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2009-11-30 22:10 | カテゴリ:未分類
冬がキライ、だからって好きな季節があるわけじゃないけれど、とりわけ冬はキライ。

窓の向こうの青白い景色が憂鬱で、冷たく続く雨は何日も止んでない。晴れた空を思い出せない。

今年の冬、もうすぐ12月、あたしは冬眠するって決めた。窓から見える雑木林の小さな丘に、たぶん昔クマが住んでた洞穴を見つけたんだ。

今ちょうど、その準備をしているところ。
ずっともっと寒くなるから、たくさんのものをスーツケースに詰めてるところ。

あたし、お酒は飲めないけれど、ジンとウオッカは暖かくしてくれそうだし、冬眠中に欲しくなるような気がするから。
大切なのはやっぱり食糧かな。昨晩、お腹が痛くなるまで食べたけど、全然足りないはずだから、たくさんたくさん持ってゆく。冷凍したバゲットにチョコレート、雪を溶かしてホットチョコレートを飲んでみたい。瓶詰ニシンにビーフジャーキー、あるだけの缶詰、ドライフルーツ。
リスに挨拶するためのドングリだって秋から集めてた。

時計なんかいらない。
毛布と枕は一応、二人分置いてきた。
カセットデッキにスケッチブック、ステンドグラスのシェードのランプ。

一人ぼっちになるかもだから、鹿のツノも持って行く。花くらいないと殺風景、造花のバラで代用しよう。

置き手紙には“ママ、パパ、あたしは春になったら戻るから。生まれ変わって帰ってくるよ”。

放浪の旅人、そんな気分でまだ暗い朝、誰もが寝てるうちに出かけるよ。
もし、彼が遊びに来てくれたり、ひょっとして一緒に冬眠してくれることになったら嬉しい、どうしよう。
考えてたら少し体が暖かくなって、余計に冬眠が素敵に思えた。

さえずる小鳥に「おやすみ」って言って、ニワトリには「うるさい」と口を尖らせる。

じゃあね、みんな、春になったらまた会おうね。
ぎっしり詰まって重いスーツケースを引きずって、あたしは凍りそうな街を歩いてく。
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2009-11-30 10:06 | カテゴリ:未分類
ジュデッカあたりに落とされちまって、どうやら僕は主人を裏切ったことになっていた。
“誰が僕を飼っていたんだ?”
ジュデッカ、地獄のどこからしい。死神気取りが仕切ってやがる。
“イリーニャ、君はここにはいない”
氷を溶かして、死神に別れを告げた。

黄金の流線型、カネ地位名誉、僕はいらない。欲しくないって言い放つよ。だけど君はそんな全部を持ってるみたいだ。

イリーニャ、その柔らかく甘い唇で。
イリーニャ、撫でるたびに零れる声で。
気高さなんか捨てればいい、どうせ無垢は透けてるんだ。
誰かにもらったドレスなんか脱いじまいなよ。

エッフェル塔を売っ払った、モナリザ贋作売っ払った、欲しいものがあるんなら言ってみなよ、うまくやってみるさ。

エルドラドを創りにゆこう、イリーニャ、君を奪いにゆくから、トランクに想い出を積めてなよ。

ディアスキンのドレスを用意した。ツノで出来たヒールもさ。

宇宙船をジャックして、
君の名つけた惑星へ飛んでゆこう。
イリーニャ、君の名冠した時代を贈る。

だからさ、体を預けて甘く囁いててよ。
だからさ、気品を脱ぎ捨て待っててよ。

他は何もいらない。
他に欲しいものはない。
ただ、抱きしめたいだけなんだ。



※えー、また御本人の要望にお応えし(照笑)、

http://m.ameba.jp/m/blogTop.do?unm=jyoryuusakka

上記にてブログを書いてらっしゃるお姫様に贈ります。
美幌と知性を兼ね備えたワガママキャット、イーニャさんのブログへ、
Let's Access!!
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2009-11-26 23:42 | カテゴリ:未分類
地下室で眠っていたら、屋上で目覚めてた、気分なんていいはずがない、ささくれだって左足が動かない。
ねぇラリーサ、あれを見なよ、パトライト瞬いている。群がる白黒、まとめて火を放ってやるか。
炎上、取り囲んで、サイレンに合わせて踊ってやるか。

