグラウンドには小さな教会があって、そこには頬に切り傷の痕が影をつくるほどの深いしわになった神父がいた。
僕らは真冬の朝にその教会に捨てられているのを見つけられ、12歳まで、つまり一年ほど前までそこで保護されていた。

神父は僕に本を与え、読み書きを教えてくれて、神様の存在を説いた。
“君達はやがて、この腐敗の地から光の地へと旅立つだろう”
そう教えてくれた。

ここには義務教育も少年法も存在しない。
略奪行為を働き、その結果として殺害される、そんな少年たちが後を絶たない。
少女たちは体を売り、日々を生き抜く糧にすることもある。

純粋な意味での労働なんてものはない。
大量に廃棄された物資のなかに混ざる金や銀、その他、鉄片や再利用できるものを回収し、資源に乏しい国家に密売することでわずかな収入を得る。
僕らはまだどちらにも手を出してはいない。
街の小さなマーケットから食糧をこっそりとくすねては食べ、どうにか日々をやり過ごしている。

いつまでも続けられるはずはない。
生きてゆくつもりがあるなら、だけれど。

「いつかのことはいつかのことか」
痩せた体をバネのように捩らせてガゼルは立ち上がる、細い顎のラインが鉄塔から伸びて届いた光にさらされて、伸びた髪が風に吹かれた。
土の混ざる埃が舞う。
いくか、ガゼルは言って僕も立ち上がる。

高台を降り、下界へ。
サンシャイン・アンダーグラウンドで僕らは生きる。ろくでもないやり方でろくでもない食物を手に入れて、ろくでもない世界で今日をサバイヴし続けてる。


……続劇
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2011-12-29 19:58 | カテゴリ:the sunshine undergr
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かつてこの橋の向こうには小さな街があった。
地図に載ることもなく、誰に知られるでもない、小さな小さな街。

それはもう役目を果たし、放置された人工島のコンビナート、出自を隠した船が大量の廃棄物を持ち込み、その船に乗る者たちは肌の色も使用する言語も多様で、彼らのなかにはその胸に過去を封印する者も多かった。

漂着物の滞流する澱んだ港を持つ混沌の街。
そこには生きる場所をなくした、あるいは逃げる場所を探してたどり着いた人々によって形成され、世代交代を経て、法的な力の及ばない、無秩序でありながらも極少単位での国家の様相さえも呈しつつもあった。

亡命者たち。
罪人。
そして、貧困と困窮の果てに“現実”での生活からの逃避をよぎなくされた人たち。
新たな名前を自ら名乗り、過去を封印してそこに生きる。

漂着の島。
沈罪の孤島。
もしくはごく単純にゴミの島。

いくつもの名前で呼ばれ、生き場を失った彼ら、彼女らはそこを終の住み処に、腐敗と埃にまみれ、法整備すらままならない劣悪な環境下、家族さえも持ち、独自の自治さえ設けて、日々をどうにか生き抜いていた。

僕らは……そう、僕らはそんな場所に生まれた。
そんな名前のない国に生まれて育った。

世代としては三世代目にあたる。
さまざまな言語が飛び交う秩序のない国は、新しい名で僕らを取り囲む。

陽のあたらない地上、地下に生きるほかなかった人々が集まる地上。

誰がそう名付けたかは知らない。
ただ、僕らの世代はこの国をこんなふうに呼んでいた。
「サンシャイン・アンダーグラウンド」と。


無力でしかない僕たちふたりの小さくも悲愴な命はここで始まり、そして何処へ向かうだろう。

物語るには少し時間がかかり、時系列を無視しても過去と現在が同一の線上に語られる。
そうする以外に、方法がないからだ。


☆☆☆


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ねえ、覚えてるかい?
僕らはいつも二人列んで、夕に染まる鉄の塔を眺めてた。
踏み板が一段ごとに抜けた螺旋階段を這うように昇り、錆びたコンテナやひしゃげたクルマを積み重ねられた高台に座り込み、何を話すでもなく、ただ、赤から黒に変わる島を眺めてた。

島のどこからでも見える鉄塔、ちょうど中央にあった、それが何を目的に誰が建てたのかも分からない。
地下のようなこの国で、いちばんに高いあの塔。太陽にさえ突き刺さりそうな尖端。

