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1901-12-14 05:45 | カテゴリ:ショートショート・フィクション




「20XX ボールゲーム」


「なにして遊ぶ?」
 八月を直前にした炎天、貨物列車は西から東へ叫びながら駆け抜けてゆく。
「ボールある? 大きいのでも小さいのでも?」
 カーリーヘアを刈り込んだ褐色の少年が問う。
「今日は両方あるよ」
 片袖がないTシャツを着た少年はその腕に一周のタトゥーが覗く、肌の色は灼けた黄色で伸ばした髪は編み込まれている。
「じゃあ行こうか。誰かいるだろ」

 生温い風が汗をかいた肌を滑る、ふたりの横をトラックが追い抜いてゆく。舗装が剥がれて割れた悪路、荷台が何度もバウンドする。
 だが何が落ちるでもない。

 ふたりはマーケットの前を過ぎた、割れたガラスはテープで補修されているがそのうえをさらに割られたらしい。もちろん店内は暗く人もいない。

「昨日は何か食べた?」
「トマトひとつ。君は?」
「鳥……たぶん。ハトかカラスか知らないけど。父ちゃんが獲ったんだ」
「……いいなあ……。肉なんていつ食べたかな」
「今度、父ちゃんに頼んでみるよ。ジェンにも食べさせたいって」
「ほんとに⁈ ありがとうトラウト」
 彼らにはファミリー・ネームがない。かつては誰もが持っていた、だが、いまはそれを持つのは旧世代のみになる。

「結構集まってるね」
 倒された鉄柵を軽々と飛び越えて、ふたりは空き地の中央へと歩いてゆく。真上からの太陽だった、影は足元で縮んでいる。
 陽炎。視界に小さな背中たちが揺れていた。

「フットとベース、どっちやる?」
 子供たちの遊びは限定されていた、何をやるにも足りることはなく、そしていつも誰かがいない。その誰かは明日また会えるかもしれないが、もう二度と会わないかもしれない。


<to be 2nd half.>

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1901-12-14 05:45 | カテゴリ:文芸パンク・焦熱



「ルフトハンザの孤独」


解放された夜を使って、闇とレールを抜き去る詐欺師、
名前を夜ごと使い分け、本当の名前は誰も知らない、
義であるべきと誓いをたてた、カネに綺麗も汚いも、
所詮は甘えた寝言だろうと、
〝使い途は手にしてから考えるだけ〟
不要な者が力持つより、彼は甘い言葉を吐いた、

逃げ脚の、速さは生まれつきみたい、
ホラも史実も同じ列にて語られる、
母親らしきが数人もいた、父を名乗るに血を流されて、
薄汚なく見たレール、
扉の向こうに灰色がかった自由があった、
偽名が彼を解き放つ、夜の紛いに溶け込ます、

詐欺師は今宵も甘い嘘、ありもしない未知の金塊、
童話を写した宝の地図や、観測されない星でさえ、
酔いどれたちが集う夜会に、甘美極まるウソを並べて、
汚れた手から汚した手へと、
ばら撒く夢で手にする現実、

解放された、夜の詐欺師の猜疑心、
彼はたったひとりでさえも信じず、
塗り重ねた美談を抱え、青い午前に跋扈する、
遠くへ続くチケットは、片道だけで東に向かう、
振り向きざまに目に映る、飢えたネコが横たわる、

片手にナッツ、喉の奥から薄ら笑いの優しい嘘を、
閉じた眼には通過儀礼の街の鐘、
失くしたものを数えるも、手にしたものが見つからない、
せめて俺は自由だと、燃え尽く陽のオレンジ見てる、
新たな地でも同じ嘘、積み重ねては歩くんだろう、
すでにその名を持たぬ者、唯一あるのが自由に似た不自由で、
彼は誰も愛さない、
彼は誰も愛せない、



I LOVE PEACE,I HATE WAR.

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