火を飲み込んだマイ・ガール、アイスみたいに溶けたいんだろう。
暗がり急いでつまづいたんだよな、顔をあげてみなよ、幾億の男たち、うすら笑いで手を出してる。
そのなかのひとつ、僕もやはり群がって、君の手を狙ってる。
一番汚れていて、ろくでもない身なりが僕だ。
だけど、君が触れたことすらない数々が刻みつけられた指がある。
周囲を蹴散らしてやろうかな。

夜よ、さらなる深みを垂れ流せよ、もっともっと狂わせてくれ。
夜よ、あらゆる光を食い荒らしなよ、俺はラリーサ狂わせたい。

燃え上がる、ありったけのアルコールを浴びせてやろうよ、ねぇ、ラリーサ、最高だろう? ならず者のやり方なんだ。

気が済んだなら、ここから離れて君のいるべき場所に帰りなよ、ハイエナたちがよだれを垂らしてる。

僕はまた檻へゆく。小さな暴動、そいつの首謀者ってやつになる。
さあ、逃げろ。

手を離すよ、しばらく君を忘れてる。体温だけは忘れずにいる。
君は君が生きる場所で、僕はまた地下室へ。
朝が来てしまう、
朝が来る前に、
僕はラリーサ、君の手を離す。
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2009-11-25 22:51 | カテゴリ:未分類
革もどき赤いビニール、、ひび割れたソファに座る。洗ったばかり、昨日より白いカーテン、窓の向こうの空。
別に何色でも構わない。
相変わらずの乱雑で、テーブルを占拠している、もの、モノ、物。

ある以上はたぶん必要、だけど消えても気づかない。たぶん。

さっき空けたコロナの瓶、誰かが置いてったピザ屋の灰皿。卓上ライター銀色ドクロ、ガスはずっと前にきれている。ナポレオンの栓抜きはイタリア土産。
赤いマルボロ、プラスチックライター。水晶とエメラルドのドクロがひとつずつ、だけど使い道はないみたい。
ヒョウ柄絨毯、隅に埃がたまってて、読みかけやら読み終わりやら読まないやらが散らばってる。
ブコウスキー、サリンジャー、ここらは読んだ。フリーペーパー、読まずに捨てる。あの娘が忘れたファッション雑誌、夏の特集、もういらないや。
壊れたジュークボックス、モナリザ・ラベルのワインの空き瓶、グアダルーペの額装ポスター、ロックスターの人形が僕を睨んでる。
マリア様のショットグラス。
パンクバンドのレコードと造花のバラ、枯れないままなのがいい。
10時10分しか表示しない壁時計。壁一面のポストカードはなぜだか古い映画だけ、ゴッドファーザー、イージーライダー、スタンドバイミー、他にもいろいろ。
テレビは映画しか見ない。

希望が生まれたり、暗黒に包まれたり、嬉しかったり悲しかったり、感情が積もってる。

サボテンに話しかけたり、雑誌をパラパラめくったり、アルコールを浴びたり、スケッチブックに落書きしたり、無意味なフレーズ綴ったり。

あの娘と肌を重ねたり、疲れたら眠ったり、幸せそうな寝顔を眺めたり。

3秒ごとに過去になって、あしたはいつも不安ばかりで、なんとなくの憂鬱をないふりをしてみたり、新しい一本に火を点ける。

ここでずっと生きる気はないけれど、しばらくはここにいるんだろう。
今日は生きた、もうそれだけでいい。
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2009-11-25 03:02 | カテゴリ:未分類
鳴れムジカ、泣けムジカ、叫んで呼ぶから今ここで響けムジカ。
君が鳴らない世界は退屈で憂鬱だ、君が泣くから世界が息をする。
響けムジカ、泣きわめいて貫いてしまってくれ。
心臓をあげるから、鳴り止まないでくれ。
誰の心臓も君のものだ、好きなだけ飛び回れ、いくらでも奪い去れ。

ムジカ流れる深い赤、撃ちまくる気分、鼓膜に溢れる172度の熱、そいつで世界を狂わせて、渦のなかで踊らせて。

ムジカ転がる傷は赤、蜂の巣にされたんだ、火花飛び散るグラインダー、そいつで世界を狂わせて、原始の感触、踊るだけ。
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2009-11-24 22:57 | カテゴリ:未分類
テントのなかで象は暴き出した、何かに気づいたからだ、自分の体に纏わり付く金と銀の装飾、前脚あたりに転がるボール、なんだこれは、なんだここは?