いまになって思う。
あれは地上にもがく僕らを嘲笑い、ときにその無様に涎を垂らしながら、ずっとずっと僕らを見てた。

何度も口ごもりながら、少ない言葉のなかで、なんどか話した。
いつか、あの塔に昇ってやろうって。

それがそう遠い日のことだなんて思いもしないくらい、僕らはまだ無力に過ぎなかったんだ。



…続劇
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2011-12-29 16:41 | カテゴリ:the sunshine undergr
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正義なんて知らなかったし、僕はそれを知る術さえなかった、誰のものさしなのか知らない、

蹴り合う人を囃す人々、見慣れた景色を疑うはずなく僕らは生きる、この世界の在り方なんてひとつも知らず、

星を数えた、それを笑った友はいつも塔を眺めてた、瓦礫を組んだ支配の塔だと知るはずもなく、

臨む海には橋がかかって、それがどこに行き着くものか知りながらも知らぬふりを誰もが続けた、きっと僕らも同じに過ぎず、そのままで生きることもできたのだろう、

だけどそうはしなかった、その先、見果てを想像だけで抑えるにはあまりに僕らは生きようとし続けたんだ、


Dita and Gazzelle...
coming next trial,

“the sunshine underground”


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2011-12-29 15:49 | カテゴリ:the sunshine undergr
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地図に載らない島に生まれた、棄てられしが棲む最果ての場所、名前さえも与えられずに、

うずたかく積まれた錆び鉄の山、流れる水には爛れたオイル、海鳴りと風が巻き上げる純度ゼロの視界にて、

孤独の痛みを知ろうにも、ハナから誰もいなかった、空を眺むも空腹は紛れるわけもなく、

星を数えるただひとりの友人を、ガゼルは何度からかったろう、手にできないに価値などないと、それでも友はそこにいた、静かに微笑みさえもして、

僕らは互いに互いを呼び合うために名をつけた、僕らにしか分からなくてかまわない、君はディータで僕はガゼルだ、


to be next……“side Dita”.

Gazzele and Dita in new program...

“the sunshine underground”


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2011-12-25 16:46 | カテゴリ:時計じかけのジュヴナイル
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目覚めると僕は突き出したレンガの縁の上にいた。
しがみついていたはずの長針からは手を離して落下してしまったみたいで、遥か上に時計が見えた。
僕は生きて動いてる、秒針が回転する音、その瞬間を刻む音が上空から吹きつける風に乗せられて届いてきた。

あのとき……そう、僕が長針にしがみついて止まってしまった時間を動かそうとした瞬間……突然、動いた針の振動で僕は落っこちてしまったんだ。たった一分の時間の経過だけで、あんなに大きく揺さぶられるなんて考えてなかった。
「……雪?」
周囲を見渡すと白く光る結晶が舞っていた。手のひらでそれを受け止めてみる、みるみるその結晶は僕の体温に溶けてゆく、小さな星があたたかな水に変わってゆく。

それは雪じゃなく、時計の文字盤や針を停止させていた氷の破片だった、再び動き始めた時間が氷を小さな粉にして、僕やずっと下に眺めるバースデイ・タウンに粉雪を降らせていた。
帰ろう。
僕はそう思う、ルッカの待つ僕のふるさとへ。彼女と育った大切な街、バースデイ・タウンへ。
時計は時間を刻んでる、バースデイ・タウンもきっと動いてる。
ルッカが僕を待っている。


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「おかえり」
バースデイ・タウンで僕を待っていたのは、少し大人びた笑顔のルッカだった。
髪型のせいかな、そう思ったけど、よく分からない。
「ただいま」
ずいぶん久しぶりみたいに思った。笑顔の彼女、生きて動いている彼女。
「ね、見て」
ルッカは言う。指差したのは、もう高く遠すぎて微かに輪郭がつかめる程度の、あの時計。
「ロッソ、君がさ、時間を取り戻してくれたんだよ。だからバースデイ・タウンはまた動きはじめたの」
時計じかけの街、バースデイ・タウン。
粉雪は溶けて小さな雨になり、ささやかに降り続けていて、街の外にはアーチがかかっていた。
虹だった。

