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2012-08-22 07:42 | カテゴリ:ペンギン星人物語
photo:01




 もはや単なるペットと化したペンギン星人がそこにいた、そことはつまり彼が宿主に選んだリョウタ少年の自室だが、当のリョウタは困惑するばかりである。
「もーすぐ夏休みが終わるんだけど……君はいつまで地球にいるつもりなんだい……?」

 ずっと水族館にいてくれたら良かった、それが少年の偽わざる心境であった、彼にとってペンギン星人の存在は招かれざる客に過ぎず、また、その来訪理由も分からない。
「ずーっとグウタラしてるだけじゃん、着ぐるみクン……」
「グウタラとは失敬な、君は私たちペンギン星人の真の姿を知らないだけだ」
「真の姿……? 変身するの?」
「うむ。満月を見ると大猿ならぬ大ペンギンに……」
「……ウソだろ」
「……よく分かったな。ウソだ、ペンギン星人は巨大化などしない、実は攻撃態勢になると母船に装備したレーザービームで地球をまるごと焼き尽くすことができる……ような技術は現状ではない。いずれそうなると良いのだが」
「結局、なにもできないんじゃん……」
 図星だった、ペンギン星人には特筆すべき事柄はなかった。狼狽を悟られぬよう、ペンギン星人は努めて冷静なふりをする。
「私たちは友好的な関係を築くべく地球にやってきた、私たちペンギン星人は母なる星を棄てた星間移民だ」
 地球侵略はどこへ行ったのだろう、リョウタは素直に思う。
「君と離れている間にも、金髪の青年と友好関係を築いたばかりだ、ジョニーとか言っていたな」
「外人じゃん……喋る着ぐるみが珍しかったんだね……」
 人種は無関係だ、魂の交歓があれば良いはずだ、ペンギン星人は誇らしげにそう告げた。
「よく分からないけど……僕は巻き込まれたくないんだよ……」
「……」
 いきなりの本音に言葉を失うペンギン星人だったが、姿勢は変えなかった。動揺に気づかれると快適な住居を失うことを知っていた。


<つづくんかいな……>

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ここまでのペンギン。

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祈り火と過ぎる夏

photo:02



祈り火と過ぎる夏 3
祈り火と過ぎる夏 4

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performed by billy.

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2012-08-21 08:20 | カテゴリ:ペンギン星人物語
“JACKPOT DAYS” all performed by Billy.-夏休み ペンギン 宇宙人 画像.jpg



 地球征服をもくろみ飛来したペンギン型の宇宙人と、その世話役になってしまった少年、リョウタ。
 理屈っぽいが害らしい害もなく、ただのんびりバカンスを過ごしているようにしか見えないダメペンギンが繰り広げられないドタバタの愛憎劇……。
 ダラダラ続く夏休みの不可思議談……。



ペンギン星人の来襲。
ペンギン星人の周辺調査。
ペンギン星人との接近遭遇。
ペンギン星人の休息。
ペンギン星人の夏休み。
ペンギン星人の地球侵略。
ペンギン星人の行方。
ペンギン星人の捕獲。

ペンギン星人の本音。

 早く追い返せばいいのに……。


“JACKPOT DAYS” all performed by Billy.-海賊ビリー ロゴマーク.png
2012-08-19 11:08 | カテゴリ:ペンギン星人物語
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 捉えられたペンギン星人はその身柄の引き渡しの保護者として、リョウタ少年を指名した、ペンギン星人には地球に他の知人などおらず、水族館の飼育員を保護者とすれば、再び、水族館に戻ることになる。
 地球にたったひとりの友人よ、侵略者である私をあたたかく迎えてくれたまえ……。恩義には誠心誠意、応えるつもりだ。
「ブツブツ言わないで早く歩くっ‼」
 同行する警察官の容赦ない檄を浴びせられる、使者として来訪した彼には、この扱いは不本意だった、だが、仕方がない。
 いましばらくの我慢だ、我々ペンギン星人がこの知的水準が低く暴力に満ちた星を手に入れたそのとき、治安を司るこの星の警察官たちは然るべき刑を持って対処せざるを得ないだろう……。
 もはや歩行する意思をなくしたペンギン星人はずるずると引き摺られながら、リョウタ少年の元へ向かう。


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「なんだありゃ?」
 警察官がずるずると着ぐるみを引き摺っていた、その着ぐるみは中にヒトが入っているのか、不満めいた独り言をつぶやいている。

 男たちは旅の最中だった、あまりの暑さにエンジントラブルを起こして停止してしまったバンを押し、不慣れな地でスタンドを探し回っている。
「そんなこといいから押せ押せ、陽がくれちまったら面倒だ」
 運転席からヒラサワくんが掠れた声で叫ぶ。
「……んなこと言ってもなぁ……もう限界だよ、なあ、ジョニー?」
 天野くんは隣にいるはずのジョニーに愚痴をこぼす、意外にヒラサワくんは人使いが荒かった、最年長であることを言い分に、押す側になる気は最初からなかったのだ。
「ちょ……休憩しよう、なあ、ジョニー……あれ、ジョニー?」
 ジョニーは隣にはいなかった、左右に振り替える、彼の姿が視界に入る。

「……君、ひょっとしてペンギン?」
「分かるのか……?」
「うん、有名だからね、ペンギンって」
 なんと……ペンギン星人は思う。私のようなペンギン星人を既に知る者が……? この若者……どこかで見たような……あ、あれはサイヤ人か、こいつとは違うな……。
「で、ペンギンなのに喋るのはなぜだい?」
「君は私を着ぐるみだとは言わないのか……?」
 ジョニーはクールに唇を尖らせ、人差し指をその前で振る。
「こんな暑い時期に着ぐるみなんて着ないよ、当たり前じゃん」
「そうか……私を他星人だと理解してくれたのは、君ともう一人しかいない……私のことは口外しないでいただきたい」
「いいよ、ナイショってことだね」
 ふたりは絆の証に固く手を握り合う。ここにひとつ、未知との交流が生まれたのだ。
「……最後に君の名を聞いても……?」
「おれはジョニー‼ パンクロッカーだ‼」
「ありがとう、ジョニー……」