今朝、象の体をきれいに撫でた飼育係も、毎夜、象に玉遊びを仕向ける調教師も、怯えた顔で後ずさる。

鎖を立ち切る、造作もないことだ、あなたたちは象の持つ力なんて知りはしない。

混乱してる、悲鳴をあげる、逃げ惑う。我先にと人間たちは人間たちを掻き分ける。

遮るものを蹴り弾いて、象は舎を破いて狭く閉じられた世界から脱出する、そこで象が見た景色。

地平まで続く草原、点々と立つ緑の少ないひょろり高い樹、流れる澱みのない乾風。
そんなものはどこにもない。
想い描いた景色はない。

象は慌てる。鉄球を引きずり、車輪のついた鉄の箱に足をかけ、少しでも遠くまで見渡してみる。

草原はなく、象は故郷をただ想った。家族や共に生きた群れを想った。
きっとこれは悪い夢だろう、そう想った。

いつの間にかライフルをかまえて睨む人間たちに囲まれていた。
一人が弾き金をひくのを合図に、象の体には数十の鉛が突き刺さった。獅子の歯より重く鈍い痛みと蛇の毒より麻痺のある熱が象の体を締め付ける。

そして象は力を奪われ横たわれる。
目を閉じる。抵抗などしないが、執拗に撃ち続けられた。
可哀相だと涙を見せる少女がいたが、象は静かに眠り、やがて、心は草原に帰って行った。
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2009-11-21 12:59 | カテゴリ:未分類
キャリーの大好きな、
ジルコニアのカチューシャは、シャンデリアみたいにがちゃがちゃしてて着けてしまうと見えないからって、彼女はいつもバッグに入れてる。

キャリーの大好きな、
小さなころママが読んでくれたクマの絵本は、最後のページが剥がれてしまったから、彼女はラストを思い出せない。

キャリーの大好きな、
12月にだけ咲く花は、イルミネーション、偽物だって知ったから、彼女は夜を嫌ってる。

キャリーの大好きな、
古くさいレコードは、誰も一緒に歌ってなんてくれないから、彼女はブランコ、小さな足を投げ出して一人ぼっちで歌ってる。

キャリーの大好きな、
優しい友達、遠い国に行ってしまったから、彼女は飛行機と国境と“仕事の都合”が大嫌い。

キャリーの大好きな、
優しいママはいつの間にかいなくなってしまってたから、彼女は一人でいるのが好きなふりをしてる。

彼女の大好きな、
恋人がくれたプラスチックの柔らかい指輪は、いつもキャリーの指にいてくれるから、淋しいキャリーはときどき指輪にキスをする。

彼女の大好きな、
指輪をくれた恋人は、最近少し冷たいから、それはきっと季節のせいで、キャリーは誕生日のある真冬が嫌いになった。

キャリーの大好きな、
キャリーの大好きな、
そんなの意外に少ないから、
そんなのほとんどないくらいだから、

彼女はせめて、
自分を好きだって思うようにしてる。
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2009-11-19 09:34 | カテゴリ:未分類
エデンの東、そこから地球を2周半、霧に包まれた島、衛星にさえ見つけられない、そんな島があるんだって。

海図もなくて、羅針盤も置いてきたよ、そんなの役に立たないし、風を突き抜けて、僕らはそれをイメージし続ける。

無知で無謀でバカげた旅だ、でもさ、行ったことのない奴に“たどり着けるはずがない”なんて言われる覚えはないね。

君を連れてくんだ。
君を連れてくんだ。
想いの彼方に楽園はきっとある。誰も目指さない果ての果てにさ。

新しい島を見つけたら、ふたりだけの国にする。幻に見たオアシス探す砂漠の旅と同じさ。

カモメにナッツ、御礼にオリーヴくれるんだ。移民を乗せたスロウ・ボートにピースサイン、サメにブーツを食わせてやろうよ。

見逃さないで、頭上にスピカ光ったら、タキシードに着替えよう。
ネコとウサギが舞っているから、手作り国旗を掲げよう。

迷ってなんかないよ、間違っていたとしてもさ。
愚か者がゆくんだよ。
愚か者はゆくんだよ。

君を連れてくんだ。
君を連れてくんだ。
想いの彼方に楽園はきっとある。誰も想像しない世界の果てにさ。
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2009-11-19 09:31 | カテゴリ:未分類
寝ぼけたアート・ブレイキー、チュニジアあたり砂の吹きつける夜。
やけに乾いてる。