虹を見つめながら、僕はそっとルッカの手を握る。柔らかくて温かい手。生まれて初めて、つなぎ合わされた手。何も言葉はなかったけれど、気持ちもつながったように彼女の手にも少しだけ力が入る。

また僕たちは時間を刻んで生きてゆくんだろう。
街にまた夜がくる。
明日の朝、またいつものような優しい時間が来るとは限らないけれど、それでもいい。
時間が止まってしまったら、また動かせばいい。
優しい夜がすべての人を包んでくれたらいい。
いま、僕はそう思った。


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時計じかけのジュヴナイル <1>
時計じかけのジュヴナイル <2>
時計じかけのジュヴナイル <3>
時計じかけのジュヴナイル <4>
時計じかけのジュヴナイル <5>
時計じかけのジュヴナイル <6>
時計じかけのジュヴナイル <7>
時計じかけのジュヴナイル <8>
時計じかけのジュヴナイル <9>
時計じかけのジュヴナイル <10>

時計塔のある街で

「時計じかけのジュヴナイル <クリスマス編 おわり>」


all illustration and story by Billy.
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2011-12-24 19:28 | カテゴリ:星屑のロビンソン
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星屑のロビンソン

世界中の子供たちに、幸福な夜が訪れることを心から願います。

メリークリスマス。


この記事はコメントを受け付けてませんけど、前記事のほうならコメントくださいねっ!!

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2011-12-24 10:40 | カテゴリ:時計じかけのジュヴナイル
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時計は止まってたんだ、秒針だけが震えながら前後していたけれど、長針と短針は凍りついて時間は止まってしまっていたんだ。
へり背をつけて、あごを引いて真下に目をやるとバースデイ・タウンが小さな庭みたいに見えて、そしてそのさらに下にはバースデイ・タウンを巨大にした街が見えた。

時計塔の下には巨人が住んでいる、それは噂なんかじゃなかった、そこにはアタマにネジのない巨人たちが西へ東へ行き来していた。
ときどき、僕のほうを見上げる巨人がいる。
違う。
僕を見ているんじゃない、時計を見ているんだ。
時計が止まってしまっても生きて動くことのできる人がいる。
じゃあ、僕らは、バースデイ・タウンって一体なんなんだろう……。

「そんなことはどうでもいいんだ、僕は凍ってしまった時計をなんとかしないと……」
口にしてはみたものの、どうすればいいのか分からない。
でも迷ってる時間なんてないんだ、僕は助走をつけて走り出し、全身をバネにするつもりで跳び上がった。
届かない。
落ちる……。
弧を描いて落下してしまう自分の姿が脳裏をよぎった、そのときだった、振り切れるほど伸ばした手に握っているペンダントのチェーンは長針の先、その矢印のかたちをした尖端に引っかかって、僕は宙に吊られていた。
手繰りよせるように、這い上がるように手を伸ばし、僕はその巨大な長針にしがみつく、手が痺れるくらい冷たかった、表面に氷が張った文字盤に体が触れ、あまりの寒さに僕は気が遠くなりそうだった。

どうせ、いずれ止まってしまうんだったら、無茶をしたってかまわない。
僕は体を振り子のように左右に揺さぶって、どうにかもう一度、時間を再開させようともがいていた。
ずっとずっと見ていたい笑顔があるんだ。


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時計じかけのジュヴナイル <1>
時計じかけのジュヴナイル <2>
時計じかけのジュヴナイル <3>
時計じかけのジュヴナイル <4>
時計じかけのジュヴナイル <5>
時計じかけのジュヴナイル <6>
時計じかけのジュヴナイル <7>
時計じかけのジュヴナイル <8>


illustration and story by Billy.