 一瞬のすれ違いが魂の交歓を生むこともある。疑うことのない純粋な生命と生命は、互いの差など気にならなかった、ふたりは手を振り、再会すらも心に誓う。

「おい、ジョニー‼ 着ぐるみと遊んでないでクルマ押せ‼」
 遥か前方にて叫ぶ声が聞こえた。


〈双方の迷走はつづく……〉

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イケメン・ジョニーはスーパースター⁈ (おまとめ篇。)

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the sunshine underground(改訂版)

the sunshine underground #13
the sunshine underground #14

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performed by billy.

2012-08-10 23:26 | カテゴリ:ペンギン星人物語
photo:01






 この星はどうも我らペンギン星人にとってベストな住環境にはならないだろう、すでに温暖化が進み、あろうことか南極大陸が縮小しつつあるとまで言う。
 信じられない、この星のペンギンたち……我らが祖先はどうなるのだろう? 分からない、分からないが、ともかく、南極大陸だけは視認しておきたい。
  だが、私にはその方法がない……よりによって、あのリョウタという少年はあまりに無力だ、この惑星ではあれだけのサイズにまで成長を果たしながら、いまだ成人とは認められず、与えられる権限も限られているらしい。10歳にもなりながら、いまだ初等教育とは想像以上に知的水準の低い民族なのだろう。

 またペンギン星人がぶつぶつ言ってるな……。暑さには弱いらしいけど、とうとうアタマがおかしくなっちゃったか……。
 リョウタ少年は自室を半ば占拠されつつも数日間を共にした奇妙な宇宙人を眺めていた。
「君に頼みがある」
「……ろくなことを言わないと思うけど……一応、聞いてみる」
「南極大陸に同行してもらうことは可能だろうか?」
「同行って……つまり連れてけっことでしょ?」
 リョウタは溜息さえも混じらせた。
「君は私にとって、この星で唯一のトモダチだ、私の存在を公表しないし、住居と食事も用意してくれる」
「ゴハンとウチの用意……それ、トモダチがやることじゃないよ……」
 うむ、侵略はならずとも、友好関係は維持できている。ペンギン星人は積極的に前向きな勘違いをしていた。
「南極は……あ、そうか、ペンギンに会うことならできるよ?」
「なんと? ペンギンは南極以外でも進化を……?」
「進化は分かんないけど。君の祖先なら水族館に行けば……」
 ペンギンに会わせれば『自分が宇宙人である』なんてバカも言わなくなるかもしれない。そのまま飼育してもらえばいい、喋るペンギンなんて珍しいし、きっと喜ばれる……。
 両者の思惑は見事に食い違っていた。


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前回まで

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流星ツアー

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流星ツアー#11
流星ツアー #12

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go,johnny go‼
photo:03



イケメン・ジョニーはスーパースター⁈


performed by billy
href="http://stat.ameba.jp/user_images/20120219/22/nightonfool/c5/2c/p/o0480038111804931221.png">JACKPOT DAYS!! -poetrical rock n'roll and beat gallery--海賊ビリー 新ロゴマーク.png














2012-08-10 00:03 | カテゴリ:ペンギン星人物語
photo:01



 暮れてゆく街を南へ向かう、足取りは軽くないがそれでも着実に自らがいるべき場所へと進んでゆく。目の前に広がる景色は故郷で見ることはできないものだった、黄昏時は燃え落ちる太陽と、それが引き連れる群青、そして赤みのグラデーション。
 美しい星だ、ペンギン星人は素直にそう思う。私はこのような風景を遠く離れた母星の同胞たちにも見せてやりたい、ペンギン星人はそう思っていた。

……故郷の彼らは、いま、どうしているだろう……そして、唯一人、この星で友情を交わしたリョウタ少年は私の帰還をどう思うだろう……涙して歓喜し、抱きしめてさえもくれるだろう。
 そう、私たちにはあたたかな想い出と確かな絆、そして種族を越えた友好関係があるのだ。
 想い出は美化されていた、都合良く書き換えられてゆく、だが実際にはペンギン星人とリョウタ少年の間には特筆すべきような想い出はない。ペンギン星人はひたすらに勘違いを続けるのだった。

 家路をゆく人々がのそのそと歩く彼を見ている、通りすがりのネコが彼を威嚇する、ぶつぶつと想い出をつぶやく不気味な着ぐるみは明らかに異質である、幼い子を連れた母親は我が子を抱きかかえ、足早にペンギン星人から離れてゆく。
「……ちょっといいかな? 」
 背後から声が聞こえた、ペンギン星人は振り返る。この星の人々から親愛を受けているのだと思う。
 しかし、そこにいたのはペンギン星人を訝げに睨む濃紺の制服に身を包んだ中年男だった。
「◯◯警察の者だが、着ぐるみが……いや、ぶつぶつ独り言を話している不審者がいると通報があったもんでね 」
「ケーサツ……?」
 ペンギン星人の思いとは裏腹に、地球人はペンギン星人を受けいれてなどいなかった。
 
≪まだ続いてしまうのか……≫

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前回までのペンギン。

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流星ツアー
photo:02


流星ツアー #15

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2012 first half / best truck
photo:03


上半期傑作選


performed by billy
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