星のアルペジオ、ラヴ・フール。

金の混じった水を飲んでるカシカ、宮殿模様のピアス揺れてる。

ルーシが吹いて、空は泣き叫んでる。
“ポインセチアっていつ咲く花?”
アッシュのプレート首から下げた黒いネコ、ティアラ食わえて路地裏、闇に紛れて消えた。

星のアルペジオ、ラヴ・フール。

チュニジアン・サマー、夜は化繊を編み込んだブルー、トカゲの眼のミドリを縦糸、サソリの垂らした毒を横糸、甘いニオイが流れてる。

コヨーテ毛皮を脱ぎ捨てて、チュニジア、夜を徘徊してた。

コヨーテ毛皮を脱ぎ捨てて、チュニジア、夜を徘徊してた。
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2009-11-18 18:39 | カテゴリ:未分類
氷でできた街をゆく。指まで痩せてしまった男、落ち窪んだ両眼が放つ鈍色で、青白い視界を孤独に歩く。
太陽は水晶で、力尽きた相棒、鉄の馬から引き抜いたイナズマをじゃらじゃら指で回しながら、ひと気のない氷を踏みつけた。
鎖の巻き付いた脚、地上を削りあげながら、凍ってゆく足跡なんて振り返るわけでもない。

氷混じり砕いた水晶吸い込んで、白い煙を吐き出している。
オイルのウオッカを口にして、心臓に火を点ける。
マイナス25度の街、上空100キロあたり、放電した宇宙が黒に近い赤のカーテン揺らしてる。
窓から空を見上げる子供たちは憂鬱そうで、小さな手をピストルにして太陽を狙ってた。

世界はもうすぐ終わるって、そんな噂には興味のないJ.D、じりじりと夜の迫る街をゆく。
世界の終わりが始まってるって、別に関係ないねと強がるJ.D、魔女に凍らされたあの娘を探して、音のない世界を進む。
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2009-11-17 23:35 | カテゴリ:未分類
食べるにさえ困り、スクラップを漁る干からび飢えた村。
ボロをまとう大人たちは手垢まみれのコインを見つけては嬌声をあげ、我がものにせんと群がっては血を流す。

そんな村に少年は生まれた。
久しぶりに生まれた彼は神の子と称され、村と国と蔓延るすべての問題から人々を救うとされた。

けれど彼はただの無力な子供に過ぎず、自分がなぜ“神の子”なのか理解すらできなかった。

少年の目には未来など見えず、
少年の耳には未知の声など聞こえず、
少年には人々を導く言葉など持っていなかった。

奉りあげられるまま村の主にされた少年はそれが運命だと諦めはしたが、人々を失望させることは言えなかった。

少年は育ち、痩せさらばえた体ではあったが、無事に成人することができたのだ。

神に定められた少年は英知を求められ、初めて言葉を放った。
“私は神ではなく、あなたたちを救うことはできません”と。

人々は口々に彼を罵り、暴力さえも振るわれたが、彼は薄れゆく意識のなかで呟いた。

“神よ、私たちは愚かしく醜い、この粗暴の果てに消し去ってはくれないでしょうか”と。
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2009-11-17 00:28 | カテゴリ:未分類
子猫みたいな女の子、着飾り、しなやかなヒョウみたいなふりしてる。甘いニオイを撒き散らしてる。

その柔らかい耳、けっこう好きで、髪を掻き分け噛みつきたい。
強がるイリーニャ、ワイルドキャット、だけど眠れない夜に震えてる。

キラキラした石いくつも欲しがる、欲張るイリーニャ、手を伸ばしてる。
水晶ドクロあげたのにまだ足りないんだよな。

架空の星座を見つけなよ、新しい星探しなよ、好きな名前をつけていいからワイルドキャット、夜を全部食べりゃいい。
イリーニャ、だからさ、耳だけ欲しいんだけど。
イリーニャ、君のさ、耳たぶ噛みつきたい。
欲しがる言葉を見つけてくるから、イリーニャ、甘えたワイルドキャット、左右の目の色、違う光の秘密を教えてよ。