<つづく>

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2011-12-23 22:55 | カテゴリ:時計じかけのジュヴナイル
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走り出す、僕は見たこともない高く遠くそびえる塔に向かって走り出していた、止まった時間を取り戻すために。
僕らが住むバースデイ・タウンは鐘が鳴らない限り、そして時計が動き続けない限りは動かないってルッカが言った、僕は彼女に渡されたペンダントを握りしめ、ひたすら塔を目指して走る。
本当のところ、僕にはよく分からない、それでもいいって僕は思う、たかがしれた僕の力ではルッカのネジを巻き続けることなんて出来やしない、だからといって、僕はこの世界が、この街が、大切なガールフレンドが沈黙してしまったバースデイ・タウンなんて要らない。

「ロッソ、あなたは盗賊になるんでしょう? じゃあ、失われてしまった、塞がれてしまった時間を取り戻してきてよ」

ルッカはそう言ったんだ、それだけなんだ、僕がこの世界にいる理由ってやつがあるんなら、それは大切な人がいる世界をあきらめたりはしない、それだけなんだ。

誰もがたどろうともしなかった巨大な時計へと続く階段がある、あまりに冷たい風が四方から吹きつけて飛ばされてしまいそうになる、僕はルッカに手渡されたペンダントを握りしめ、這うように階段を登ってゆく。
凍りついて止まった時計のネジをもう一度、巻き直すんだ。

円状の時計塔に巻きつくように螺旋を描く階段を駆け上がる。
塔を形作るレンガは積み重ねられたそのひとつひとつが異常に大きい、僕の背丈くらいはあるかもしれない。まるで小人になってしまったような気がした。
それに対して階段は僕の歩幅に合わせているかのように……いや、バースデイ・タウンの住民に、と言うほうが正しいのかもしれない、とにかく、そのサイズの比率は不自然だった。
塔をつくったものと階段をつくったものはそれぞれ違うような気がした。」
どちらでもいい。誰がなんのために造ったのか、誰のために造られたのか。なんだっていい。僕は無心を心がけ、僕自身がネジを巻いているかのように階段を登ってゆく。
やがてその先にはきりきりと耳障りな音を立てて、表面が青く光る時計の文字盤が見えてきた。


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時計じかけのジュヴナイル <1>
時計じかけのジュヴナイル <2>
時計じかけのジュヴナイル <3>
時計じかけのジュヴナイル <4>
時計じかけのジュヴナイル <5>
時計じかけのジュヴナイル <6>
時計じかけのジュヴナイル <7>

illustration and story by Billy.


<つづく>
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2011-12-23 00:35 | カテゴリ:時計じかけのジュヴナイル
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「ルッカ……」
頬に少し赤みがさした彼女はいつものようにクールな佇まいではなかったし、どこか焦点が合っていないようで僕を見ているのか、それとも僕の背後の風景を見つめているのか分からなかったけれど、それでも僕は安心して深呼吸ができたんだ。

「ルッカ……目を覚ましてくれたんだ……」
「ロッソ……」
「街は……バースデイ・タウンは停止しちゃってる、ネジが巻かれないと朝が訪れないっていうのは、例え話なんかじゃなかったんだね……君のネジを巻いたのは僕なんだ、少ししか巻けなかったんだけど」
ルッカは目をこすり、周囲を見渡してから小さく溜め息をついて話しはじめた。

「そう……ロッソがネジを巻いてくれたんだね……ありがとう……でも……」
「でも?」
「ロッソ一人ではバースデイ・タウンすべてのネジは巻けない……ねぇ、今朝、鐘は鳴ったの?」
鐘。朝と昼と夜に響く祝福の鐘。鳴ったんだろうか? 聞かなかったような気がする。今朝のバースデイ・タウンは何も音がなかったような気がする。
「分からない、でも鳴ってないような気がする……。でも、どうして?」
「……私たちバースデイ・タウンに住む人や動物や……そう、命があるものたちは時計じかけなの。いつもと同じように朝を迎えて陽が沈むまでの間、ずっと時計が動いていてくれるから、私たちは生きて動いていられるんだよ」
時計……僕らの住むこの街の遥か頭上にあるという、巨大な時計。
かすんで見ることはできない、あまりにそれは高く遠くて、話に聞いたことしかない。
そんなのは単なる噂だと思っていたけれど。
「ロッソ」
ルッカは真っすぐに僕を見つめて言った。
「きっと時計が止まってしまっているのよ。理由は分からないけど、鐘が鳴らないのも私が起きられなかったのも、街が寝たままなのも、時計が止まっているからなの……」
ルッカは一気にまくし立てたけれど、僕にはその意味がよく分からなかった。
時計? それが止まると僕らは生きてさえいられない? よく分からない。
「ロッソ、君は盗賊になるんでしょう、君や私たちのために止まった時間を奪い返してきて、お願い……」