地図の名前なんかウソだらけ、好きなように変えればいいよ、好きに生きてたいなら星のひとつくらいイリーニャ、君にあげるよ。

魔法使いになりたいイリーニャ、無理だって分かってる。背中に羽根をつけたって、天使にしか見えないからね。
強がるなんて疲れるだけだ、だからその耳、隠すのやめなよ。

強がるのはやめなよ、イリーニャ。強がらなくていいワイルドキャット、欲しい色を教えてよ。
アスファルトも鉄骨も君には要らない、欲しがるのは優しい夜だけ、ナイフみたいな三日月の、とろとろ溶ける柔らかな体温だけって、イリーニャ、耳に囁くから。

遠く瞬く未知の星、僕はイリーニャ見つめてる。


※今回は素敵な女の子に捧げます。

http://m.ameba.jp/m/blogTop.do?unm=jyoryuusakka


上記にアクセスお願いします!! 素敵な女の子、ワイルドキャットのブログです。男子はメロメロになるでしょう。
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2009-11-16 23:28 | カテゴリ:未分類
初めて見た雪の夜、明けた朝には溶けていて、街灯の下で湖になっていた。小さな小さな湖、まだ誰も見つけていない。

2階の窓からそれを眺めている、身支度して外へゆく。
温かいココアが冷めてしまうより早く、ラジオの歌が終わるより前に。

湖、トラックが踏みつけちゃったけど、波打って残ってる。
混ざり合わないオイルが滲んで、色の少ない虹を浮かべてた。

“虹が出てるよ”なんて誰かに教えてあげたいけれど、話す相手がこの街にはいない。友達ができるころまで消えないでいて欲しいけど、それはきっとムリだから、いつか誰かに教えてあげよう。

君に出会う少し前、ここには湖があったんだよって。虹だって映り込んでいたんだよって。

はく息が白くって、なんだか煙突みたいだよって、何度も何度も、僕は息を吐き出した。

初めての冬が好きになれそうな、初めての街が好きになれそうな、そんな気がして。
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2009-11-16 18:40 | カテゴリ:未分類
センターライン跨いだまんまアウトバーンの気分で走る、激突してくるのを待っている、先端割れた赤いパイロン潰しにかかって、避けてくクルマにクラクション、マシンガン鳴らして唾を吐く。
影を振り切り、爪先、アクセル踏み込んだまま。
アスファルト削ってまたたく火花、落ちてきた流星群に突っ込んでゆく。
ドロップ一袋、まとめてかじる、味なんてなんでもいい、甘い石ころ噛み砕いて体に砂利道、パイン・ソーダを流し込んだら水脈できた。
異常に発生したカラス、436対の黒い羽根、羽ばたくたびに暗闇降らせて、空を食い散らしに青のなかに次々突き刺さる、傷だらけの天、噴き出した血は夕焼けになって、世界に夜が来る。
雹みたいに地表めがけて止まない流星、その群れ向けてクルマを走らせる。

憂鬱やら退屈やら、そんなの全部忘れさせてよ。
ぶつけるから、
ぶつかるから。
悲しいやら不自由やら、全部焼き尽くしてよ。
弾け飛んでやるから。
弾け飛んでやるから。

君は大丈夫。
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2009-11-15 14:46 | カテゴリ:未分類
青は抽象すぎて、なんだかよく分からない。黒や白にはそんなのないしね、“淡い”とか“薄い”とか“濃い”とか、そんなのなんだか面倒で、青は空色、それでいい。
デニムはデニム、群青色は群青色、ネイビーは海兵隊色、それでいい。

湖が緑に見えるのは僕のせいなんかじゃないし、水没した潜水艦は二度と浮上しない。死んじまったらそこまでさ。

信号が全部、青だったら悪くないね、突き進めるからさ、地球が青いだなんて迷信かもしれないよ、見たことなんてないんだから。

青は突き刺さって、いつだってアタマにくるよ。
頭痛薬が手放せない。
青が突き刺さって、今朝だって痛みばかりだね。
鎮痛剤、誰かくれよ。

世界が砂漠になれば青はたぶん、空だけかな。
青いバラを作ったなんてバカバカしいしね。

青は青いだけ。
青は空にあるだけ。

アブストラクト・ブルーがいつだって僕を狂わせるから。
アブストラクト・ブルーはいつだって僕を狂わせるから。

青は見上げれば見えるし、どんなものだか分かるから、小さく区切るなんてやめちまいなよ。
やめちまいなよ。
やめちまいなよ。
青は空にあるだけだ。
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2009-11-13 12:47 | カテゴリ:未分類
陽の下なんて歩かないって決めたアノーカ、星のない夜を選んで歩く。
“だってあたしは夜行性のコウモリの子”

樹木を枯らせた最初の風の夜、アノーカ枯れ葉を拾ってた。月の明かりじゃ色なんて分からなくって、手触りだけで季節を知った。

赤みの強いエンジが溶けた2つの尾を持つ犬、アノーカ嗅ぎまわって柔らかな背を擦り寄せた。
あたしに触ると汚れるからって、彼女は犬に首振った。

眠り薬で朝を殺して、アノーカ閉ざしたカーテン越しに夜を探してる。口癖は“グッバイ・モーニング”、あたしは黒い世界が大好きだから、お陽様あんたはいらないわ。

コウモリ、ネコと幸せそうに鼻歌で、カマイタチを探してた。
アノーカ、いつものロザリオ垂らして、オイル爛れた海にゆく。泥を掬ってコンビナートに返してあげる。

彼女は朝焼け、碧くなる波打際を胸に描いて、いつも通りに呟いてみる。
バイバイ、グッド・モーニング。
あたしは眠るからさ。
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2009-11-13 01:27 | カテゴリ:未分類
変わり映えのない今日が昨日のイメージ通りに終わってゆくよ。
しつこいだけの雨がなにもかも洗い流してくれたらなぁ、なんて他人まかせの情けない望みを抱いて。

少しずつ大きくなる空白ばかり、尽きもしない解答ばかり体のなかに溜まってゆくよ、日なたと日陰を繰り返すんだ。

君を想えば少し楽になるけれど、それは冬の真夜中、弾け散る花火と同じなのかもなぁ。
どう思う?

シリアスなんて苦手で、軽薄、ニヒルなふりをするんだ。先送るだけの迷いは未来に横たわる質問状。

この痛み、つぶやいた孤独の果てに光はまたあるのかなぁ。
また少し歩くよ。
そうするしかないんだろう。

この想い、立ち込める霧の向こうで、君はまたその手を差し出してくれるかなぁ。
ぽっと灯る温かさ、その光に導かれ、薄暗いリアルに足を踏み入れる。

献身と愛は違うし、強がっても強くはならない。曖昧な言葉を並べても、何ひとつ変わるわけじゃない。

勝つでもなく負けるでもない、リアル、グレーを生きながら、どうでもいいやってやり過ごすよ。
道はまだ続いているし、僕にはきっと歩いてくしか能はない。

変わり映えない明日を迎えて太陽だとか吹く風だとかに舌を出してやる。
君を探してる。
ぶつくさ独り言を置き去りながら、ずっとずっと歩いてゆくよ。
ずっとずっとさ。

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2009-11-12 19:47 | カテゴリ:未分類
真南、夜に輝く変光星、クジラ座中央、心臓あたりで静かに光る。ミラはそんな星に住んでいる。
アンドロメダ食うクジラ、そんな星に。

ちかちか弾ける刹那の宇宙、毎夜11時を過ぎたあたりで燈される彼女からのサイン、僕はまばたきすらせず見つめてる。

星と星がジャズを奏でてる。

ストロボライトを点灯させて、いつか届く光を放つ。交差するホワイトライト、重なり合う時間と時間。

ミラと僕はジャズを奏でてる。

“ここでなんとか元気にやってる、ねえミラ、そっちはどう?”

アンドロメダを飲み込んだ巨大なクジラ、夜の深海泳いでる。そんなクジラの心臓あたり、あの娘に祈りをかかさずにいる。

朝昼いつも南の空にいるはずの、ミラのいる星、僕は気づけば眺めてる。
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2009-11-09 07:55 | カテゴリ:未分類
火吹き男はガラガラ声、ピースマークのサーフボード、大道芸人、涙でメイクのとれたピエロ、リヤカーのグランドピアノ、ぬいぐるみを抱く猛獣使い、スモーカーズ・カフェ、ネオンに群がる行き場のない子供達、捧げられた祈り。
ロザリオ、コニャック、カメラマン。
ジャズとパズルと偽造のパスポート。
美しい水、ボトルシップ、ラブの落書き、店頭のブロッコリー。
サボテンに咲いた花、クジラの剥製、ミンク羽織る宝石女、ガラス玉の占い師、マルゲリータ、きれいに染めた金色の髪。

遠く雷鳴。

両手を広げたポップスター、ふわり浮く風船、モンシロチョウ、代表チームのユニフォーム、バラバラのミラーボール、25丁目の熱帯魚とそれを食べたワニ。それを売り付けるアフロは船で暮らしてる。