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時計じかけのジュヴナイル <1>
時計じかけのジュヴナイル <2>
時計じかけのジュヴナイル <3>
時計じかけのジュヴナイル <4>
時計じかけのジュヴナイル <5>
時計じかけのジュヴナイル <6>
時計じかけのジュヴナイル <7>

illustration and story by Billy.


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2011-12-22 07:20 | カテゴリ:時計じかけのジュヴナイル
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もし世界が停止してしまったら、君は誰をいちばん最初に想うだろう。きっと、それは君にとっていちばん大切な人だって僕は想うんだ。
転がるように街を走って、僕はルッカのところへやってきた。
幼なじみで、ずっとそばにいてくれたガールフレンド。
不確かで不思議なこのバースデイ・タウンに生まれて、僕には彼女の存在だけが確かなものだったんだ。

「ルッカ!!」
彼女の姿を見つけた途端、僕は叫んでた。
停止してしまったバースデイ・タウンに何が起こったのかは分からないけれど、彼女さえ目覚めてくれたら、それだけでいいような気がしたんだ。
「ルッカ……なあ、起きろよ、ルッカ」
肩を揺さぶって何度も名前を呼び続けた、だけど、返事はなかった、彼女の頭からは巻かれていないネジが飛び出していて、その姿はまるでからくり人形みたいだったんだ。

バースデイ・タウンに生きるすべての命はネジを巻かれて朝に目覚める。
例え話なんかじゃなかった、ルッカの頭にもネジがある。
僕は恐る恐るそのネジに触れてみた。
温もりはまだ残ってた、彼女の肩や細い指と同じように温もりがあったんだ。
「ルッカは……生きてる、死んでなんかない」
なにをどうすればいいのかなんて、まるで分からなかったんだけど、気づけば僕は夢中でそのネジを巻いていた、この街の命がすべてネジを巻かれることで命を吹き込まれるんだとしたら、他に方法はきっとない。

どれくらいそれを続けたんだろう、ようやくネジは回転しながら少しだけ奥に沈んでいった。
「ロッソ……?」
か細い声が聞こえる、ルッカが目を覚ましたんだ、ルッカは生きてる、死んでなんていなかった。
「ルッカ……良かった……」
「ロッソ……街は……バースデイ・タウンは……?」
彼女は真っすぐに僕を見て、そう問いかけた。
なぜかは分からない、だけどそのとき、僕はルッカの目を見て、彼女がこの街の秘密を知っているような、そんな気がした。


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時計じかけのジュヴナイル <1>
時計じかけのジュヴナイル <2>
時計じかけのジュヴナイル <3>
時計じかけのジュヴナイル <4>
時計じかけのジュヴナイル <5>
時計じかけのジュヴナイル <6>

illustration and story by Billy.


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2011-12-20 20:18 | カテゴリ:時計じかけのジュヴナイル
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僕は目覚めるといつものように街をゆく。そこには変わらないままのバースデイ・タウンがあるんだってことを確かめてるような気だってする。
夜のうちにネジはちゃんと巻かれてて、昨日とそうは変わらない景色が広がっているんだって。
家にいちゃ分からないから、景色を横目にしながらルッカに会いに行く。

だけど。
その日は違ってた。

陽は昇っているのに、とっくにネジは巻かれたはずなのに、いつもの朝の賑やかな笑い声も、向かい合うたびのしつこいくらいの挨拶もなかったんだ。
通りにいる人の姿はまばらで、彼らだって止まってしまってたんだ、挨拶しても返ってこなかった。
昨日の続きは、今日という日は、当たり前みたいにあるわけじゃなかっただ。
音がない、それだけでまるで別の世界に紛れ込んでしまったみたいな気になる。
心臓を掴まれたみたいに胸の奥が痛くなって、僕は道端の花をやる、その花は咲いてなんていなかった、巻かれていないままのネジが突き出して、止まってしまっているように見えたんだ。

ルッカ。
僕は彼女のことを思い出す、胸のドキドキを我慢しながらひたすら走って彼女がいるはずの家へ向かった。
「ルッカ!!」
叫んで開けた戸の向こうにいたのは、眠るように静かな彼女が座り込んでいた。


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時計じかけのジュヴナイル <1>
時計じかけのジュヴナイル <2>
時計じかけのジュヴナイル <3>
時計じかけのジュヴナイル <4>


illustration and story by Billy.