冬がにらんでる。

海賊版のストーンズ、トマトソース・ヌードル、サンタクロースへの手紙、フォルクローレ、マドレーヌと飛び出す絵本、網にかかった深海魚、干からびた川、エンジン音と排気ガス。
蛇革のサイフ、ひしゃげた金属バット、あの娘が捨てたピアス。

そんなのばかり集まってくる。
そんなのばかり集めてる。

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2009-11-04 22:14 | カテゴリ:未分類
このままずっと流されてゆくような、そんな気がするよ。
生温い右カーブ、低い濃度の液体になって、泡立ちながら道なり高速流されてく。

ハンドルから離した両手、柔らかな彼女の頬を包んでる。助手席、眠るガールフレンド、アメジスト縫い込んだずるり長いカーディガン、毛布がわりに眠ってる。

僕たちは溺れる魚。意思で生きられない弱さ、リヤシートに伸びる影、垂れるプラスチックのピアス。ずるずる流れるいい気分。

水族館の魚とサメに飲まれる魚だったらどっちがいい?
擦れて背鰭はなくなった。

息苦しくって、眠っていても泳いでなきゃならないなんて、ついてないって思うよな。

墜落してゆく魚みたい、深海じゃ息苦しい。渦に飲まれてしまうなら、いっそ水の圧で潰しなよ。

なんとか生きてるって、そんな感じで、誰もに優しくする余裕なんて持ってなくって、でも誰かと繋がってたい。

流されながら意思はまだあって、引きずってる意識があって、掻き混ぜたスープみたい、ろくな具がないって分かってる。

楽しくないけど、魚のアタマはこんなもの。
悲しくないから、魚になってもいいやって、ときどき思ってる。
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2009-11-03 07:51 | カテゴリ:未分類
明けてく朝、まだ夜が残る西の雲に七色、半円がアーチを描いてた。
かなた緑の頂上から伸びて、尻尾は鉄骨、塔に刺さってる。
アパートメントの窓から見つけたそれを追いたくて、寝ぼけまなこ、タバコを吸ってる恋人を抱きしめた。

ねえ、あの虹のどちらか端に行ってみよう。ふもとには宝が眠ってるって聞いたことがあるんだ。

月曜朝の憂鬱を煙と一緒に吐き出して、「子供みたいなこと言わないでコーヒーいれてよ」なんてリアリストはつまらないことを言う。

フィッシュテイル・コートを放り投げて、僕は革のトレンチ羽織る。ゴミ捨て場から貰ったお気に入り。
エンジン鳴らして、欠伸の恋人抱えて乗せて、はるか西へ走り出す。部屋のドア開けっ放しで、まあいいや盗りたいものならくれてやる、なんだかいい気分。

解放されて、今日は虹の尾を捕まえるって決めたら新しい朝、さえずるスズメとコールタールみたいな空に白いサギが群れてじゃれてる。幸せそうだねなんて、サイドミラーに声をかけた。

宝は何がいい?
君は何色が好きなんだっけ?
キラキラした石が落ちてるかもね。

たどり着いたら、リヤシートで愛し合おう。
虹はきっと悪くない日々が始まるサインだ、リヤシートで抱き合おう。
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2009-11-01 20:27 | カテゴリ:未分類
垂れ落ちたパーマネント・リキッドで左目が潰れちまったカーリー・ヘアの狼は群れから離れて自由にしてた。

ルールを破るのが子供のときから大好きで、国境見張る兵隊に撃たれた右脚、引きずったままで歩いてる。

太陽のステンドグラスが見たかっただけなのに、鈍い夜に光った13ミリが膝の上を貫いて、神経は引き千切られて、傷痕なめてくれたオッドアイと離れ離れになっちまった。
カーリー・ヘアがいた群れは村人たちに狩られてしまって、森へ散り散り逃げてった。
オッドアイが無事かどうかは気になるけれど、カーリー・ヘアには確かめる術がない。

先を巻いた茶色い毛、また触りたいって夜に泣く。ステンレスだらけ、人工河川の夕焼け見据え、いつだって悲しく吠えてるよ。
ルールや言葉が同じなら、ひとりでいなくて済んだのに、いつだってあの娘はまぼろしに見える。

昨日だとか今日だとか明日だとか、そんなのいらないって思うけど、ろくに走れもしないから。

隻眼、狼、孤独は続く。
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