<つづく>
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2011-12-20 00:52 | カテゴリ:時計じかけのジュヴナイル
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このバースデイ・タウンに住む僕らには、見ることができないくらい高くに時計があるんだ、その時計は塔の頂上にあって、街は塔の途中につくられた。
朝を、昼を、夜を告げる鐘は街の少し上にある。
あまりにも大きくて、その鐘が鳴ると街は痺れたように揺れてしまうくらいなんだ、バースデイ・タウンのある時計塔は地上から真っ直ぐに空まで伸びて、この街の下、地上には巨人たちが住んでいるらしい。そんなの単なる噂だろうって思ってるけど、実際に見たことはないから僕にはよく分からない。

時計が回転を続けて、時間を刻む限り、街も僕らも生き続けてゆくらしい、この国に住む人はずいぶんと長く、そんなふうに暮らしてきたらしいんだ。
いくら見上げても、目を凝らしても、頂は輪郭さえ見えない。耳を澄ませば秒針の音が少しだけ聞こえる。
風が鳴っているだけのようにも、遠くをゆく鳥の鳴き声にも聞こえる。

「明日はどこへ行こう」なんて誰も問わない。この国から出てく人なんていないんだ。
出てゆけないし、バースデイ・タウンに生まれたヒトはバースデイ・タウンにしか生きられないらしい。
きっと、なにか秘密があって、それは知らないほうがいいことなんだって、ルッカに聞いたことがある。
彼女のおばあちゃんのお母さんは時計塔の番をしてるから、他の人よりは国の成り立ちを知ってるみたいなんだ。

永遠に止まらず、時を刻み続ける時計に見守られて、僕らは生きる。
じゃあ、時計が故障したらどうなるんだろう?
ルッカも僕も止まってしまうんだろうか。
僕はずっとそのことを考えてるんだ、ルッカと出会ったその日から。

僕らは生きてるんじゃなくて、時計に生かされてるだけなのかな、そんなふうに聞いてみても、ルッカは黙って首を振るだけで、僕はまた空を眺める。

時計が止まってしまうかもしれないって、いつも気にしてるから。
そんな不安に限って、それは現実になってしまうものなんだ。


時計じかけのジュヴナイル <1>
時計じかけのジュヴナイル <2>
時計じかけのジュヴナイル <3>


JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--111218_182206.jpg



<つづく>


illustration and story by Billy.
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2011-12-20 00:17 | カテゴリ:the sunshine undergr
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煤けたシャツが垂れる荒れ地に、座り人は何を見ている? 虚空を睨むそのさきに、合わせる対象らしきはない、

闇の市場に集う群れ群れ、ほうぼう身勝手、主張の声は荒ぐばかりで、怒号と悲鳴が十字に交う、ひとりひとりが独りに過ぎた、

背徳の都市に孤独が、
群集に紛れこむほど、より深く刻まれる、
額に痣の初老は道の端に倒れてる、眠っているやら死んでいるのか、

背徳の都市に孤独が、
慣れたつもりで掻きむしる胸、荒れ果てる微望の先に、這いつくばるは氷の背中、生死は誰が咎めるもなく、

誰もが終わりを望むであれば、それは瞬にかなうだろう、寄る辺もなく夜を染め上げ、

色濃く残る、青と白の合間に眠る、旅に立つなら何を手にする? 裸に立つでは、この地はあまりに苛烈に過ぎる、

背徳の都市に孤独たちは群れなして、冷たい雨をただ浴びる、

背徳の都市に孤独たちが群れなして、凍る視界をただ見てる、



to be next round...

“the sunshine underground”

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